履歴書の得意科目はどう書く?理由の書き方と科目ごとの例文も

履歴書を書くときに手が止まるポイントはいくつかあります。今回はその中から「得意科目」を取り上げて解説します。得意科目が数学の場合、国語の場合、歴史の場合など、科目別にポイントと例文を交えてご紹介します。得意科目がない場合の書き方や転職での得意科目の書き方などについても解説します。

履歴書の得意科目は何の為にあるのか

「得意科目」は人となりを見ている

履歴書の中に得意科目があるのは、書かれている内容から、その人の人となりを知ろうとしているからです。採用担当者が「得意な科目を知りたいから」という理由だけではありません。履歴書自体がその人を知るためのものですが、それは得意科目についても同じなのです。

賢そうに思われなければならないとか、企業の特性に合った科目が得意でなければならないとか、そういうわけではありません。得意科目に何が選ばれていたとしても、真剣に考えて丁寧に書かれていることがもっとも大切です。得意科目というちょっと他の項目とは毛色が違う項目にも真摯に向き合っているという姿勢が、その人の人となりとして採用担当者に伝わります。

転職でもバカにできない「得意科目」

新卒ではない転職の方は、これまでにも履歴書を書いたことがあるはずです。履歴書を書き慣れていると、つい得意科目をおざなりにしてしまいたい気持ちになります。特に学生ではなくなってから長い時間が経過していると何となく当たり障りのない科目とその理由を書いてしまうかもしれません。

しかし転職でも得意科目は大変重要です。新卒の方のように学校の勉強との距離が離れているからこそ、得意科目の欄を丁寧に書いている人とそうでない人の差が目立ちます。転職での応募者の中で抜きん出るには得意科目を軽く見ずにきちんと向き合って書くことが大切です。

就活には得意科目を捨てない誠意が必要

就活をしている方にとって、履歴書を書く作業というのは骨が折れるものです。履歴書一枚をしっかりと真剣に書き上げようと思うほど、得意科目の欄で気を抜きたくなります。実際に履歴書の中で得意科目の欄が充実している応募者は稀と言われています。

だからこそ得意科目は大切です。他の応募者と差をつけるチャンスになります。また、得意科目を丁寧に書くことで自己アピールや応募の動機の補足事項として使うことも可能です。仕事に直接関係がないと思われる得意科目ですが、そこを捨てない姿勢で誠意を感じてもらうことができます。

履歴書の得意科目ごとの例文とポイント

「国語」はコミュニケーションに通じる

「国語」と言っても読み・書き・理解・推測などさまざまありますが、いずれにしても文章を通して他人の気持ちを推し量ったり、状況に応じた対応を感覚で捉えるということは共通しています。国語が得意な人の中では当たり前になっているその感覚こそが、企業へのアピールポイントです。

「私の得意科目は国語です。幼いころから本が好きだったこともあり、今までにたくさんの物語を読んできました。国語の授業では題材を読みながら登場人物の気持ちを想像したり、主人公がおかれている状況を把握したりすることが楽しく夢中になりました。日頃から周囲の人の気持ちを想像することで、たくさんの友達ができるようになったのも国語のおかげだと思っています」

「数学」はプログラミングに必須

数学が得意な方の多くは「数字は論理的だから」「答えが出るので気持ちが良い」という感覚を持っています。その感覚を就活に活かすと大きな長所として認識してもらうことができます。特に人気のプログラミング職などでは、その性質から数学が好きな人は重宝されやすいでしょう。

「私の得意科目は数学です。どんな場合でもきちんと答えが出る数学は自分の中で情報の処理がしやすく、数字で表されると安心感を覚えます。数字の動きを見ることも好きで、数字の動きから状況や状態をある程度把握することができます。また、言葉だけでは理解や把握がしにくいことを数字を使ってわかりやすくすることも得意です。」

「歴史」はビジネス戦略をアピール

歴史が得意な方は先人の教えや教訓に長けていることが多いです。ビジネス書の中でも歴史上の人物の行いは、現代のビジネス戦略にも通じているという見方がされていることがあります。歴史が得意な方は勉強をしながら、ビジネス戦略の基礎を学んでいると言っても良いかもしれません。

「私の得意科目は歴史です。永遠に会うことができない先人たちについて学ぶことで、自分が生まれた日本のことや世界のことを広く知ることができました。歴史は繰り返されるといわれるように、これまでに学んで来たことが必要となる日は遠くはないと思っています。これまで学んだ先人の教えを自分の仕事の指針にしたいと考えています。」

「英語」は情報系でもアピール可能

英語が得意な方はアピールする部分がたくさんあります。しかしその分、希望する職種にいかに結び付けるかというところが重要です。ただ英語が話せる、というだけでなく英語をどんなことに使いたいのかという部分まで考えた上で、得意科目を書くようにすると効果的です。

「私の得意科目は英語です。以前から外国に興味があったためですが、今は得意な英語を仕事に活かしたいと強く思っています。商品やサービスを外国の方に紹介をしたり、日本語だけではなく英語でのコミュニケーションを取ることで取引先の方やお客様に喜んでいただきたいと考えています。」

「体育」は看護師就職でも重宝される

得意科目が体育という方は、特に履歴書の得意科目には書きにくいと感じているようです。しかし体育が得意というアピールは体の基本機能が優れているということを知ってもらうためにも有効です。特に体が資本の看護師就職などでは大きなポイントとなります。

「私の得意科目は体育です。幼いころから体を動かすことが好きで、学生になってからもスポーツを続けていました。そのおかげか体が丈夫で、フットワークが軽く少々のことでは体が疲れ切ってしまうということもありません。毎日の仕事では体が資本ですので、これからもスポーツを続けていきたいと思っています」

「美術」はイマジネーションを活かす

得意科目が美術という方は、デザイン系などクリエイティブな職業を希望することが多いかもしれませんが、そうではないこともあります。一見美術とは無関係の仕事を希望している場合は、美術によって培われたイマジネーションについてアピールしてみると良いでしょう。

「私の得意科目は美術です。絵を描いたり、物を作ったりするときに対象となるモデルをよく見ていたので、人や物事を観察することが得意です。仕事でも出会う方を観察し、求められていることを素早く把握することで、行き届いた対応をしたいと思っています」

得意科目がない場合はどうすれば良いか

自分の長所から逆算して考えてみる

履歴書の得意科目に書けるものがない、という方は多いようです。その場合は、無理に得意な科目を考えるのではなく「自分の長所」を再確認してみましょう。自分の長所がわからない場合は家族や友人など、身近な人に聞いてみても良いです。

たとえば、自分の長所が「人見知りをしない」なのであれば「なぜ私は人見知りをしないのか」と考えてみます。そうすると「子どもの頃から外でたくさんの友達と遊んだからかもしれない」「人はみんなそれぞれ違うということを知っているからかもしれない」など理由の見当がつくようになります。

すると「子どもの頃から体を動かすことが好きだったし、運動したくないと思ったことはないから体育が得意なのかもしれない」「本をたくさん読んだから、人と自分が違うことを受け入れられるようになったのかもしれないから国語かな」と、得意科目と結び付けることも可能です。

まとめ

履歴書は一足先に採用担当者へ会ってくれる自分の分身のようなものです。手書きでもパソコン作成でも、心を込めて丁寧に書かれた履歴書は採用担当者の目に止まります。一文字一文字に心を込めて、丁寧に言葉を選べば誠意や熱意は伝わるはずです。「得意科目」を通して、自分は何を伝えたいのかということを考えながら書いてみましょう。