サバティカルの意味とは?長期休暇の目的・メリットや英語も解説

日本ではまだまだ新しい企業制度に「サバティカル休暇」というものがあることをご存知でしょうか。働き方改革が推進され、ライフスタイルの多様化やワークバランスへの配慮が進んでいますが、そのような背景で注目される「長期休暇」に関する制度です。

ここでは、「サバティカル」の意味と定義の他、休暇に関する取り組みや課題について、メリットとデメリットを含めながら解説してます。純粋なる「息抜き休暇」ではない「サバティカル休暇」の特徴にも迫ります。

「サバティカル」の意味とは?

「サバティカル(sabbatical)」は「長期休暇」のこと

「サバティカル」は英語で「sabbatical」です。場合によっては「sabbatical leave」と言うこともあります。意味は「長期休暇」「長期有給休暇」「長期充電休暇」「特別研究期間」などです。

長期休暇といっても、組織によっては「完全有給」「一部有給」「費用の一部補助」など、パターンは様々です。通常は「定められた一定勤務年数を超えた人」に与えられます。給料がでるかどうかは企業によります。

「サバティカル休暇」とはどんな長期休暇?

次に「サバティカル休暇」について解説していきます。

「サバティカル休暇」はもともと大学教授向けの休暇

「サバティカル休暇」は、数年以上の勤務経歴がある国立や私立大学の教授や教員に与えられ、期間は最短でも1か月から長い場合は1年となる「長期休暇」のことです。

「サバティカル休暇」の主な使途は「大学や大学院での研究」となる場合がほとんどですが、今まで経験のない別の分野で勉強を経験したり、語学習得や自身の執筆活動を達成させることもあります。しかし、使途に制限がないため、ほぼ自由に与えられた期間を自分の好きなように使うことができのは大きな特徴でしょう。

もともとは大学の教授に「長期休暇」を寄与するものでしたが、時代と共に活用の場が広がり、現在では一般企業でも「サバティカル制度」の導入が増えています。

一般企業でも「サバティカル休暇」が広がりつつある

「サバティカル休暇」という制度が一般企業にも広がっている背景には、労働環境やライフスタイルの多様化、また一企業の従業員といえども、一人ひとりの個性や考え方を尊重する現代における「変革した企業理念」があるのでしょう。仕事とプライベートの調和を保つこと、つまり「ワークバランスを維持すること」は、結果として企業の生産性を高め、企業の効率化に役立つことから、企業も大きく注目しているのです。

ちなみにイギリスではサバティカル休暇を含む「キャリア・ブレーク」と呼ばれる休暇制度が諸々あり、全体の企業の2割程度が導入を実施していると言われています。

「サバティカル休暇」を導入するメリットとデメリットは?

続いて「サバティカル休暇」を導入する上でのメリットとデメリットを2つずつ紹介します。

メリットは「社会人にとって貴重な時間を確保できること」

導入のメリットは、長期休暇を取ることにより時間が生まれ、自身にとって「やりたいこと」を充実させられる点にあります。

海外留学や大学院進学へのチャンスが生まれる

有給で長期休暇が取得でき、「海外留学」や「大学院進学」へのチャンスが大きく広がるのはサバティカル休暇の大きなメリットでしょう。語学や教養を磨き、人脈も広げることができます。長期休暇により退職したわけではないので、職場復帰もできて安心です。

価値のある長期休暇が経験できる

「サバティカル休暇」は、その定義にもあるように「充電休暇」という使途に制限のない長期休暇」とされています。将来を見据えるビジネスパーソンなら、スキル習得や資格取得など「価値のある長期休暇」を予定していることでしょう。

もちろん、仕事のストレスから解放されリフレッシュすることも大切ですが、価値ある何かに「サバティカル制度」を利用すれば、お金には代えられない「有意義な経験」をすることができます。

デメリットは「仕事に対する考え方が変わってしまう場合があること」

職場復帰が困難になる可能性も

「サバティカル休暇」では1年程度の長期休暇を取得することが可能です。充実した期間を過ごしながらも一年という期間は思いのほか長く、今まで自分の中に根付いた「習慣や仕事への考え方」が希薄になってしまう可能性があります。

海外留学をする場合は、ゆったりとした生活を基本とする文化圏へ行くこともあるでしょう。場合によっては、ダイバーシティでの環境に影響されるこもあり、休暇後の職場復帰が困難になることがあります。

新しい分野への興味が増大する人もいる

「サバティカル休暇」では今まで経験したことのない分野にチャレンジをする人もいます。現行の業務に関係する分野の場合もありますが、全く主旨の異なる分野に休暇を割く場合は「新しい分野の興味が増大」することも考えられるでしょう。

そうなると休暇後に同じ職場に戻り、同じ業務を遂行することに「抵抗感」を抱くこともあり、人によっては結果的に「離職」してしまう場合もあります。これは企業側のデメリットとなりますが、離職の事態を回避するためには事前に「休暇目的」をしっかり確認しておくようにすることが大切です。

「サバティカル休暇」を導入するために必要な取り組みとは?

それでは「サバティカル休暇」を検討中の企業や人事担当者は、「サバティカル休暇」という制度をどのように導入するべきなのでしょうか?効率的な導入の手段と考えるべき課題を上げてみましょう。

リモートワークや在宅業務でコスト削減を試みる

「サバティカル休暇」を含め「従業員の休暇取得」には総体的に「コスト」がかかるため、「コスト軽減」への取り組みは重要でしょう。

企業が取り組み例では、交通費やオフィスの賃貸料を軽減するために「リモートワークを推進する」「レンタルオフィスに切り替える」「週に数時間の在宅勤務を奨励する」などが挙げられ、まとまったコスト軽減に力を入れることが求められます。

休暇を取りやすいように従業員の労働環境を整える

「サバティカル休暇」を利用して休暇をとる間、誰かが休暇取得者が受け持つ業務の埋め合わせをしなければなりません。企業側は「誰がどのような手順で休暇取得者の代理を務めるか、職場を離れている間の連絡の仕方などを含めて業務体制を整える必要があります。

また、休暇全般において「休暇を申請する」ということに抵抗感のない社風や考え方を、社内の底辺に埋め込む努力も必要でしょう。「休暇を取りやすい環境作り」は企業側にとって新しい試みかもしれませんが、社員の成長を期待し風通しの良い雰囲気作りをすることは欠かせません。

従業員が戻ってきやすい状況を作っておく

1年近くの「サバティカル休暇」を取得すると、休暇が終わって職場に戻る時に「ギャップ・イヤー(gap year)」というものが発生します。従業員にとっては新しいことへのチャレンジや大学で専門分野の強化に没頭できる期間でもありますが、その期待感や充実感とは裏腹に「トラブルなく職場に戻れるのか」という不安は隠しきれないでしょう。

「サバティカル制度」を利用して休暇を取る従業員への配慮として、、職場復帰後はどのような状態で仕事に戻る予定なのか、企業側が休暇取得者にシュミレーションをしておくことが大切です。

まとめ

「サバティカル休暇」はもともと大学の教員が大学院で学術的・専門的知識を得るために与えられる長期休暇のことで、取得への基本的な条件は「定められた勤務年数をクリアすること」です。現在ではライフスタイルの多様化やワークバランスへの意識により、一般企業が注目する「休暇制度」の一つとなっています。

休暇を与えるにあたり、企業がすべき取り組みは「相対的なコスト削減」や「従業員が職場復帰しやすい環境づくり」などとなりますが、第一に職場復帰への「従業員の不安」を取り除くことが大切です。

また、「サバティカル休暇」を取得する側(従業員)は、価値のある長期休暇を実現するためにも「有意義な使途へのプランニング」をしっかりしておくことが最も重要となります。