個人事業主のための節税方法!サラリーマンの副業についても解説

税金が安く済む節税。個人事業主であれば、ぜひ取り組みたいですが、難しくてよくわからないという方も多いのではないでしょうか。今回は、個人事業主ができる節税について紹介します。サラリーマンの副業についてもあわせてご紹介します。

個人事業主の節税方法とは?

節税方法①経費を見直す

個人事業主の節税方法は、まず経費を見直すことです。実は経費にできるのに、していないものがないか見直すことが、節税の第一歩です。

所得税は、収入から経費を引いた額に税率をかけます。つまり、経費の金額が大きければ支払う税金額は少なくなります。

節税方法②控除できる項目を見直す

所得税の計算式に書かれている「各種控除」を見直すことで節税できることがあります。

「各種控除」とは、以下の15種類あり、該当するものを控除できます。控除するものが増えれば、支払う税金額が少なくなります。

控除の種類内容
雑損控除災害や盗難などで損害を受けた人が対象
医療費控除病院などで支払った医療費の一部を控除
社会保険料控除国民健康保険や国民年金を支払った場合はその金額を控除
小規模企業共済等掛金控除指定された共済や年金があり、その支払額を控除
生命保険料控除生命保険料を支払っている場合は最高12万円まで控除
地震保険料控除地震保険料を支払っている場合は最高5万円まで控除
寄付金控除寄付をした場合の控除、ふるさと納税は寄付金控除になる
寡婦・寡夫控除夫(妻)と離婚や死別した場合の控除、基本的に27万円控除
勤労学生控除納税するほどの収入がある学生は27万円控除
障害者控除本人、もしくは一定の家族などが所得税法上の障害者に当てはまる場合、基本的に一人につき27万円控除
配偶者控除控除対象になる配偶者がいる場合、基本的に38万円控除
配偶者特別控除配偶者の所得が一定の額の場合、配偶者の所得金額に応じて受けられる控除。所得金額によって控除額が異なる。
扶養控除子どもなど、扶養している家族1人につき、基本的に38万円控除
基礎控除全員一律で38万円控除
青色申告特別控除青色申告をすると、10万円か65万円の控除

経費に計上できるものは?

事業に必要なものが経費になる

基本的に、事業に必要なものであれば経費になります。事業で使うために買った文房具や備品などは経費です。

月々家賃を支払っている人で、自宅の一室を自宅兼事務所としている方は、事務所として使っている部屋の面積分であれば、家賃を経費にいれることができます。例えば、60平米のアパートのうち20平米の部屋を事務所にしているなら、家賃の3分の1が経費になります。

家賃以外にも、電話やインターネット代など、事業で使うものは経費にいれることができます。

ただし、スーツのような、事業以外でも使うことができるものは経費に入れることができません。事業に必要な経費であることが「合理的」だと認められるものだけが経費になります。

事業に必要な本の購入は経費になる

事業のために購入した本も経費です。行っている事業によって必要になる本も違うので、事業によって経費にできる本は異なります。

例えば、エステサロンを経営している人が美容の本を経費で購入することは合理的と考えられますが、学習塾を経営している人が美容の本を経費にするのは難しいでしょう。

商品券を経費にいれるときは注意

事業でお世話になった人にプレゼントするなど、商品券を購入することもあるでしょう。商品券は、脱税していないかと疑われることもあるため、経費にいれるときにはきちんと記録を残しておいた方がよいでしょう。

いつ、だれに、いくら分をなぜ渡したのか記録しておけば、後々脱税していないか疑われたときの証拠になります。商品券も「合理的」だと認められるものだけが経費です。

車購入費を経費にいれる

事業で使う予定であれば、車の購入も経費にできます。車購入費は全額をその年の経費にすることができず、「減価償却」が必要です。

「減価償却」とは、国が決めた「耐用年数」で購入した金額を割り、その年数分、毎年経費として計上する方法です。例えば、耐用年数4年の100万円の車を購入したら、25万円ずつ4年間に分けて経費にします。

サラリーマンの副業の場合の経費

サラリーマンの副業で事業をする場合は、事業で必要なものだけが経費になります。サラリーマンとして働いている会社で使うものを購入しても、自分の事業の経費にできません。会社で使うものは会社で経費にしてもらいましょう。

副業に関連する本であれば経費にすることができますが、会社の仕事で使う本は経費にできません。また、車の費用を経費に入れることが可能です。副業で車を使うようになったときから、耐用年数で計算して「減価償却」をしましょう。

「所得控除」で増やせるものは?

「所得控除」できるものがないか見直してみましょう。ここでは、家族の有無などにかかわらず、手続きをすればできる所得控除を紹介します。

青色申告する

所得控除額の中で、手続きをするだけで増やすことができるのが「青色申告特別控除」です。「青色申告」とは、事業のお金の出入りを記録する帳簿を、簿記の方法で記録し、確定申告する方法です。

簿記の方法には2種類あり、現金式簡易簿記で記録すると10万円、複式簿記で記録すると65万円の控除ができます。

サラリーマンも青色申告OK

副業で事業を行うサラリーマンでも、青色申告ができます。確定申告書には、事業所得を記入する欄と、給与所得を記入する欄があります。サラリーマンとして働いている収入は給与所得に記入します。

ふるさと納税する

ふるさと納税とは、実は「寄付金控除」を利用した制度です。名前は「納税」ですが、行っているのは「寄付」です。

自分で選んだ自治体に寄付すると、地域の特産品などをもらうことができます。寄付した金額は、2000円の自己負担額を除いて、住民税や所得税から控除されます。つまり、寄付した金額分、節税になります。

保険で個人事業主が節税するには?

「経営セーフティ共済」は経費になる

「経営セーフティ共済」の正式な名前は「中小企業倒産防止共済掛金」です。取引先が倒産したときなどに必要なお金を借りることができる共済制度です。基本的には、毎月掛金を支払う制度で、この掛金を経費にできます。

条件を満たせば、解約時に支払った額の100%が返ってきますし、年末に駆け込みで最高240万円まで支払うことができることから、節税に利用する人が多い制度です。

生命保険・介護医療保険・個人年金は所得控除

個人的に加入している保険には、所得控除されるものがいくつかあります。生命保険・介護医療保険・個人年金は、支払った金額が所得から控除できますので、忘れずに確定申告書に記入して、節税しましょう。支払った金額の証明書などは、保険会社が発行しています。

個人事業主が払う税金の計算方法

個人事業主が払う税金は4種類

ほとんどの個人事業主の方は、所得税と住民税を支払わなければなりません。また、収入金額が一定の金額を超えると、消費税や事業税の支払いが必要になります。

どの税金も、収入や経費の金額から、支払う税金額を求めます。一般的に、稼いだ金額が大きいほど、支払う税金額が大きくなります。

収入から経費や控除額など引く

所得税の金額は以下の計算式で計算します。

(収入‐経費‐各種控除)×税率‐課税控除=所得税額

住民税の計算方法は、住んでいる地域によって多少異なりますので、詳しく知りたい方は市役所などで相談しましょう。

まとめ

個人事業主が節税するポイントは、経費にできるものを見直すことと、所得控除できるものがないか見直すことです。実は経費にできたのにしていないものが見つかることもありますので、ぜひ一度見直してみてはいかがでしょうか。節税がうまくいくことを応援しています。