「恐縮」の意味と類語とは?ビジネスや目上の人への使い方も解説

「恐縮」は、丁寧に感謝の意を相手に伝えられる言葉。類語や言い換えを用いれば、ビジネスシーンや目上の人に対しても使うことができます。ここでは「恐縮」について、言葉の意味と使い方、類語と英語表現を含めて解説しています。

「恐縮」の意味とは?

「恐縮」とは「申し訳ない気持ち」を表す言葉

「恐縮」は、それぞれ「恐」と「縮」が説明する通り「恐れて身が縮まる」という意味です。

「相手に対し迷惑をかけた時」「御礼や恩恵を受けた時」などに、「本当に申し訳ない」「感謝しきれない」という気持ちを持って放たれる言葉となります。

「恐縮です」は「ありがとうございます」を代弁

「恐縮です」は相手に対して「申し訳ない気持ちで一杯です」という感情を伝えることができる表現です。

「恐縮です」は「ありがとうございます」という言葉に代弁することができ、「本当に身に余る厚意である」という心からの御礼の気持ちも含んでいると言えるでしょう。

「恐縮」の使い方の例文

「恐縮です」で感謝とお礼の気持ちを伝える

  • ここまでしていただいて本当に恐縮です。
  • お祝いを送っていただき、誠に恐縮です。
  • 送別会をここまで壮大に開いてもらえるなんて、恐縮です。

「恐縮ですが…」で相手に依頼したり承諾を得たりする

  • 大変恐縮ですが、こちらにサインを頂けますでしょうか?
  • 恐縮ですが、来週の水曜日にお時間をとっていただけますか?
  • 誠に恐縮なのですが、今後の予定をメールで送っていただけないでしょうか?

「恐縮の至りでございます」で感謝の気持ちを強調する

  • 社長直々にご挨拶いただけるとは、恐縮の至りでございます。
  • 入社間もない私にプレゼンの司会を任せていただき、恐縮の至りに存じます。
  • 素晴らしいお祝いの品をいただき、夫婦ともども恐縮の至りでございます。

「恐縮」のビジネスシーンでの使い方

「恐縮です」で感謝の意を伝えることもできる

ビジネスシーンでは取引先や仕事で関わる担当者に、思いも寄らず迷惑をかけてしまうこともあるでしょう。

そのような際に「大丈夫ですよ」「心配しないで下さい」という相手側の気遣いに対し「恐縮です」という表現を使い、感謝の意を示します。

「恐縮ですが」は目上にも使える「恐れ入りますが」に言い換え

「恐縮ですが」は普通の会話でも使われる表現ですが、どちらかというと「書き言葉」として活用することが多いと言われています。そのため、実際に対面で人と話す場合には、「恐れ入りますが」と使いましょう。

ビジネスシーンで会議や話し合いの際に「恐縮ですが…」と話を切り出すこともありますが、やや堅苦しい印象を与えてしまう可能性があります。

職場やビジネスシーンでの会話の中では「恐縮ですが」を「恐れ入りますが」に切り替えて使いましょう。「恐れ入りますが」は目上の人にも失礼にあたることはなく、ビジネスで好んで使われる表現です。

メール内の「恐縮」は1回にとどめる

「恐縮です」「恐縮ですが」は、相手に何らかの依頼や承諾を求めることの多いビジネスメールでは大変便利な表現です。しかし、何度も使うと本来のかしこまった意味合いが薄れ、稚拙な印象を与えます。

メールや文書内での「恐縮」の使用は1回にとどめましょう。

「恐縮」の類語・言い換え表現とは?

「恐縮です」の類語・言い換え表現

相手の厚意や優しい心遣いに対して「感謝しています」という気持ちを表す「恐縮です」は、「恐れ多いです」「本当にありがとうございます」などに言い換えことができます。

「恐縮ですが」の類語・言い換え表現

相手への依頼や了承のための「お願いできますか?」「よろしいですか?」という問いかけの前に置きたい「恐縮ですが」は、「お手数をおかけしますが」「申し訳ありませんが」、断りの場合には「あいにくですが」などに言い換えることができます。

「恐縮です」「恐縮ですが」と類語の使い分け

「恐縮です」と「痛み入ります」の使い分け

感謝の気持ちを表現するときに使う「恐縮です」に似た表現に「痛み入ります」があります。「恐縮です」は「申し訳ないほど感謝している」ですが、「痛み入ります」は「心が痛むほど感謝している」という、「恐縮です」よりさらに強い表現です。

また、「痛み入ります」は目上の人に対してのみ使う点が「恐縮です」と異なります。

「恐縮ですが」と「僭越ながら」の使い分け

「恐縮ですが」と同様に申し訳ないという意味のある「僭越ながら」は、ニュアンスが少し異なりますので注意しましょう。

「僭越」(せんえつ)とは、自分の地位や立場を超えて出過ぎることをいいます。「僭越ながら」はスピーチや意見をする際などに、立場を超えて出しゃばって申し訳ないという謙遜に使いますが、「恐縮ですが」は迷惑をかけて申し訳ない、厚意が恐れ多いという場合に使います。

「恐縮」の英語表現とは

「恐縮」の英語表現は文脈によって変化

「恐縮」という表現を英語でする時は「感謝」「依頼」「承諾」など、状況や文脈によって異なります。それぞれ、次の通りです。

「恐縮」の意味を表す英語の例文

  • I am really grateful.
    本当に嬉しく、恐縮しています。
  • It’s very kind of you.
    あなたの優しさ(ご厚意)に感謝しています。
  • Would you mind if I ask you something?
    恐縮ですが、お願いしてもよろしいですか?

まとめ

「恐縮」は通常「恐縮です」「恐縮ですが」という表現で使われることが多い言葉で、「本当に感謝しています」「ありがとうございます」という感謝の気持ちと、「お願いできますか?」「よろしいですか?」おという依頼や承諾のシーンで使わることがほとんどです。

また、話し言葉として使う時は相手が委縮し過ぎてしまわないように、状況に合わせて「恐れ入ります」「恐れ入りますが」と言い換えるようにしましょう。