「ローテーション」の意味と使い方!様々な分野での意味と関連語も

「ローテーション」は野球やバレーボールなどのスポーツでよく使われるカタカナ語ですが、ビジネスシーンや日常の会話でも活用できる便利な言葉です。

ここでは「ローテーション」の意味と使い方、熟語表現、ジョブローテーションについて解説しています。職場でも状況に応じて適切なカタカナ語をどんどん使っていきましょう。

「ローテーション」の意味とは?

最初に「ローテーション」の英語表記と正しい意味から見ていきましょう。

「ローテーション」の意味は「回転」「循環」

「ローテーション」の意味は「回転・循環・交代」です。

ものごとの中心や軸を周る場合は「回転」の意味、季節や景気などが順に訪れる場合は「循環」「交代」の意味、複数が交代で順番に回っていく場合は「輪番」「持ち回り」の意味として使われます。

「ローテーション」は英語の「rotation」

「ローテーション」は英語の「rotation」のことで、動詞「rotate」の名詞形となります。場合によっては「ローテ」と省略形で示すこともありますが、意味は同じです。

「ローテーション」のビジネスでの使い方

「ローテーション」のビジネスにおける使い方に着目し、併せて熟語表現を紹介していきます。

ローテーションを組む

「ローテーションを組む」は企業や組織内のグループや部署において、メンバーそれぞれが順序を決めて業務を行うことを指します。シフト制を取り入れている工場やホテルや旅行会社などのカウンター業務、コンビニエンスストアやショップでの販売業務など、さまざまな規模のあらゆる業種の「勤務体制」に使われる言葉です。

  • 来月のシフトのローテーションを組んだ。
  • ローテーションを組んで、業務の効率化を図る予定である。
  • コールセンターで昼休みのローテーションを組み、顧客の対応にあたる。
  • ローテーションを組みながら、後輩の指導を担当していこう。

ローテーションで回す

「ローテーションで回す」は業務や担当を順番に回していくという意味です。ビジネスにおいては、繰り返し行われる業務に対し、多忙な部署などに採用される稼働手法の一つです。

  • 新規店舗での業務はローテーションで回していこう。
  • ローテーションで回せば、均等に業務時間の配分ができる。
  • 警備会社では夜間勤務をローテーションで回すところが多い。
  • ローテーションで回すことは、企業にとっても効率的である。

ローテーションする

「ローテーションする」は言葉通り「業務や担当を循環・回転させる」という意味で使われます。複数の業務を扱う場合は、一つだけのタスクにとどまらないように「ローテーションする」ことで、全体の業務を把握することができるでしょう。

  • 新規業務に対し、ローテーションしながら内容を覚えていくようにした。
  • 営業手法をローテーションすることで、取引先にバラエティ豊かなアプローチをかける。
  • 休日出勤の出番をローテーションするようにした。
  • 業務ローテーションを繰り返すことで、包括的な視野を持つ社員を育てる考えだ。

スポーツと数学の分野における「ローテーション」の意味

スポーツ/娯楽における「ローテーション」

一般的に知られているのは、野球の試合で先発投手が登板をする順番「先発ローテーション」でしょう。6人制のバレーボールでは、試合でサーブ権をとったチームが「選手のポジションを時計回りに一つずつ変えていくこと」を指します。

また、競馬においては「当該競走馬の出走予定」や「競走馬が出走した数や出走レースの日にち的な間隔」、さらに、ビリヤードでは「落としたボールに刻まれた数字の合計を総合得点として計算するゲームの種類」のことを「ローテーション」と呼んでいます。

数学の「ローテーション」はベクトル解析での概念

数学における「ローテーション」は「ベクトル解析」で登場する「回転」という概念を指します。回転の軸(直線)を「axis of rotation」、回転の面(平面)を「plane of rotation」と呼び、お互いが垂直に交わるのが特徴です。

ローテーションの関連語「ジョブローテーション」とは?

最後にビジネスにおける「ジョブローテーション」の概要について、メリットやデメリットを含めて解説します。

「ジョブローテーション」とは「人材育成を目的とする施策」

「ジョブローテーション」は企業や組織内で「人事異動」や「配置替え」を行う「人材育成」を目的とした施策の一つです。同部署や同グループ内で、別の業務を担当させることを含め、営業、企画、人事、総務、工場勤務など、定められた期間において新しい経験をさせていく制度です。

「ジョブローテション」のメリットは「人脈の構築」と「業務知識の向上」

「ジョブローテーション」の大きな2つのメリットは、別の部署や部門で仕事をすることにより、今まで距離のあった人たちと「人脈の構築」ができること、また、新しい業務を体験することで「企業が構成している要素」を知識として吸収できることが挙げられます。

企業全体の視野で見れば、「ジョブローテーション」で業務のマンネリ化を防ぎ、人材のバックアップ体制を築くこともできることが期待されます。

「ジョブローテション」のデメリットは「専門分野への派遣は難しい」

一方「ジョブローテーション」でのデメリットは、技術的・知識的な面においてスキル性の高い部署への派遣は難しいということです。たとえば、エンジニアリングの部署へ営業部からジョブローテーション」で派遣されたとしても、熟練を極めた部署での技術や知識の習得はミニマムに過ぎないことがほとんどです。さらに、仕事の割り当ても難易度の低いものとなる場合が多いでしょう。

さらに、キャリア志向の人は他部署での業務をプラスと捉えることができず、結果的に離職してしまうケースも考えられます。

人事側は「ジョブローテーション」を行う際、社員の意見や将来の方向性を確認した上で実践に移すことが大切です。

まとめ

「ローテーション」は「循環」「回転」「輪番」などの意味があるカタカナ語で、スポーツに限らず、職場でも用いられるビジネス用語の一つです。勤務や業務体制で「ローテーション」という言葉は多く活用され、「ローテーションを組む」「ローテーションで回す」などの熟語表現を使います。

また、「ジョブローテーション」は企業にとってメリットの方が多いですが、社員の考えを踏まえた上で配置転換や業務変更をするようにしましょう。