「既成事実」の意味と使い方!恋愛での「既成事実を作る」とは?

「既成事実」という言葉を聞いたことがあっても、いまいち意味がわからない、どう使えば良いのかわからないという方は多いようです。今回は「既成事実」という言葉の意味や使い方について解説します。

「既成事実」という言葉は理解が難しい言葉ですが、例文を交えて解説するのでぜひこの機会にマスターしてみてください。

既成事実とは?

既成事実の意味は「認めざるを得ない事柄」

四字熟語「既成事実」の意味は、”既に起きている事実で、誰もが認めざるを得ない事実”です。「認めざるを得ない」という部分がポイントで、たとえその事実を認めたくない人であっても「確かにこれは事実だ」と言わざるを得ない、というイメージです。

「既成事実」という言葉は「既にできあがっている」「既に成り立っている」という意味の「既成」と「実際に起きている出来事」という意味の「事実」という2つの言葉で成り立っています。

一般的な「既に起きている事実」は「事実」「現実」と言われることが多く、ただ起きているだけの事実について「既成事実」という言葉は使いません。

「既成事実」の使い方・例文とは?

使い方①「既成事実を作る」は状況を作る

「既成事実」という言葉は「作る」という言葉と一緒に使われることが多いです。「既成事実を作る」という言い方で「誰もが認めざるを得ない事実を作り上げる」という意味になります。

  • 「まずは○○さんがこのプロジェクトを取り仕切って、プロジェクトリーダーであるという既成事実を作りましょう」
  • 「彼が既成事実を作ったことで、メンバーはみんな堂々と振る舞っている」

使い方②「既成事実化する」で変化させる

「既成事実」は「既成事実化」という言葉でも使われます。「既成事実化」という言葉は「すでにある事柄を改めて事実として受け入れる(変化させる)」という意味です。「既成事実を作る」に比べると、既にその事柄は存在しているので、あとは周囲の人の意識を変えるだけという状況となります。

  • 「この仕組みを我が社のオリジナルとして既成事実化しましょう」
  • 「物事の既成事実化には、まずその物事を実行することが欠かせない」

恋愛においての使い方

「既成事実」という言葉はさまざまな事柄に使われますが、日常生活では「恋愛」について使われることも多い言葉です。恋愛というのは、目に見えないお互いの気持ちによって成り立つものであるため、傍から見たときに当人たちの状況がわかりにくいものです。こと恋愛に限っては「既成事実=子ども」または「既成事実=お付き合いをしているという証拠」として認識されていることが多いです。

  • 「周囲の反対も既成事実を作ってしまえば問題ではない」
  • 「2人の関係を既成事実化するために、ペアリングを身につけているようだ」

「既成事実」を使った例文

「既成事実」を使った例文をいくつかご紹介しましょう。

  • 「私は既成事実を作って、課長に認めさせようと思った」
  • 「彼のやり方はいつも同じで、物事を既成事実化させてしまうという方法だ」
  • 「彼女は既成事実を作って彼と結婚しようとしている」
  • 「部長からの指示は、この仕組みを既成事実化させろというものだった」
  • 「A社はいつも既成事実を持ち出してこちらに負担をかけようとする」

「既成事実」の類語とは?

類語①「恒常化」は既成事実化

「既成事実」と非常によく似た言葉に「恒常化(こうじょうか)」があります。「恒常化」とは「常にそうである、そうであって当然と周囲が認識すること」という意味なので、「既成事実化」と同じ意味です

厳密に言えば「恒常化」は「特に変化がない」という意味も持っているので、「既成事実化」よりもさらに「それが当たり前の状態である」という意思表示が強い表現となります。

類語②「事後承諾」は既成事実のその後

「既成事実」とした事柄は、その後どうなるかと考えてみると「周囲に認められる」となります。この「周囲に認められる」という部分をクローズアップした表現が「事後承諾」です。

「事後承諾」とは、何かをしてしまってから周囲や特定の人に承認してもらうという意味ですが、通常承認というのはその物事ができあがる前にもらうものです。そこを敢えて後になってから承認させることで「今さら承認しないと言ったところで事実は変わらない」と相手に半ば諦めさせるのが「事後承諾」と言えるでしょう。

「今さらダメだと言っても仕方がない」という意味では「既成事実」と非常に似た意味を持っています。

まとめ

「既成事実」は良い意味でも、悪い意味でも使われる言葉です。それは「既成事実とされる物事自体の善悪」がなく、その事柄を操る人の気持ちによって決まるものだからです。「既成事実」はただの名詞にすぎません。自分が「これを当たり前にしたい」と感じた事柄について「既成事実」という言葉を当てはめて考えてみると理解しやすくなるでしょう。