「フレキシブル」の意味とは?ビジネスや音楽用語と類語・対義語も

「フレキシブルな対応を」といったように、ビジネスシーンでは臨機応変さが求められる場面で「フレキシブル」という言葉をよく使います。また、吹奏楽では「フレキシブル・アンサンブル」などにも出てきます。

今回はビジネスシーンをはじめ、さまざまな分野で使われる「フレキシブル」について、意味や使い方を解説します。例文や類語、対義語、もともとの英語の意味にも注目してください。

「フレキシブル」の意味とは?

「フレキシブル」の意味は”柔軟・融通”

「フレキシブル」の意味は、”柔軟・融通”です。一般的に「フレキシブル」と言うと、ビジネスの場で使われる場面を想像する人は多いでしょう。

「もっとフレキシブルにやってよ」などと使われ、これは「もっと柔軟に対応して」「もっと融通を利かせて」と言っているのと同じです。

ただしこの「柔軟」「融通」は、英語のフレキシブルが持つ元々の意味を応用した解釈です。厳密に言えば、必ずしも「フレキシブル=柔軟・融通」という意味ではありません。

英語「flexible」の意味は”曲げる・素直な・適応力がある”

英語のフレキシブルはflexibleと書きます。品詞は形容詞で意味は大きく分けて3つあります。1つ目は「曲げやすい・しなやか」という意味で、2つ目は「素直な」、3つ目に「適応力がある・弾力的な」と続きます。

ビジネスシーンで主に使われている「フレキシブル」は3つ目の意味に近く、物が曲げやすくしなやか、もしくは素直に曲げられるという意味から適応力・弾力性に繋がっていきます。

ここでいう適応力や弾力性は主に物に対して使われますが、その性質を人間に置き換えたときに「柔軟・融通」という意味として使われているのです。

「フレキシブル」の関連用語とは?

「フレキシブル・アンサンブル」は音楽・吹奏楽用語

「フレキシブル」という言葉を音楽に使うこともあります。音楽の中でも主に吹奏楽用語として使われるのが「フレキシブル・アンサンブル」「フレキシブル編成」などです。

いずれも決まったパートを決まった楽器が演奏すると決めてしまうのではなく、そこにある楽器で自由にパートを担当して演奏することを指しています。

「フレキシブル配管・ホース」はガス工事用語

「フレキシブル」を使った用語はガス工事にも使われています。「フレキシブル配管」「フレキシブルホース」などもその中の1つです。「フレキシブル配管」は建物内を自在に配管する工法で、「フレキシブルホース」は自在に曲げて使えるホースという意味です。

「フレキシブルアーム」は便利グッズ

身の回りにある便利グッズの中にも「フレキシブル」を使った物があります。「フレキシブルアーム」とは、照明やスマホスタンドなどによく使われている、自由に曲げて固定できるアームのことです。

「フレキシブルアーム」も「自在に動かせるアーム」という意味で、名前の通り自由に角度や方向を変えることができます。

「フレキシブル」のビジネスシーンでの使い方とは?

使い方①「フレキシブルな対応」は臨機応変

ビジネスシーンで「フレキシブル」を使った言い方はたくさんあります。その中でも頻繁に使われるのが「フレキシブルな対応」という言葉です。この場合の「フレキシブル」は「柔軟な・融通の利いた」という意味なので、「臨機応変な対応」と理解することができます。

ビジネスシーンでの「フレキシブル」という言葉は良い意味、または前向きな意味とされていることがほとんどです。

使い方②「フレキシブルタイム」は選択可能な時間

ビジネスシーンで臨機応変以外の意味で使われる「フレキシブル」には「フレキシブルタイム」があります。これはフレックスタイムを導入している会社では日常的に使われている言葉です。

フレックスタイムとは、基本的に自分の勤務時間を自由に調節できる仕組みです。しかしいつ来ても、いつ帰っても良いというわけではなく「コアタイム」が決められています。「コアタイム」とは「フレックスタイムの中でもこの時間帯だけは出勤しておかなければならない時間帯」のことです。

「フレキシブルタイム」とは、この「コアタイム」以外の時間のことです。「フレキシブルタイム」は、仕事をするかしないのかを自分で選択することができます。

「フレキシブル」を使った例文

「フレキシブル」を使った例文をご紹介しましょう。

  • 「今日は大勢のお客様がいらっしゃるので、各自フレキシブルな対応をお願いします」
  • 「もっとフレキシブル考えれば、良い案が出るかもしれない」
  • 「彼はいつもフレキシブルに物事を考えてくれるから助かる」

「フレキシブル」の類語と対義語とは?

「フレキシブル」の類語は”フレキシビリティー”

ビジネスシーンでは「フレキシブル」は「柔軟・臨機応変」という意味で使われるので「フレキシブルに」「フレキシブルな」という使い方をします。

「フレキシビリティー」は「フレキシブル」の名詞表現なので「柔軟性・融通性」という意味になります。そのため「フレキシビリティーを大切にしよう」「課長のフレキシビリティーなところを見習いたい」など「フレキシブル」とは使い方が異なります。

「フレキシブル」の対義語は”インフレキシブル”

「フレキシブル」は自在に曲がる、素直な様子を表します。その「フレキシブル」の対義語は、「インフレキシブル(inflexible)」です。「曲がらない・頑固・不屈」などの意味を持っています。いずれにしても、フレキシブルとは反対の意味でビジネスシーンであれば「柔軟性のない」「融通の利かない」という意味で使われます。

まとめ

「フレキシブル」という言葉は元々の意味である「曲げやすい・素直」という意味が、日本語の臨機応変にとても近く、英語でありながら比較的使いやすい言葉と言えるでしょう。

日本語で「もっと臨機応変に」と言うと、少し威圧感を感じる場面でも「もっとフレキシブルに」と言われると何となく前向きに捉えられるという方も多いのではないでしょうか。その気持ちが「フレキシブル」という言葉の通り、素直に自在にビジネスシーンで活躍できるきっかけになるかもしれません。