英語の本や新聞を見ている時、よく目に留まるのが単語の先頭につく「pre」という文字です。普段「pre」だけに注目することは少ないですが、一体どのような意味合いがあるのでしょうか?
ここでは何となく気になる「pre」について、正しい意味と使い方、似たような言葉「pro」と「pur」にも触れながら解説していきます。
「pre」とは?
「pre」の意味は”前・前に・代わりに”
「pre」の意味は、”前・前に”です。「前に進んで行く・前進する・進む」というニュアンスの言葉です。ラテン語の「pre」は、場合によって”代わりに”という意味があるため、「代わりに前に出る」という状況を想定した意味に転じ、現在の意味「前」に変化したと考えられています。
さらに、起源である印欧祖語「pre」の意味は、英語の「forward=前に」にあたるため、現在の使われ方と最も近いつながりがあると言えるでしょう。
「pre」は”接頭辞”の一つ
「pre」は”接頭辞”と呼ばれる単語の先頭に置かれる言葉です。もともとラテン語の「pre」が語源で、さらに印欧祖語(いんおうそご)である「pre」が起源とされています。
「pre」は”pro・pur”と同じ意味
「pre」の意味は「前」「前へ」となりますが、似たような接頭辞「pro」「pur」も同様の意味を持ちます。「pro」「pur」の語源は定かではありませんが、同じ意味である「pre」が一つの単語を形成するにあたり派生し、結果的に形を変えたと考えられています。
3つの意味でみる「pre」の付く単語
「pre」の付く単語を、「前に」「前もって」「代わりの」の意味に分けて挙げてみます。
「pre(前に)」がつく英単語
- precede=前に進む、先行する
- prefer=そっちの方を好む(多くの選択肢の中で最も前に来るもの)
- pregnancy=妊娠(出産前の状態)
「pre(前もって)」がつく英単語
- precept=教訓(前もって学ぶべきこと)
- predict=予測する
- preexist=先住する
「pre(代わりに)」がつく英単語
- pronoun=代名詞
- represent=代表する
- representative=代表者
「Pre」以外の接頭辞とは?
「pre」以外の代表的な接頭辞
代表的な接頭辞をいくつか挙げてみます。
- anti:反する、賛成ではない
anti-aging(アンチエイジング)antibacterial(抗菌性の)antisocial(反社会的な) - contra:反対に、逆の
contraband(密輸品)contradiction(矛盾)contraception(避妊) - demi,hemi:半分の
demimini(超ミニスカート)demilune(三日月)hemisphere(半球)hemicycle(半円) - bene,bon:良い
benefit(利益)benedictory(祝福)benevolence(親切、善意) - di,dis:否定の、離れて、強意の
disagree(反対する) disgust(嫌気がさす) disappear(いなくなる) - omni:すべての
omnibus(同時の多くを提供すること)omnipotent(無限の力を持つこと)
数字に関する接頭辞の例
数字に関する接頭辞の例を挙げてみます。
- uni:1つの
unicycle(一輪車)union(労働組合の)unify(団結する) - bi:2つの
biannual(年2回の)bias(バイアス)bike(2輪自動車)bicyble(自転車) - tri:3つの
triangle(3角形)trilingual(3か国語)trio(3人の演奏者や歌い手) - tetra:4つの
tetrapod(4つ足の脊椎動物)tetralogy(4部構成の作品)tetragonal(四辺形) - penta:5つの
pentagon(5角形)pentachord(5弦琴)pentacle(星形5角形) - hexa:6つの
hexagon(6角形)hexachord(6音音階)hexadecimal(16進) - hepta:7つの
heptad(7個)heptadecagon(17角形)heptagonal(7角形の) - oct:8つの
octopus(たこ=8つ足)octagon(8角形)october(10月=旧暦では8番目の月) - ennea:9つの
enneagon(9角形)ennead(9個で構成されたまとまり)enneahedron(9面体) - dodeca:12の
dodecagon(12角形)dodecahedron(12面体)dodeahydrate(十二水塩)
まとめ
「pre」は「前に」「前もって」「代わりに」を意味する接頭辞の一つで、代表的な単語でカタカナ語としても知名度が高いものは「プレビュー(preview)」「プレゼンテーション(presentation)」などがあります。
また、「pro」「pur」にも「pre」と同じ意味があり、「プロローグ(prologue)」や「purpose(目的)」が代表的な単語です。接頭辞は目立たない存在ですが、言葉の全体を表す大切な部分となります。ぜひ、この機会に理解を深めておきましょう。