「ニヒル」の正しい意味と使い方は?例文と類語も一緒に解説

どの職場にもいそうな「ニヒル」な人。誉め言葉として使う人もいるようですが、「ニヒル」は一体どのような意味で使うのが正しいのでしょうか?

ここでは、間違った解釈の多い「ニヒル」について、語源と意味、使い方と例文、類語などを含めて紹介しています。早速、意外な意味のある言葉「ニヒル」の語源からみていきましょう。



「ニヒル」の語源と意味は?

「ニヒルの」語源と意味について紹介します。

「ニヒル」の語源は「ニヒリズム」

「ニヒル」の語源はラテン語の「ニヒリズム=nihilism」という思想・思想だと言われています。「ニヒリズム」とは「虚無主義」または「無政府主義運動」を意味する言葉で、もともとは18世にあるドイツ人がラテン語の本で用いた言葉「nihilismo(原子論)」が始まりで、その後、19世紀にロシアで哲学として誕生し「虚無主義」の思想や考えとして知られるようになりました。

また、「ニヒリズム」を貫く人たちを「ニヒリスト=nihilist」、虚無的なようすを「ニヒリスティック=nihilistic」と呼んでいます。

「ニヒリズム」の主張は「人間の存在に本質的な価値はない」

「ニヒリズム」の主張とは「この世における現在・過去の人間の存在そのものには、目的や意義、または理解し得る本質的な価値は見いだせない」とするものです。つまり、人間として存在する目的にも真理がないと考える「哲学的な立場」が「ニヒリズム」と言えるでしょう。

英語の「ニヒル」の意味は「無」「無価値」

「ニヒル」は「ニヒリズム」を語源として生まれた言葉で、英語表記は「nihil」となります。英語の「ニヒル」の意味は「無」「無価値」ですが、軸の意味は「虚無」となるため「現在や過去を虚しいと感じる」といったニュアンスが強いです。

気持ち的には決してポジティブではなく、どちらかと言えば停滞してしまっている様子もうかがわれるでしょう。ちなみに「ニヒル」の熟語には「ニヒリスト=虚無主義者」「ニヒリスティック=虚無的な」などがあります。あわせて覚えておきましょう

「ニヒル」の日本での使い方と例文

続いて「ニヒル」の日本での使い方と例文を挙げてみましょう。

日本では「クール」という意味で使われる

カタカナ語の「ニヒル」は、「クール」「かっこいい」「落ち着きのある」「知的でシャープ」などのいうような意味合いで使われるため、誉め言葉の類として捉えられている傾向があります。

また、一方で「どことなく暗い影がある」「冷たそう」「怖そう」「話かけにくい」「悪っぽい感じがする」というニュアンスも併せ持っているため、相手によっては使い方に気を付けたほうが良い場合もあるでしょう。

「ニヒル」の使い方①ニヒルな性格

ニヒルな性格とは「クールな性格」「冷たい性格」「考え方が暗い性格」など、良い意味とそうでもない意味の両方で使われます。状況や文脈によって意味合いが微妙に異なってくるため、会話の流れに注目するようにしましょう。

  • 新人のAさんはニヒルな性格だと言われている。
  • ニヒルな性格なのは、持って生まれたものだ。
  • クールで落ち着いて見えるのは、彼がきっとニヒルな性格であるからだろう。
  • ニヒルな性格と言っても、飲み会の席ではジョークを連発してたよ。

「ニヒル」の使い方②ニヒルな男/ニヒルな女

ニヒルな男性、またはニヒルな女は「かっこいい男性」「かっこいい女性」を意味することが多いです。知的でクール、どこか影がある魅力的な印象を当てるような人物を指す時に使いますが、この場合には誉め言葉として使われる傾向が強いでしょう。

  • 彼女はニヒルな男に弱い。
  • ニヒルな女は、なぜか仕事もできる。
  • 表情が渋いAさんは、部署内で最もニヒルな男だと呼ばれている。
  • ニヒルな男の特徴は、真面目で寂しがりやなところである。

「ニヒル」の類語と対義語は?

最後に「ニヒル」の類語を挙げてみましょう。

「ニヒル」の類語は「空虚感」「無常」

「ニヒル」を「虚無」「無」と捉え、広い意味で考えた時の類語には「空虚感」「無常」「空洞感」「深沈」「むなしさ」「徒労感」「無力感」などが挙げられるでしょう。

その他、「すべて夢のごとし」「心にポッカリ穴が空く」「寄る辺のない気持ち」など、表現の仕方は色々あると考えられます。

「ニヒル」の対義語は「充実」「十全」

「ニヒル」の正式な対義語は見当たりませんが、精神的・物理的な「虚無」の反対の意味にあたるのは「充実」「十全」などになるでしょう。「身のある」「濃密な」なども対義語の類として捉えることもできます。

まとめ

日頃から知らず知らずに使っている「ニヒル」という言葉には、「虚無」「無価値」という意味があります。しかし、カタカナ語の「ニヒル」は「クール」「かっこいい」という意味で使われることが多いため、誉め言葉として放たれる傾向が強いでしょう。

日本ではニヒルな男性、ニヒルな性格、ニヒルな表情、ニヒルにほほ笑む、などの熟語表現で使われることがほとんどですが、相手によっては意味を「ネガティブ」に受け止めてしまうこともあるため、使い方には気を付けるようにして下さい。

 

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某私立大経営学部卒、大手旅行会社、商社を経て、豪州へ移住。米国PCメーカーのカスタマー部に勤務後、カンガルーやエミューのいるNSW州の片田舎で生活を開始。田舎暮らしをきっかけにフリーランス(ライター・翻訳)に転身し現在に至る。趣味はゴルフ、料理、ローカルとのゴシップ、キャンプ。