「伯父」と「叔父」の違いとは?使い分け方とその由来を解説

「伯父」なのか、それとも「叔父」を使うべきかと「おじ」を書くたびに迷いませんか。今後、「伯父」と「叔父」の使い分けに迷うことのないように、これらの言葉の意味を解説しつつ、使い分け方も紹介します。またどうしてこのような紛らわしい表現があるのかその由来についても紹介します。



「伯父」と「叔父」の意味と配偶者の呼び方

「伯父」は両親の兄

自分の親族のなかで両親の男兄弟のことを「おじさん」と呼びますが、それぞれに当てる漢字が違います。

自分の両親の兄弟のうち、にあたる人を「伯父」と書きます。「伯」という漢字は、年長の男性を尊敬する言葉です。

例文:
「私の父は子供のころ、伯父に殴られたそうだ」
「伯父は母よりもずっと年上だ」

「叔父」は両親の弟

自分の両親の兄弟で次男や三男などの弟にあたる人を「叔父」と呼びます。

叔父の「叔」という漢字は、「小さい豆やソバの実を手で拾う」という意味があり、それが転じて「細く小さいもの」のたとえに「叔」という字が使われるようになりました。

例文:
「叔父は自営業を営んでいる」
「叔父は私の母より7歳も年下だ」

伯父の配偶者は「伯母」/叔父の配偶者は「叔母」

血縁にあたる両親の兄弟の兄が「伯父」で弟が「叔父」ですが、その配偶者にもこの「伯」と「叔」の字が使われます。

つまり「伯父」の配偶者は「伯母」(おば)になり、「叔父」の配偶者は「叔母」(おば)になります。

「伯母」が「叔母」の年下になったり、その逆で「叔母」が「伯母」よりも年上になることがありますが、「伯母」と「叔母」の間の年齢は関係ありません。

あくまでも「伯父」の配偶者か「叔父」の配偶者のどちらかで、「伯母」と「叔母」が使い分けされます。

「伯父」と「叔父」の使い分けは儒教の教えが由来

呼称としての「字」(あざな)

「伯父」と「叔父」の2つの「おじ」があって使い分けされている理由は、中国の儒教の考え方が由来しています。

中国での古い習慣では、親からつけてもらった名前を大切にする習慣があり、その名前を日常的に着やすく使うべきではないという考え方がありました。そのため呼称として「字」(あざな)が名づけられました。

つまり昔の中国人の名前は、「苗字」と「名前」と「字」で構成されていました。

「字」に使われた「伯」と「叔」

その「字」には儒教的な教えで、兄弟の間での上下関係をはっきりさせるために、長男か次男かがわかるように象徴的な漢字が使われるという習慣がありました。

長男には「伯」、次男には「仲」、三男には「叔」そして末っ子には「季」です。

この名づけの習慣が日本にも入ってきて、兄弟の兄には「伯父」を、弟には「叔父」という漢字があてられるようになりました。

結婚式の席次表での肩書

結婚式の席次表では親族が一堂に会するため、それぞれの肩書を整理しておく必要があります。

まず両親の兄が「伯父」で、弟は「叔父」です。両親の姉妹は、姉が「伯母」で、妹は「叔母」と表記します。

祖父母に兄弟がいる場合は、祖父母の兄が「大伯父」で、祖父母の弟は「大叔父」ににあります。

「伯父」や「伯母」の子供は全員「いとこ」ですが、使われる感じが違います。長兄は「従兄」になり、それ以下の年下の男性は「従弟」です。また子供が女性なら、姉を「従姉」と記し、その姉の妹には「従妹」になります。

またその「いとこ」に子供がいた場合、男性なら「従甥」(じゅうせい)、女性なら「従姪」(じゅうてつ)です。

「伯父」と「叔父」の英語表現

「伯父」と「叔父」の区別なく「uncle」

英語には「伯父」と「叔父」の区別はなく、どちらの「おじ」も「uncle」と呼びます。

もしも「伯父」と「叔父」の違いを表現したいのならば、「おじは私の父のお兄さん」または「弟」と文章で説明します。

例文:
“He is my uncle and my father’s older brother.”
「彼は私の伯父です」
“He is my uncle and my father’s younger brother.”
「彼は私の叔父です」

また父方か母方の「おじ」を説明する際には、「father’s side」や「mother’s side」という表現を使います。

例文:
“He is my uncle on my father’s side.”
「彼は父方のおじです」(この場合、「おじ」とは「伯父」か「叔父」のどちらかはわからない)

血縁関係のない年上男性は「小父」

「伯父」でもなく「叔父」でもなく、親戚関係ではないが年上の男性に対して親しみを込めて「おじさん」と呼ぶことがあります。このような血縁関係のない年上男性は「小父さん」と書き表します。

例えば、子供がお友達のお父さんのことを「お友達の○○ちゃんのおじさん」や、近所に住んでいる男性のことを「○○さん家のおじさん」のように言いますが、この場合の「おじさん」が「小父さん」です。

例文:
「近所の小父さんが飴をくれた」
「○○ちゃんの小父さんと一緒に帰ってきた」

まとめ

両親の兄のことを「伯父」、両親の弟のことを「叔父」として、同じ「おじ」に異なる漢字を用いるのは、儒教が由来していました。紛らわしい漢字の使い分けですが、結婚式の席次表などの公式な場では間違えては相手に失礼となりますので、しっかりとその使い分け方を覚えておきましょう。