「ホスピタリティ」の意味と語源は?サービス事例と類語も解説

「ホスピタリティ」はサービス産業や医療分野において欠かせないエッセンスです。そのため、ホスピタリティ強化におけるサービス向上は多くの企業の課題であり、さまざまな研修やトレーニングが導入されているのが現状です。

さっそく「ホスピタリティ」の意味と語源、使い方と例文、またホスピタリティマインドの重要性について、紹介していきましょう。



「ホスピタリティ」の意味と語源とは?

最初に「ホスピタリティ」の意味と語源から解説しましょう。

「ホスピタリティ」の意味は「おもてなし」「思いやり」

ホスピタリティは英語の「hospitality」のことで、意味は「相手への心からのおもてなし」「思いやり」「手厚い接待」などになります。もともと「もてなしの心」そのもを指し、相手にとって心地よい行動やサービスそのものを意味する言葉です。

「ホスピタリティ」の語源はラテン語の「ホスピス」

「ホスピタリティ」の語源は「客人の保護者」という意味を持つラテン語「hospes=ホスピス」(または、hospics=保護する)と言われています。「ホスピス」とは昔、巡礼などに旅立った人が途中で病気や飢えで倒れた際に修道院で看護を行うことを指す言葉でした。

体調を崩した人の手当てをすることを総称して「ホスピス」と呼んでいた背景から、「心を込めた厚意」「手厚い看護」などの意味が転じて「おもてなし」となったのが「hospitality」です。ちなみに「hospital=病院」も「hospes」から派生した言葉となります。

「ホスピタリティ」の類語は「厚遇」「心遣い」

「ホスピタリティ」の類語は「思いやり」や「おもてなし」の他に「厚遇」「歓待」「心遣い」「気配り」などが挙げられます。「厚遇」は「優遇」のことで、手厚く相手をもてなすこと、また「歓待」は喜んで迎えることを意味しています。

「ホスピタリティ」の基本でもある「心遣い」「気配り」は、相手のために最新の注意を払って抜かりなくものごとを配慮することです。文脈や相手によって適切な類語に置き換えてみるのもよいでしょう。

「ホスピタリティ」の使い方と例文

続いて「ホスピタリティ」の使い方を例文と併せて紹介しましょう。

「ホスピタリティ」は心で感じるもの

「ホスピタリティ」は看護や医療、福祉の現場では欠かせない要素であり、語源でもある「hospes」や「hospics」の「病に倒れた人を看護する」という意味と直接的な関りを持っています。手厚い看護や手当によって回復することは何より喜ばしいことであり、だからこそ感謝の気持ちを「心から感じ取る」ことができるのでしょう。

同様に、ホテルやリゾート業界、航空会社、レストランやカフェなどのサービス産業でも、思いも寄らぬ感動的なサービスに心から「ありがとう」と思うことがあります。

「ホスピタリティ」は金銭的な寄与で相手を幸せにするものではありません。「ホスピタリティ」という言葉を使う時は「心のケア」や「相手への配慮」などのサービスに対して使うようにしましょう。

「ホスピタリティ」を使った例文

「ホスピタリティ」を使った例文をいくつか挙げてみます。

  • A病院はスタッフの笑顔もさることながら、ホスピタリティにあふれた雰囲気が流れている。
  • ホテルスタッフは常にホスピタリティマインドを忘れず仕事に従事している。
  • 昨日訪れた店は、スタッフのホスピタリティが随分と欠けていた。

サービス産業に必要な「ホスピタリティマインド」とは?事例も紹介

サービス産業に必要不可欠である「ホスピタリティマインド」について、事例と併せて紹介しましょう。

「ホスピタリティマインド」とは「サービスの向上を常に追求する考え」

「ホスピタリティマインド(hospitality mind) 」はレストラン、カフェ、ホテル、旅行会社などのサービス産業、また医療や福祉関係の現場で使われる「サービスの向上を常に追求する精神や考え方」を表す言葉です。

どの企業で働くにも仕事に対するマインドセットは不可欠ですが、ことにホスピタリティ業界においては「サービスの質を向上」や「顧客の満足度を高めること」はとても重要です。「ホスピタリティマインド」はこれらのサービス意識を常に保ち、さらなる追求を怠らない精神と考え方を指しています。

「ホスピタリティ」という言葉を中心から支えるのは「心」であるため、心のないもてなしは実際的には「ホスピタリティ」に基づいたサービスとは言えません。相手に安心感を与え、幸福感を導くような心のケアが「ホスピタリティマインド」には必要な要素となります。

「ホスピタリティ」を感じるサービス事例はほんの些細なこと

「これぞ、ホスピタリティ!」と感じるサービス事例は、世界トップクラスのサービスクオリティを誇る日本では日常的によく見かけます。些細なことから感動のサービス(心からの配慮)まで、ほんの一例ですが、いくつか事例を挙げてみましょう。

  • 飲食店で泣き止まない小さな子供に、ぬりえやおもちゃの提供する(保護者への思いやり)
  • 妊娠をしている方にショッピングの介助をする(身体への思いやり)
  • クーポンや特典利用のアドバイス(顧客満足度を高める)
  • 病院で患者の話に積極的に耳を傾ける(安心感の提供)
  • 顧客の誕生日などにサプライズプレゼントを贈る(厚遇感の提供)
  • 機内で配偶者の遺骨を抱いた人に「お連れ様の為に、お隣の席もご用意させて頂きました」

相手が何を望んでいるのか、どんなことを必要としているのか、相手の立場になって考え行動することで「ホスピタリティマインド」はどんどん磨かれていきます。ホスピタリティ業界に従事する人なら誰でも「お客様の笑顔が最高のご褒美」と捉えているものです。

まとめ

「ホスピタリティ」は「思いやり」や「手厚いもてなし」などを意味する言葉で、おもに医療現場やサービス業界で使われる重要な精神でもあります。

相手が求めるものや必要なものを知り、それらを十分に与え、最終的に満足してもらうことが「ホスピタリティ」と言えますが、一歩間違えると「強引」な行動だと相手が勘違いをしてしまうことがあります。この点だけ留意しておきましょう。

また、医療やサービス産業を中心に、どんな企業でも「ホスピタリティ」に関する研修やトレーニングを導入する傾向があるようです。「ホスピタリティ」の向上は売上につながるだけではなく、社内を風通しを良くし、コミュニケーションを円滑化してくれる第二の効果も期待できるでしょう。

ABOUTこの記事をかいた人

某私立大経営学部卒、大手旅行会社、商社を経て、豪州へ移住。米国PCメーカーのカスタマー部に勤務後、カンガルーやエミューのいるNSW州の片田舎で生活を開始。田舎暮らしをきっかけにフリーランス(ライター・翻訳)に転身し現在に至る。趣味はゴルフ、料理、ローカルとのゴシップ、キャンプ。