「明けの明星」とは?「宵の明星」との違いや方角・時間も解説

「明けの明星」と「宵の明星」。セットで聞くこともある2つの言葉ですが、何を指しているのか分からないと言う人もいるのではないでしょうか? 「明けの明星」とは金星のことで、天体以外にも使う場面があります。

この記事では「明けの明星」の意味や「宵の明星」との違い、見える方角と時間を紹介します。おみくじや株での意味、英語表現も解説しましょう。

「明けの明星」とは?

「明けの明星」の意味は”明け方に見える金星”

「明けの明星」の意味は、“明け方に見える金星”です。別名として「一番星」と言われているように、最も強い光を放つ星が金星です。太陽と月の次に明るい天体とされており、明るさと美しさからローマ神話の女神ビーナスに例えられ、英語で金星を「Venus」と呼ぶ由来となっています。

読み方は「あけのみょうじょう」

「明けの明星」の読み方は「あけのみょうじょう」です。「明星(みょうじょう)」という言葉は金星を指す以外にも、限定された分野で輝いている人を指す言葉でもあります。日常会話でも使う人はいるため、読み方も覚えておくと役立つでしょう。

「明けの明星」の対義語は「宵の明星」

「明けの明星」の反対の意味を持つのが「宵の明星(よいのみょうじょう)」です。「明けの明星」と同じく、金星のことを表しており太陽が沈むときに目にすることができます。日没後、1番最初に輝いている星を「一番星」と呼ぶことがありますが、一番星は「宵の明星」の別名です。

■参考資料
「宵の明星」と「明けの明星」の意味の違いは?方角と時期も説明

「明けの明星」が見える方角と時間とは?

「明けの明星」が見える時間は明け方だけ

「明けの明星」は明け方の4時~5時頃に見ることができますが、夜中に見ることができません。

金星は惑星であるため太陽の光を反射して輝いています。「地球のすぐそばにある」「分厚い雲に覆われている」という2つの理由から、太陽や月に並ぶほどの輝きを放っているのですが、なぜ、強い光を放つ金星が夜中には見えないのでしょうか。その理由は、太陽・金星・地球の位置関係にあります。

地球から見ると金星は太陽のすぐそばにあるため、太陽が沈むころに金星も沈んでしまいます。そのため、夜中に金星を見ることはできません。昼間は太陽の光が強すぎるため、肉眼で金星を見ることは難しいでしょう。

金星と太陽、地球の位置関係から、「明けの明星」はまだ辺りが薄暗い明け方にだけ見ることができます。

「明けの明星」が見える方角は東

先ほど、金星は太陽のすぐそばにあると解説しました。太陽が東の空から出てきて西の空に沈むことから、太陽が出てくるときに見える「明けの明星」は東の空に見ることができます。

「明けの明星」の色々な意味とは?

おみくじでの意味は「不確か」

神社やお寺で運試しとして楽しむおみくじ。おみくじの「幸運の鍵」の箇所に「明けの明星」と表記されていることがあります。解釈としては、幸運の鍵とは占いでいうラッキーアイテムであるため、早起きをして明け方の空に輝く金星を見れば運勢も上がるだろうという考えがあります。

また、「明けの明星」は夜明けに見られるため、陰っていた運勢が晴れやかになり上昇していく様子を表しているという解釈もできるでしょう。おみくじでの「明けの明星」は、意味が正確に決まっているわけではなく、人によって捉え方が変わります。

深く考えすぎず、「早起きをしようかな」や「縁起が良い」程度に捉える人が多いと言えます。

株やFXでの意味は「上昇」

金星を表す「明けの明星」は、株やFXでも使用されています。株価や通貨の変動に合わせて売買することでお金を生み出しますが、動きは不規則で確実に当てることはできません。どのタイミングで「売る」「買う」を行えばいいのかという目安として「明けの明星」が使われます。

株価や通貨の変動を表した「チャート」という折れ線グラフでは、低迷期に現れる上昇のサインを「明けの明星」と称します。ただし、株やFXでの売買を「明けの明星」だけを指標にするのは危険です。明けの明星だけを判断材料にするのではなく、冷静に買い時や売り時を見極めるようにしましょう。

「明けの明星」の英語表現とは?

「明けの明星」は英語で「the morning star」

英語で「明けの明星」は「the morning star」と表現します。金星であるため、ヴィーナス「Venus」、ヴェスパー「Vesper」と直接的な表現を用いることもありますが、「明け」というニュアンスを強調できるため、「morning」を使ったほうが会話としてはスムーズに進むでしょう。

「明けの明星」はラテン語で「Lucifer」

聖書では「明けの明星」をラテン語で「Lucifer(ルシファー)」と呼んでいます。「ルシファー」は「光をもたらすもの」という意味を持つ言葉で、神聖なる「明けの明星」の神名としても知られています。

まとめ

「明けの明星」は金星の別名で、特定の時期の明け方、東の空にて確認できます。反対に、日没時の西の空に見られる金星が「宵の明星」です。「明けの明星」は確認できる時期が限られているので、実際に見てみたい方は見える時期や時間帯を事前に確認しましょう。

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hana
大阪在住の新人ライターです。学生時代にビジネスマナーや医療事務・秘書などの検定を取得し、前職は医療秘書として医院勤めでした。料理とスポーツが得意なので、いつか記事にできたらなと思っています。よろしくお願いします。