反省文というと学校で校則を破った時に書くものというイメージがありますが、ビジネスシーンでも提出を求められることがあります。
ところで会社に提出する反省文とはどんなものなのでしょうか。
そこで今回は、反省文の意味からビジネスでの反省文の書き方を解説、さらに反省文にまつわるトラブルの対処法も紹介します。
反省文とは?
反省文とは「事実と謝罪を書いた文書」
反省文とは、自分の行った行為と今後の改善点を踏まえた謝罪を報告する文書です。
ビジネスではミスやトラブルが生じることがありますが、その際に上司から反省文を書くように指示されることがあります。
「反省文」は学校で提出することが多い文書
反省文というと高校や大学などで校則を破った時に始末書として提出することが多い文書です。
自分のしたことを書き、それについての謝罪、そして二度と同じことが起こらないように改善点について書きます。
ビジネスシーンで求められる反省文
ビジネスシーンで反省文を求められるときは、遅刻などの軽微な業務違反やお酒の席での失態など、業務に大きな支障をきたすほどではないミスやトラブルが起きたときです。
同じように反省を促す文書として、「顛末書」や「始末書」がありますが、「反省文」はその中で最も軽く、教育指導の一環として提出を要求される文書です。
反省文の書き方と準備するもの
反省文のポイントは「嘘をつかないこと」
反省文を書くときに大切なことは、嘘をつかずに事実を正直に書くことです。ここで自分の起こしたミスやトラブルを隠すような表現や、言い訳をするような表現を使えば、反省していることが伝わりません。
「です・ます調」で事実を客観的に報告しましょう。
改善点と謝罪も忘れずに
ミスやトラブルの記載の後には謝罪と、今後同じ過ちをしないように改善点を書くことも大切です。
反省文の目的は同じミスを繰り返さないように反省することを促すことですから、反省文には謝罪だけでは足りず、今後の対策も書く必要があります。
用紙と筆記用具:基本は手書きで便箋に
最も一般的な反省文は、手書きで縦書きです。便箋に、問題となった事実と反省点を書きます。
反省文の提出先である宛て名、日付、タイトルを明記して、自著のあとに捺印が必要であれば押します。
しかし会社によってはパソコンで作成することを認めている場合もあります。その際はレイアウトを整えて、横書きでA4サイズの用紙に印刷します。
封筒の書き方
反省文を入れる封筒は白封筒で、表書きは「反省文」とします。裏には部署名と氏名を書きますが、郵便番号や住所を書く必要はありません。
そして三つ折りにした反省文を封筒に入れます。
ただし、反省文を封筒に入れなくてはならないという決まりはないので、勤務先の慣習に従ってください。
ビジネス反省文の例文とテンプレート
遅刻を理由に会社に提出する反省文の例をテンプレートにして紹介します。
遅刻の事実に加えて謝罪と改善点を踏まえ、正しい敬語を使いながら断定的な表現を使うようにします。
遅刻をしたときの反省文テンプレート
英語で書く「反省文」
英語で反省文を書くときは簡潔に
英語で反省文を書く場合にも、日本語で書く場合と同じように、ミスやトラブルを客観的に明記して、謝罪すべきことは謝罪し何を改善するのかを明確にします。
欧米では自分のミスを認めると自己評価が下がってしまう不安や、謝罪によって必要以上に相手に譲歩してしまうという恐れから「sorry」と言わない傾向がありますが、自分のミスを認めて許してもらうという姿勢は欧米でも通用する習慣です。
ただ反省文は長々と書くのではなく、短くまとめるのがポイントです。
Dear Mr Smith,
I apology for the inconvenient meeting at the last time. I tried to discuss to resolve the problems in our contract, but I could not do that.
I would prepare for going the next discussion better than this time.
I wish you can take part in the next meeting.
Best wishes,
Roland Boss
「スミス様 先日のミーティングでは不憫な思いをさせてしまい申し訳ありませんでした。私たちの契約の問題を解消しようと試みましたが、うまくいきませんでした。次回のディスカッションではよりよく準備をしておきますので、次のミーティングにお越しいただけると幸いです。敬具 ローランド・ボス」
ビジネスでの反省文のマナー
反省文の強要はパワハラになる
上司が部下に指示を出したり指導をすることが、業務の遂行のために必要だとされる範囲でならパワハラにはなりません。
しかし反省文の執筆・提出に正当な理由がなく、業務とは関わりないことで個人的な恨みや嫌いだからという理由で強要した場合は、パワハラになります。
反省文を拒否しても懲戒処分はない
部長に頼まれたことをつい忘れて反省文を書かされたり、自分のミスではなく部下のミスで書かされる反省文など、納得がいかないまま反省文を書くことになった場合、その作成を拒否することはできます。
すべての労働者には憲法によって内心の自由が保障されているため、書く必要のない反省文を書かなくても懲戒処分のような厳罰を受けることはないと考えられます。
ただ反省文の提出が業務範囲内と考えらえる指導であった場合は、反省文は提出するべきです。この場合に提出を拒否すれば、会社の方針に背いた反抗的な態度とみなされて、今後の報酬の賃上げが小さくなるといった労働環境に悪い影響を与える可能性は考えられます。
まとめ
会社に提出する「反省文」とは、自分のミスや業務上のトラブルを記載して、それに対する謝罪と改善点を報告する文書です。会社に迷惑をかけたことを認めて改善できれば、信頼を回復できるよい機会となりますので、事実を認めてしっかりと反省したことを伝えましょう。
平成○○年○○月○○日
○○部長
ΟО ОΟ様
○○部○○課
山田太郎 印
反省文
私、山田太郎は、平成○○年○○月○○日9時に開かれた取引先との会議に遅刻し、関係者各位に多大な迷惑をかけてしまったことを、ここに深くお詫び申し上げます。
当該の会議に出席すべく○○線にて向かっていたところ、人身事故のため定時に到着することができませんでした。
人災とはいえ、関係者各位にご迷惑をおかけしたことは言うまでもなく、自社の信用を損ねる失態であったと痛感しております。
今後このようなことが起きないように、往路での不測の事態を考慮した余裕のあるタイムスケジュールを組むようにする所存です。
最後になりましたが重ねて深謝申し上げます。
以上