「MECE」とは?代表的なフレームワークと使い方のコツ

ロジカルシンキング、つまり論理的思考法は、ビジネスに限らず一般的にも興味のあるテーマではないでしょうか。そのひとつが「MECE」でマーケティング業界でも活用されています。

今回はこの「MECE」の考え方を解説して、MECEの使い方のコツからMECEを応用した代表的なフレームワークとともに紹介します。



MECEとは?

MECEの読み方と意味

「MECE」は「ミッシー」や「ミーシー」と読まれています。

「重複しないでかつ漏れないこと」という意味の英語「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の頭文字を取っています。

MECEの基本的な考え方

このMECEの「ダブらずにモレない」という考え方は物事を整理するときにも大切な考え方ですが、特にビジネスでは重要な意味を持ちます。

経営上の戦略を考えるときに、経営の3代原則と知られる「ヒト・モノ・カネ」ですが、それらは重複することもなくこれらのポイントを抑えることで漏れなく経営を進めることができます。最近ではこれに「情報」も追加されるようになりました。

このように「ダブらずモレない」というロジカルシンキングは、ビジネス上で顧客にアプローチしていくときに大切な思考法なのです。

MECEの例

MECEを使った例としては、人を年齢によって分けることが挙げられます。人は必ず○○才でありほかの年齢になることは考えられないので、MECEになります。

一方、職業で人を分けることはMECEにはなりません。なぜなら副業を持っている人も入れば無職の人もいるため、人を重複することなく分けることができないからです。

MECEの使い方のコツ

ここからは、MECEを使えるようになるためのやり方とそのコツをご紹介します。

MECEを使えるようになる2つのアプローチ

「トップダウンアプローチ」は全体から要素へとトップダウンする思考法で、全体像がはっきりしているときには有効的です。

お店の在庫を調べるのに、商品を出してきて分類化するというのがトップダウンアプローチの考え方です。

一方「ダウンボトムアプローチ」は全体は把握できていないが、ある要素に絞り、ブレインストーミング的に思考をめぐらしていく方法です。

商品にジュースがありお茶があったしたら、そこから飲料というカテゴリーができるといった具合に考えます。

切り口を考えるときの4つのコツ

MECEで物事を考えるときのポイントとなるのが「切り口」です。

「切り口」とは分析する物事を詳細化して分類するときの分け方のことで、切り口次第でその分析内容も変わってきます。

MECEの切り口には4つの種類があります。

  • 「要素分解」
    全体から見た分類方法で、例えばある店舗の全商品を飲料や食品などと分けることを「要素分解」といいます。その要素分解されたものをすべて足すと全体になることから「足し算型」とも呼ばれます。
  • 「時系列」「ステップ型」
    時系列や段階を追って分類します。商品の製造から販売までのワークフローなどに使える方法です。
  • 「対象概念」
    分析する課題を「質と量」「主観と客観」「内部と外部」などあらゆる概念によって分類する方法です。
  • 「因数分解」
    売上を従業員1人あたりの売り上げ×従業員数や顧客単価×顧客数×購入頻度のように因数分解で出された数値を、各パラメーターごとに分析して戦略を練るという方法です。

異なる切り口を混在させない方法

因数分解や要素分解など様々な切り口が考えられますが、それらを同時に使うと視点がぶれるため、結果的に重複が生じてしまいます。それではMECEにはなりません。

そこで解決すべき課題と関連のある事柄とを結びつけて、いろんな角度から分析します。視点が定まったところで切り口を考えるという順序にすると、複数の切り口の混在を避けられます。

注意すべきは重複よりも「モレ」

MECEで気をつける点は、重複以上に漏れがないかどうかです。

重複している事柄は、机上の判断材料の中から見つけやすいのですが、漏れている内容は想定外のことで見逃しやすいからです。

時間の限られたビジネスの現場でMECEに考えるときは、常に重複や漏れがあることを想定し、特に漏れがある可能性に留意しておくことが大切です。

地道なトレーニングでMECEが使えるようになる

理屈や使い方のコツがわかっても、急にMECEを使ったロジカルシンキングができるようになるわけではありません。

普段からMECEの視点でものを考える習慣をつけるという地道なトレーニングこそ、MECEをマスターするための道です。

MECEに考えるための代表的なフレームワーク

ここからは、MECEを応用した物事の考え方で、すでにビジネスで定着した思考法であるフレームワークの代表的なものを紹介します。

「ロジックツリー」

解決したい問題を要素にまで分解して、その要素を関連付けながらツリー上に視覚化して並べた図を「ロジックツリー」と呼びます。トーナメント表のような図になっていて、最初に設定した事象から「何」「どのように」「どうして」という疑問を投げかけながら、考えられる関連事項を次々と並べていきます。
いろんなことが絡み合っているような複雑な問題を整理したい時に有効な方法です。

「3C分析」

業界環境をCustomerの市場と、Competitorの競合、そしてcompanyの自社である3つに分けて分析します。

「4P分析」

Place(場所)、Price(価格)、Product(商品)そして Promotion(販売促進)という4つの観点からターゲットとなる市場を分析して戦略を練ります。マーケティング業界でよく用いられる手法です。

「SWOT分析」

事業を内部と外部からの4つの視点から分析することで、その視点とはStrengths(強み) Weaknesses(弱さ)、Opportunities(機会)、Threats(脅威)のことです。

まとめ

ロジカルシンキングのひとつである「MECE」で解決したい物事を整理すれば、ビジネスでも新しい戦略を打ち出す機会になるでしょう。ただ重複した部分は見つけやすくてもモレは想定外で見つけにくいので、モレがあることを想定した分析が大切です。