「パケットパック」や「パケットし放題」など、各携帯電話会社が提供する料金体制にある「パケット」という言葉。これはデータ単位のことですが、1パケットとは何バイトなのか、知らない方も多いのではないでしょうか。
そこで「パケット」の意味をわかりやすく解説して、バイトへの換算法やパケットに関わる用語を紹介します。同じデータの単位である「フレーム」との違いも解説しましょう。
「パケット」とは?
「パケット」の意味は「小荷物」と「データの単位」
「パケット」の意味は、「パケット通信網で送受信されるデータの単位」です。小荷物の意味からIT用語でこのような意味で使われるようになりました。
パケットとは、英語の「packet」が由来した「小荷物」のことです。
「パケット通信」とはパケット単位のデータの送受信法
パケット通信とはインターネット上のデータの通信方法のひとつです。データをパケットと呼ばれる小さなまとまりに分けて、それを送受信します。一つの回線で不祥事が生じてパケットが送れなくても別の経路を使う機敏性があり、効率よくデータの送受信ができます。
経路選択はルーターによって行われ、異なるメーカーのパソコン同士でも共通の通信上の規約であるプロトコルに従うことで、データの小受信ができるようになります。
大量通信にも向いていて、ネットワークが混雑していても送受信ができるという利点があるものの、データを送り手がパケットを作る手間がかかるという欠点があります。
英語の「packet」には「大金」の意味も
英語で「packet」というと、名詞なら「小荷物」や「小包」と「データの単位」という「パケット」と同じ意味があり、動詞として使うと「~を小包にする」という意味になります。
またスラングには「大金」や「まとまった金」という意味もあります。
例文:
“I send a packet.“
「小包を送る」
“I packeted cookies for my friend.”
「友人のためにクッキーを小包にした」
“A packet was available.”
「まとまった金が手に入った」
「パケット」と「バイト」の換算法
1パケット=128バイトで換算する
1パケットは128バイトに換算できます。
例えば携帯電話の月の通信料が1167万パケットだとすると、149376000バイトになります。
大きな数字なのでわかりやすく表示するために、「KB(キロバイト)」や「MB(メガバイト)」などがあります。
おおよその目安だと、1KB=約1000バイト、1MB=約1000Kバイト、1GB=約1000Mバイトになります。
ちなみに前述した149376000バイトは、およそ1.5Gバイトと換算できます。
パケットバイト計算機で簡単に換算できる
「パケットバイト計算機」とはアプリなどでも提供されていて、パケットからバイトへと変換するための計算機です。
携帯電話などの料金明細書に表示されているパケットをバイトに換算して、どれだけのデータ量を使っているのかを知りたい時に便利です。
「パケット」に関連したIT用語
「パケットキャプチャ」とは「パケットの捕獲」
「パケットキャプチャ」とは通信回線を流れるパケットを捕らえることです。この機能により、パケットの中身の分析や集計したり、もしもパケット通信で不具合が生じたときの問題解決に利用されます。
「パケットキャプチャ」の問題は、パケットの通信社とは関係のない第三者がパケットの中身を見ることができるため、プライバシーの侵害となるケースがあることです。
「パケット通信料」は「パケット通信にかかる費用」
「パケット通信料」は携帯電話などでパケット通信にかかる費用のことで、インターネットの接続からSMSの送受信、内臓アプリのための通信利用が対象です。現在の携帯電話会社の料金体制には「パケット定額制」があります。
「パケット定額制」とは送受信したパケット数に関わらず、毎月一定額の料金を支払うという方式ですが、2010年以降、通信の需要が高まり通信料の上限が設けられるようになりました。
「パケットロス」とは「パケットの消失」
「パケットロス」とは通信途中でパケットが消えてしまうことです。
この不具合は、ルーターの故障やサーバーや回線にかかる負荷が大きすぎたことなどが考えられます。インターネット電話などで回線が画像が途切れたり、回線そのものが途切れたりするのは、このパケットロスが原因です。
「パケットフィルタリング」で「コンピュータを守る」
「パケットフィルタリング」とはネットワークのセキュリティーのひとつで、パケットに含まれている内容次第で通過させるか、それとも破棄させるのかをルーターやセキュリティを守るソフトウェアが判断する機能です。
どのような基準で通過か破棄かを判断するかは、ネットワークの運営者が設定することができます。大概は、ネットワークの運営ポリシーに従い設定されて、外部からの攻撃を防ぐ役割を果たしています。
「パケット」と「フレーム」の違い
両方とも「ネットワークを流れるデータの単位」
「パケット」と「フレーム」の両方とも、ネットワーク上を流すためのデータの単位です。
この二つの違いは、「フレーム」は「データリング層を流れるデータ」についてのみ使われます。
「フレーム」はデータリング層を流れるデータ単位
「フレーム」が使われるデータリング層とはプロトコルのひとつで、ネットワークプロトコルの標準となるOSI参照モデルの7層あるうちの第2層のことです。このデータリング層の役割は、データの送受信で、フロー制御から伝送エラー制御まで行います。
この時に送受信されるデータの単位が「フレーム」です。
ちなみに「パケット」は、ネットワークで送受信されるすべてのデータの単位として使われています。
まとめ
よく耳にする「パケット」はネットワーク上で送受信されるデータの単位です。大きなデータでも分割して「パケット」として送ることができ、また複数の端末でも共有できるので効率的にデータを送信できます。