初めての相手にビジネスメールを送る時は押さえておくべきポイントがあります。ポイントが外れていると、開封してもらえないばかりか、失礼な印象を与えてしまうこともあります。ここでは初めての相手にメールを送る時の件名や挨拶の書き方などのポイントと、状況別の例文や、依頼する時の適切なフレーズも紹介しています。
初めての相手に送るビジネスメールの書き方のポイント
「件名」は用件と会社名などの固有名詞を書く
初めての相手にメールを送る際には、「件名」の書き方が大切です。一目で何のメールかわからないと、不要メールだと思われて開封してもらえないこともあります。用件とともに、自分が何者であるのかがわかるような固有名詞を簡潔に記します。
<件名の例>
- ご挨拶のお願い【〇〇様よりご紹介いただきました】
- 株式会社〇〇より【〇〇の問い合わせ】
- 取材のお願いです 〇〇編集部の△△と申します
「差出人」に社名と氏名が表示されるよう設定しておく
ビジネスメールでは、相手のメールに表示される送信者が「会社名+氏名」となるように設定しておくことが大切です。送信者の表示がメールアドレスやローマ字表記の名前だと、不信なメールだと思われる可能性があります。メーラーの設定をしっかり行っておきましょう。
「正確な宛名」「自己紹介」「相手を知った経緯」を記す
メールの冒頭に記す宛名は相手の会社名、部署名、氏名を略さずに正確に記します。担当者名がわからない場合は氏名にかえて「ご担当者様」と書きます。
次に自己紹介と相手を知った経緯を記して安心感を与えます。自己紹介は会社名、部署名、氏名を省略せずに書き、あわせて自分の会社の業務に関してよく知られている事柄などを完結に紹介します。
会社を知った経緯は、「ホームページで貴社の製品〇〇を拝見し」「〇〇様のご紹介をいただき」などと具体的に記します。
一般的な「書き出しの挨拶の言葉」と「結びの言葉」
書き出しの挨拶の言葉は次のようなフレーズが一般的です。挨拶の言葉のあとに自己紹介を書きます。
- 初めてご連絡いたします。
- 突然メールを差し上げる失礼をお許しください。
- はじめまして。
一般的な結びの言葉は「よろしくお願いいたします。」ですが、初めてのメールで何かを依頼した場合は恐縮の気持ちを表す言葉を一言加えると丁寧な印象になります。
- 勝手を申し上げますが、ご対応のほどよろしくお願いいたします。
- お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
初めての相手に送る状況別のビジネスメール例文
状況別のメール例文を紹介します。
見積もり依頼
初めての会社に送る見積もり依頼の例文を紹介します。件名には見積依頼であることと会社名を書き、メールの目的を一目で判断してもらえるようにします。
本文には、1回のメールで全てがわかるよう、見積もりの数量、納期、支払方法などの取引条件を明記します。加えて、いつまでに返事が欲しいということを、丁寧な表現に気をつけながら明記します。
件名:株式会社〇〇より お見積書送付のお願い
〇〇株式会社 △△部
ご担当者様貴社サイトを拝見し、はじめてご連絡いたします。
私は、株式会社〇〇 △△営業部の〇〇と申します。
当社は… の業務を20年前より行っております。
当社の… は大変好評を得ております。さて、誠に突然で恐縮ですが、弊社ではこのたび、貴社の製品「〇〇」の購入を検討しております。
つきましては、下記条件によるお見積をお願いしたいと存じます。■お見積りの依頼内容
・品名:〇〇
・数量:〇〇個
・納期:〇月〇日まで
・支払方法:納入後翌月末銀行振込
・受渡場所:弊社
・運送方法:貴社ご指定
・運賃その他:貴社ご負担なお、ご多忙のところ誠に恐縮ですが、〇月〇日(〇)までにご送付頂きたく存じます。
何かご不明点がございましたら、下記連絡先までご連絡いただければ幸いです。
以上、お見積りのお願いを申し上げます。(メール署名)
アポイントの依頼
初めての相手にアポイントを取る時のビジネスメールの例文です。ここでは資料請求があった人に対する例文ですが、紹介によりメールを送る場合は「突然のメールを失礼いたします。〇〇株式会社の△△様よりご紹介をいただき、ご連絡を差し上げました。」などと書きだします。
訪問や面談の日程のお伺いは、直近で可能な日時を3点ほど挙げ、返事をいただくようお願いするのがスムーズです。
件名:【〇〇のご紹介とご挨拶のお願い】〇〇株式会社
△△株式会社
〇〇部 佐藤△△様この度は〇〇資料のご請求をいただき、ありがとうございます。
〇〇株式会社営業部の小林△△と申します。お問い合わせいただきました〇〇につきまして、よろしければご挨拶も兼ねて直接ご説明できればと存じます。つきましては日程のご都合をお伺いしたいのですが、いかがでしょうか?
下記日程で訪問させていただくことが可能です。
・〇月〇日(月)〇時~
・〇月〇日(火)〇時~
・〇月〇日(木)〇時~上記の日程以外でも、調整は可能でございます。
お時間は30分程度をいただければと存じます。お忙しいところ大変恐縮でございますが、ご都合につきましてご連絡をいただけますよう、よろしくお願いいたします。
(メール署名)
新任の挨拶
取引先の担当者に担当が変わった事を知らせる挨拶の例文です。
件名:【新任のご挨拶】〇〇株式会社 △△
株式会社〇〇 △△部
〇〇様日頃より弊社サービスのご愛顧を賜わり、厚くお礼申し上げます。
株式会社〇〇 営業部の△△と申します。
このたび、前任の〇〇に代わり、貴社の担当を私、△△が務めさせていただくことになりました。今後ご指導をいただくこともあるかと存じますが、いち早く貴社のお役に立てるよう努める所存です。改めまして、ご挨拶の訪問のお願いをさせていただく予定でございます。
これからも、変わらぬお引き立てのほどよろしくお願いいたします。まずは取り急ぎメールにてご挨拶申し上げます。
(メール署名)
初めてのメールで使えるフレーズ集
初めての相手に送るメールでは、こちらの都合で相手に依頼事を受けてもらう用件が多いため、恐縮する気持ちであくまでもお願いする態度が大切です。初めてのメールで使えるフレーズを紹介します。
依頼の言葉
依頼する時は、お願いの言葉にすることにより、表現を柔らかくすることができます。
- ~をお願いできませんでしょうか。
- ~をしていただけませんでしょうか。
- ご依頼できますでしょうか。
- ~していただけると幸いです。
- ~よう、お願い申し上げます。
次のようなクッション言葉を添えることで、さらに丁寧な表現になります。
- 誠に恐縮ですが
- 大変お手数ですが
- お忙しいところ申し訳ございませんが
- 恐れ入りますが
<クッション言葉を入れた例>
- お忙しいところ恐縮ですが、〇月〇日までにお返事をいただけますと幸いです。
- 大変お手数ですが、見積もりをいただきたく、お願い申し上げます。
- ご多忙中恐れ入りますが、一度お時間を設けていただけるようお願いしたく存じます。
検討を促す言葉
検討を促す言葉もお願いの表現にしたり、断定的でない表現にしたりします。
- ご検討をいただけますようお願いいたします。
- 唐突なお願いで失礼ではございますが、ご検討をよろしくお願いいたします。
- ご一考いただければ幸いです。
- 急なお願いで恐れ入りますが、ご一考くださいますようお願いいたします。
まとめ
初めての相手に送るメールでは、件名に会社名や紹介者の名前を入れて、ビジネスメールであることが一目で判断できるようにします。自己紹介では自分の会社の紹介や、相手を知った経緯を簡潔に記し、安心感を持っていただけることを心がけます。
また、初めてのメールで依頼するにあたり、一方的になったり、断定的な口調になったりしないよう、お願いする丁寧な言葉を用いることが大切です。