「二つ返事」の意味とは?使い方や類語・反対語の表現も解説

取引先からの依頼を「二つ返事」で了承した、という会話は職場でもよく聞きますが、どのような意味合いを持つのか知っていますか?また、一つ返事と二つ返事では、どこがどう違うのでしょうか?

ここではビジネスでも頻繁に使われる「二つ返事」について、意味と由来、使い方と例文、また英語表現をを交えて紹介しています。二つ返事をする時の気持ちをイメージして言葉の意味を理解していきましょう。

「二つ返事」とは?

「二つ返事」の意味は”快諾・「はい、はい」”

「二つ返事」の意味は、“快諾・「はい、はい」”です。「はい」という承諾の返事を2度重ねることや、快く承知する・即時に引き受けることを指す言葉です。最もよく使われる表現に「二つ返事で引き受けた」がありますが、これは依頼や申し出を「快諾」したという意味となります。

「二つ返事」の由来は”承諾の肯定と強調”

「二つ返事」という言葉は「はい」という承諾を肯定し、強調する意図で「はい、はい」と二度繰り返すことが由来していると言われています。つまり「はいx2」で強調を示し、相手の意向を快く気持ちよく受け入れる状況から「二つ返事」という言葉が広く使われるようになったと解釈ができるでしょう。

「二つ返事」と似た言葉「一つ返事」は誤用

「二つ返事」と対で使われる言葉に「一つ返事」がありますが、実際には「一つ返事」は正しい言葉ではなく、「二つ返事」の誤用となります。

また、「二つ返事」が「快く承諾する」「即座に引き受ける」という意味があるため、「一つ返事」を「軽い承諾」「普通の返事」だと解釈している場合もあるようですが、存在しない言葉をうっかり使ってしまわないように気を付けるようにしましょう。

「二つ返事」の使い方と例文とは?

「二つ返事」の使い方と英語表現を例文と併せて紹介します。

「二つ返事」で失礼にあたるケース「はい、はい」

「二つ返事」には「はい」を二度繰り返すことという意味があります。「はい、はい」は「はい」をさらに強調して「本当に大丈夫です」「嬉しく受け賜わります」という意味を込めた表現であるのが基本ですが、言葉に出してみると、渋々返事をする時の「はい、はい」という響きに似ているため、相手によっては勘違いをされてしまうことがあります。

「二つ返事」は「快諾する」の意味で使われますが、場合によっては「嫌々」「空返事」「軽く受け流している」というニュアンスで伝わってしまうことがあります。取引先や目上の人に対して口語で「はい、はい」と返事をするのは、誤解を招かないためにも避けたほうが無難でしょう。

「二つ返事」を使った例文

「二つ返事」を使った例文を5つ紹介します。

  • 来月の受注を二つ返事で了承した。
  • 二つ返事で承諾したものの、確認項目に漏れがあった。
  • 新規オープンの店の店長に抜擢され、二つ返事で依頼を承諾した。
  • 新人教育の責任者を任されたが、当初、二つ返事で了承することはできなかった。
  • 二つ返事で返事をしたのは、待ちに待っていたオファーが届いたからだ。

「二つ返事」の類語と反対語とは?

「二つ返事」の類語と反対語について、それぞれみていきましょう。

「二つ返事」の類語は”即答・即応”

「二つ返事」の類語は「快諾」の他に、前向きで快く承諾する気持ちが前提にある「即答」「即応」などが挙げられるでしょう。言い換えをする時は状況や文脈に合う適切な一語を選ぶようにして下さい。

「二つ返事」の反対語は”生返事・空返事”

「二つ返事」の反対の意味を持つ言葉は正式には見つかりませんが、「気が乗らない返事」「渋々する返事」「いい加減な返事」という意味から推測すれば「生返事」「空返事」などが適語と言えるでしょう。

(付録)「二つ返事」は英語で”accept immediately”

英語で「二つ返事」を表現するときは「即座に引き受ける」という意味を持つ「accept immediately」「say yes on the spot」などが良いでしょう。相手からの依頼に「嬉しくて即座にOKを出した」というハッピーで前向きなな気持ちを伝えることができます。

まとめ

「二つ返事」には2つの意味があり、一つは「はい、はい」と強調の意を込めて「返事を二度重ねてすること」、もう一つは「即座に快く了承する」こととなります。前者の意味の場合、相手や状況によって失礼だと解釈されてしまうことがあるため注意が必要ですが、一般的に使われる「二つ返事」は「快く引き受ける」という意味で使われることが多いでしょう。

ビジネスシーンで依頼や申し出を「二つ返事」で引き受ける時は、高まる感情を一旦おさえながら、再度、条件や内容、付加項目などを確認してからにすることが大切です。「二つ返事」で相手に回答したものの、「条件に見落としがあった」「価格が一桁違っていた」ということにならないようにしたものですね。