「乖離」の意味と使い方は?「剥離」との違いと類語も紹介

「乖離」という言葉。読み方も難しければ、意味も複雑なような気がしますが、どのようなシーンで使う言葉なのか知っていますか?金融関係の職業についている人には馴染みのある言葉かもしれませんが、ここでは、この「乖離」について紹介したいと思います。

早速、気になる読み方や意味、使い方と例文、また近い意味を持つ「剥離」との違い、英語表現についてまとめていきましょう。



「乖離」の読み方と意味は?

「乖離」の読み方と意味から解説します。

「乖離」の読み方は「かいり」

一見とても難しそうな言葉に見えますが、「乖離」は「かいり」と読みます。「乖離」の「乖(かい)」は「そむく」とも読み、対象になるものごとや相手などに背を向ける「背く=そむく」と同様の意味を持ちます。また、周知の通り「離(り)」は「はなれる」と読み、関係するものごとや状態から離れることです。

ちなみに「乖離」の「乖」は常用漢字表には載っていない漢字となります。そのため、メディアや学校などでは「かい離」と表記する場合が多いでしょう。

「乖離」の意味は「そむき離れること」

「乖離」は「乖」と「離」が組み合わさってできた言葉ですが、意味はそれぞれの漢字が示す通り「関係するものごとや状態、また人や行動などから背中を向けた態度をとること」です。具体的には純粋に離れるのではなく「近い関係にある一つのものから離れ、さからうこと」となります。

「乖離」と「剥離」の違いは「剥がれて取れる」

「乖離」と近い意味を持つ言葉に「剥離(はくり)」があります。「剥離」には「剥がれて取れる」という意味があり、塗装や皮など「物質」が剥がれて取れることを指す言葉となるため、人間関係や心、気持ちが離れてしまうことを示す「乖離」とはニュアンスが異なります。

たとえば、「最近、自分の意思と行動が乖離している」という使い方は正しいですが、「最近、自分の意思と行動が剥離している」という使い方は適切ではありません。あくまで「剥離」は物質的な剥がれを指す言葉であることを留意しておきましょう。

「乖離」の使い方と例文

続いて「乖離」の使い方と例文を挙げてみます。

「乖離」は主にネガティブな意味で使われる

「乖離」は主に人間関係や心、理念や思想、また政治や金融の分野で用いられることが多い言葉です。たとえば「人の心の隔たり」や「数値の開き」など、ネガティブなニュアンスを持って使われるが特徴とも言えます。

どちらかと言えば、「離れてしまった」「離れてしまっている」という意味合いで文脈に用いられるため、後に「乖離」によって生じた混乱や問題を改善することが必要になる場合が多いでしょう。

「乖離率」は株価移動平均線と株価の「かけ離れ率」のこと

「乖離」を使った熟語表現で株式投資で使われる言葉に「乖離率(かいりりつ)」があります。「乖離率」とは株価が移動平均線からどのくらいかけ離れているのか、指標に数値化したものです。移動平均線を軸に「離れ具合」で株が「買われ過ぎているか」「売られ過ぎているか」を判断することが「乖離率」を算出する目的となります。

「乖離」を使った例文

「乖離」を使った例文を5つ挙げてみましょう。

  • 政治における主張と実際の行動は乖離しているように見える。
  • 乖離しているのは理想と現実だけではなく、夢と実生活もそうである。
  • 予想した数字と実際の数字に大きな乖離が見られる。
  • 相手の言葉の受け取り方に乖離があったようだ。
  • 部長と課長が持つ理想は乖離している。

「乖離」の類語と英語表現は?

最後に「乖離」の類語と英語表現について解説しましょう。

「乖離」の類語は「隔離」「絶縁」「分立」

「乖離」の類語には、ものごとから離れる、また隔てがあるという意義を持つ「隔離」「絶縁」「分立」「縁切り」また「離別」などが挙げられます。どの類語も一つのものから離れ、背を向けるという意味がありますが、言い換えをする時は適語を選ぶようにしましょう。

たとえば、ある状態から隔てて離れてしまうなら「隔離」、夫婦や家族が離れてしまうなら「離別」、グループの一部が離れてしまうなら「分立」と言い換えをすることができます。

「乖離」の英語表現は「diremption」

「乖離」を英語でストレートに表現すると「diremption」また、離反の意味を持つ「estrangement」となります。しかし、文法を用いて表現するなら、「絶縁する=lose touch with」や「現実から隔離する=differ from reality、become detached from reality)」などを使うと良いでしょう。

まとめ

「乖離」は「かいり」と読み、意味は「そむき離れること」となります。主に人の心や気持ち、理念や思想、また政治や株式の分野で使われ、「心や考えの隔たり」や「数値の開き」を表す時に用います。

また「乖離」に似た言葉「剥離」には「物質的に剥がれ取れること」という意味があるため、心や理念に対して使われる「乖離」とはニュアンスが異なります。「離れる」という同じ意味を持ちますが、使い方には気を付けるようにしましょう。

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某私立大経営学部卒、大手旅行会社、商社を経て、豪州へ移住。米国PCメーカーのカスタマー部に勤務後、カンガルーやエミューのいるNSW州の片田舎で生活を開始。田舎暮らしをきっかけにフリーランス(ライター・翻訳)に転身し現在に至る。趣味はゴルフ、料理、ローカルとのゴシップ、キャンプ。