「アグリゲーター」とは「(何かを)集める人やモノ、または組織」という意味で、電力産業からビジネス、音楽・映像配信業界などで各分野で広く使われてます。
そこで「アグリゲーター」の意味を確認して、「アグリゲーター」が各業界でどのような意味で使われてどのような役割があるのかを解説します。関連用語として知っておきたい「コンテンツ・アグリゲーター」についても紹介しましょう。
「アグリゲーター」とは?
「アグリゲーター」の意味は”集める人”
「アグリゲーター」の意味は、”集める人・物・組織”のことです。
「アグリゲーター」とは「アグリゲート(aggregate)する人」という意味で、その「aggregate」とは英語で「集める(集まる)」や「合計する(合計される)」「総計する(総計される)」などの意味があります。
「アグリゲーター」はIT業界で使われたのが最初
今ではアグリゲーターは電力産業からビジネスまで使われるようになった言葉ですが、元はIT業界で「コンテンツ・アグリゲーター」という意味で使われていました。
コンテンツ・アグリゲーターを略して「アグリゲーター」とし、商品やサービスの情報を集めてまとめたものをウェブサイト上に公開するというのが仕事です。
電力産業での「アグリゲーター」とは?
「アグリゲーター」とは”余剰電力を集める中間業者のこと”
「アグリゲーター」とは「余剰電力(ネガワット)を取りまとめる中間業者」のことです。
「アグリゲーター」は余剰電力を集めて、電力会社に売ります。その報奨金の一部を、節電に協力してくれた企業等に還元するのがアグリゲーターの仕事です。このような余剰電力の売買取引を「ネガワット取引」と呼びます。
「ネガワット」は英語のネガティブ(negative)と電力の単位であるワット(watt)が組み合わされた造語で、発電所が発生させる電力と等価だと考えられています。
「アグリエーター」により電力の安定供給が実現
電力産業におけるアグリエーターの役割として、「デマンド・レスポンス(需要対応)」があります。
「デマンド・レスポンス」とは、あらかじめアグリエーターと契約したユーザーが電力需給に応じて節電を行うと、その対価としてインセンティブ報酬が得られる仕組みです。日本では大規模震災を機に導入が進み、需要に対して電力供給がひっ迫すると電力を抑制する取り組みがなされています。
ビジネスで使われる「アグリゲーター」とは?
社内外から人材やモノを「集めて」、最短で成果を出す人材
ビジネス上での「アグリゲーター」とは、ヒューマンリソースを活用して課題を遂行し達成させることが仕事です。解決すべき課題に対して、社内外から人材やモノ、技術などを「集めて」きて取り組み、最短で成果を出すことがミッションです。
ビジネスのIT化が進み、スピードが求められると同時に複雑化する現状において、アグリゲーターの役割は大きくなっています。専門的な知識と課題達成をするためのビジョンを持ち、それを推し進めていくことのできるアグリゲーターのような存在が求められています。
「アグリゲーター」の概念はビジネス本で紹介された
アグリゲーターの概念は、経営コンサルタントの柴沼俊一氏の著書「アグリゲーター 知られざる職種5年後に主役になる働き方」の中で紹介されました。
「アグリエーター」にはハイレベルな専門性と能力が求められる
「アグリゲーター」に求められる資質・能力は、与えられた課題を分析する能力、それに必要となる人材や技術を集めてくるために複数の職種の知識が必要です。高い専門性だけでなく広い視野も同時に持ち合わせて、さらにチームをけん引するリーダーシップ能力も大切な能力と言えるでしょう。
ビジネスマンとしてのハイレベルな実務経験と能力があり、明確なビジョンも持ち実行に移すことができる人材が「アグリゲーター」に向いていると言えます。
「コンテンツ・アグリゲーター」とは?
「コンテンツ・アグリゲーター」とは音楽や映像の配信事業者
「コンテンツ・アグリゲーター」とは、音楽や映像、書籍などの情報(コンテンツ)を集めて整理したデータを配信するサービスや事業者のことです。
また同一商品の情報を各ECサイトやネットオークションから集積して、価格比較などをするウェブサイトのことも「コンテンツ・アグリゲーター」といいます。
「コンテンツ・アグリゲーター」の事業内容は拡大傾向に
コンテンツ・アグリゲーターが進出する分野は音楽、映画、ゲームなどいろいろあります。近年では集積データの配信にとどまらず、それに付随する著作権管理や課金代行などのサービスを行うアグリゲーターもあり、アグリゲーターの事業内容が拡大する傾向も確認できます。
コンテンツの情報を拡散し、販売を活性化して物流を促進が見込まれるコンテンツアグリゲーターという役割は、付加価値産業として有意義だといえるでしょう。
まとめ
「アグリゲーター」は「集める人・物・組織」という意味ですが、「アグリゲーター」は各業界で様々なモノを集めていました。ただし、どの産業においても「アグリゲーター」は多様化する業界で大きな役割を果たしていて、注目されるビジネスの形であると考えられるでしょう。