パスポートの取得や婚姻届の提出など、手続きに「戸籍謄本」が必要になることがあります。いざ「戸籍謄本」を取ろうと思っても、どこでどのように手続きをしてよいのか迷う人もいらっしゃるでしょう。今回は、戸籍謄本の取り方を、他県に住んでいる方や家族が代理で取る場合の取り方などと合わせて紹介します。
戸籍謄本の取り方は?
戸籍謄本を取得するには、主に4つの取り方があります。ご自分の状況に合わせて戸籍謄本の取り方を選びましょう。
取り方①本籍の役所に出向く取り方
戸籍謄本は、本籍のある市役所などに出向いて取得できます。「本籍」とは、「戸籍を置いてある市区町村」のことをいい、結婚するときなどに自由に決めることができます。
一般的に独身の方は、両親が結婚したときに決めた場所が本籍です。本籍がわからない方は「本籍がどこか調べる方法は?」を確認してください。
本籍地の近くに住んでいる方であれば、市役所や町役場などの役所に出向いて取得できます。身分証を持参して、市民課や住民課などの戸籍を担当する窓口に行きましょう。
「戸籍に関する証明書の交付請求書」という書類がありますので、記入して提出し、手数料を支払うと、取得できます。
取り方②家族などの代理の人の取り方
戸籍謄本は、同じ戸籍に載っている人であれば、委任状がなくても取得できます。本籍地に家族が住んでいて、自分が他県にいる場合などは、家族に役所に行って取得してもらった方が、郵送よりも早く取得できます。
取り方は、自分の戸籍謄本と同じです。窓口に出向く家族の方が自分の身分証を持参して、市民課や住民課などの戸籍を担当する窓口に行き、「戸籍に関する証明書の交付請求書」を記載して提出します。
同じ戸籍に載っていない人の場合は、「委任状」が必要です。「委任状」を郵送する手間を考えると、郵送の方が手軽に取得できます。
取り方③郵送での取り方(他県の場合に便利)
戸籍謄本は、他県に住む場合などは郵送で請求する人が多いです。郵送で戸籍謄本を請求するためには、「戸籍に関する証明書の交付請求書」をホームページからダウンロードしましょう。本籍地のある市役所や町役場のホームページに掲載されています。載っていない場合は直接問い合わせが必要です。
必要書類を用意して、本籍のある役所へ郵送しましょう。一般的な必要書類は以下の4つです。
- 戸籍に関する証明書の交付請求書
- 身分証明書のコピー
- 手数料分の郵便定額小為替
- 切手を貼った返信用の封筒
取り方④コンビニでの取り方
本籍地のある役所が、「コンビニでの戸籍謄本の取得」に対応していれば、コンビニで戸籍謄本を取得できることがあります。本籍地から遠く離れた地域のコンビニでも取得できますので、一番短時間で手軽に取得できます。
まずは、自分の本籍地の役所のホームページなどから、コンビニでの戸籍謄本の取得に対応しているかを確認しましょう。
コンビニで戸籍謄本を取るためには、「マイナンバーカード」か「住民基本台帳カード」が必要です。どちらも持っていない方は、住民票のある市役所に行き「マイナンバーカード」の発行をするとよいでしょう。「住民基本台帳カード」は現在発行できません。
コンビニで戸籍謄本を取るためには、「マルチコピー機」を使います。マルチコピー機の画面には「行政サービス」というボタンがありますので、そのボタンを押して、指示に従って印刷しましょう。
本籍地によりますが、コンビニでの発行手数料は、窓口での発行よりも安くなっていることがあります。
本籍がどこか調べる方法は?
コンビニで取得する場合を除き、戸籍謄本を取るためには、本籍がどこにあるのかを知る必要があります。しかし、本籍をどこにしたのか忘れた方も多いのではないでしょうか。ここでは本籍がどこか調べる方法を紹介します。
同じ本籍地の家族に聞く
本籍は、基本的に結婚するときに夫婦で決めます。結婚している方であれば、夫か妻に聞くと、覚えているかもしれません。独身の方であれば、特に戸籍を分ける手続きなどをしていなければ、両親の戸籍に名前があります。両親や兄弟に聞くとよいでしょう。
住民票を取得する
家族に聞いてもわからない方は、住民票を取得すると確実に本籍がわかります。住民票はお住いの市町村の役所に行くと発行できますので、市役所や町役場などに行きましょう。
住民票には、本籍の記載があるものと、ないものがあります。必ず「本籍の記載がある住民票」を取得してください。住民票の発行には手数料がかかりますので、注意が必要です。
免許証の情報を運転免許試験場か警察署で確認する
運転免許証をお持ちの方であれば、免許証の中にあるICチップに本籍の情報が入力されています。そのままでは見ることができませんが、「運転免許試験場」か「警察署」にある確認端末で確認できます。
一般的には、ICチップ入りの免許証を発行するときに、暗証番号の設定をしています。暗証番号を間違えると確認できません。暗証番号がわからない場合は、運転免許試験場か警察署の窓口で確認しましょう。
戸籍謄本取得の注意点
戸籍謄本の正式名称は「戸籍全部事項証明書」
ここまで、「戸籍謄本の取り方」について紹介しましたが、実は「戸籍謄本」という書類は現在存在していません。「戸籍謄本」とは、戸籍の情報が現在のように電子データになる前の証明書です。
情報が電子化された現在では、「戸籍謄本」ではなく、「戸籍全部事項証明書」というのが正しい名称です。電子化される前の名残で、現在も「戸籍謄本」と呼ばれることが多くあります。
戸籍謄本と戸籍抄本の違いに注意
「戸籍謄本」の取得で、間違いが多いのが「戸籍抄本」を取得してしまうことです。「戸籍謄本」と「戸籍抄本」は似ていますが、異なるものです。婚姻届やパスポートの申請など「戸籍謄本」が必要な手続きに「戸籍抄本」を持参しても、手続きができません。
戸籍の内容をすべて印刷してあるのが「戸籍謄本」です。これに対し、請求した本人の事項だけが記載されているのが「戸籍抄本」で、正式名称は「戸籍部分事項証明書」もしくは「個人事項証明書」です。
未成年でも戸籍に記載されていれば取得できる
戸籍謄本は、戸籍に記載されている人が取得できるものです。未成年であっても、きちんと手数料を払えば取得できます。未成年の方は、身分証を持参して窓口に出向きましょう。
まとめ
戸籍謄本の取り方には、4つの方法があります。本籍のある役所の窓口に行けば、わからないことを直接聞きながら戸籍謄本を取得できます。遠方に住む方や、窓口の空いている時間にお仕事などで行けない場合は、家族に頼むか、郵送で取りましょう。マイナンバーカードを持っている方は、コンビニで取得できる場合もあります。ご自分の状況に合わせて、戸籍謄本を取りましょう。