「割愛」の意味とは?類語「省略」との違いと使い方を紹介

文章や説明を省くシーンで使われる「割愛」という言葉。曖昧になりがちですが、類語の「省略」と「割愛」には大きな違いがあり、知らずに使用すると相手に失礼となることもあります。「割愛」と「省略」の違い、正しい意味と使い方を紹介するので、参考にしてください。



「割愛」意味と語源

割愛するとは「惜しいと思い手放す」という意味

「割愛(かつあい)」とは、ただ省略したり手放したりするのではなく、惜しいと思いつつも何か理由があって手放す状況で使われます。例えば、「申し訳ないのですが、時間の都合上割愛します」という例文だと、本当は必要だが、時間に余裕がないため仕方なく省いているという意味になります。

大学教員などの公務員が籍を移すという意味も

大学教員などの公務員間では、他の大学へ籍を移すことや、大学を離れて民間企業に入社することを意味します。割愛人事と呼ばれ、「手放すにはもったいない人材ではあるが、依頼があったためやむを得ず手放す」という意味合いがあります。

「割愛」の語源は仏教と養蚕の2つ

惜しいと思いつつも、やむを得ず省くことを表す「割愛」という言葉。「割愛」の語源は仏教から来ているという説と、養蚕(ようさん)から来ているという2つの説があります。仏教用語と養蚕用語の両方を紹介していきます。

仏教では「出家」を表していた

「割愛」という言葉は、仏教では「出家」を意味していたとされています。大切な家族や知人、故郷から旅立たなければならない出家。愛する人達と離れることを「愛を割く」とし、「割愛」と呼ばれ、現在の「惜しみつつも手放す」という意味で使われるようになったと言われています。

養蚕では雄と雌を引き離す姿を表す

絹を作るのに重要な昆虫の蚕(かいこ)。もう1つの語源は、蚕を育てる養蚕用語から来ているという説があります。蚕の交配は長時間行われるそうで、メスが弱ってしまわないために人の手で引き離されます。

引き離すことを養蚕用語では、割愛と呼び、現在の使われ方の元となっているようです。

「割愛」の使い方

本当は省きたくない状況で使う

「割愛」は「省略」と違い、省くことに「惜しい」という気持ちが付くことを説明しました。本当は省きたくないが、時間やスペースに余裕がないなどの事情があって、仕方なく省いている様子を割愛と表します。

例えば、結婚式の祝電を紹介する場合、時間的な問題から全てを読み上げることが難しいこともあるでしょう。「他にも多くの祝電を頂戴しておりますが、時間の都合上省略します」と、「省略」を使って表すと相手に失礼となります。

時間の都合上、どうしても省かなければならないのであれば、「時間の都合上、割愛します」と、「割愛」を使用しましょう。

目上へ使う場合は「割愛いたします」

「割愛」という言葉自体は敬語表現でないため、目上へ使う場合は、後に続く言葉を敬語表現に変換します。丁寧語を加えた「割愛します」や、自分をへりくだらせた謙譲表現を加えた「割愛いたします」など、状況に応じて使い分けてください。

「割愛」の後に補足をつけるとより丁寧

「割愛」を使って言葉を省く場合、後に補足をつけることで丁寧と捉えられます。例えば、「時間の都合上、注意事項を何点か割愛いたします」の後に補足を入れると、「後ほど配布いたします資料にて、ご確認ください」や「詳細は当日資料にて、配布いたします」などが使えます。

「割愛」を使った例文

「割愛いたします」

目上の人がいる場で使えるのが「割愛いたします」という言葉です。例えば、「残り時間の都合上、割愛いたします。詳細はお手元の資料にてご確認ください」という例文だと、「時間の都合上省きますが、詳細は資料にて確認してください」という意味になります。

「割愛しております」

現在進行中である自分の動作に使える「しております」という表現を加えた、「割愛しております」という言葉。丁寧語であり、目上の相手に使用できます。例えば、「資料スペースの都合上、割愛しております。別途配布いたします資料に記載しているため、ご確認ください」となります。

「割愛」の類語と英語表現

「省略」との違いは惜しむ気持ちの有無

「割愛」の類語に当てはまる「省略」という言葉。意味が似ているため混沌されがちですが、はっきりと違いがあり、使い分けが必要です。「省くこと」を意味する言葉に違いはないのですが、「割愛」は「惜しみつつ」という気持ちがあるのに対し、「省略」は単に簡単にするためであり惜しむという感情はありません。

時間などの都合上、惜しみつつ省くものには「割愛」を、業務や手続きを簡単にするためにいらない部分を省く時は「省略」をと、使い分けてください。

英語では「omit」や「skip」

英語では「除外すること」を意味する「omit(オミット)」や、「飛ばす」を意味する「skip(スキップ)」を使いましょう。例えば、「I will omit this parts」という英文だと、「この箇所を省略します」という意味になります。

また、「skip」を使う場合は、「please let me skip(飛ばしてください)」や、言い切る形の「I will skip(飛ばします)」となります。「omit」と「skip」に惜しむ気持ちは含まれていないため、注意してください。

まとめ

惜しいと思いながら省くことを意味する「割愛」という言葉。大学教員などの公務員の間では、籍を移すことを「割愛」と呼びます。類語「省略」と意味は似ているものの、惜しむ気持ちがないという違いがあるため、注意してください。「割愛」を使って重要なものを省く場合は、後に補足を入れることでより丁寧となるため、意識しておきましょう。

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大阪在住の新人ライターです。学生時代にビジネスマナーや医療事務・秘書などの検定を取得し、前職は医療秘書として医院勤めでした。料理とスポーツが得意なので、いつか記事にできたらなと思っています。よろしくお願いします。