「真摯」の意味は?誤用の多い「紳士」との違いと使い方を解説

謝罪会見やクレーム対応で、相手の言葉を「真摯に受け止める」という表現を使うことがあります。「真摯」は神妙な面持ちで放たれることが多い言葉の一つですが、正しい意味を知っていますか?

ここでは「真摯」の意味と使い方、誤用の多い「紳士」との違い、類語と対義語、そして英語表現について紹介しています。ビジネスシーンで活用できるよう意味を確認していきましょう。



「真摯」の意味と使い方は?

早速、「真摯」の意味と使い方から紹介します。読み方と併せて誤用の多い「紳士」との違いにもついても解説していきましょう。

「真摯」の読み方と混同しやすい漢字

「真摯」の読み方は「しんし」です。「真摯」は「真撃(しんげき)」に似ているため、読み方と漢字表記において混同してしまうことがあります。「真摯」の「摯」は「撃」とは全く別の漢字で、「つかむ」「持つ」、また「誠」「まじめ」という意味のある言葉です。

ちなみに、「摯」の部首は「撃」と同じ「手」となりますが、上の2つの漢字は左が「幸」右が「丸」となります。

「真摯」の意味は「まじめにものごとを一心に行うさま」

「真摯」は「まじめにものごとを一心に行うさま」「熱心にひたむきなこと」という意味を持つ言葉です。「真摯」の「真」には「誠意」の他、「嘘がない」「混じりけがない」という意味があるため、「摯」の持つ「誠実」「まじめ」の意味をさらに強調していると解釈できます。

「真摯」は「紳士」と混同されやすい?

「真摯」でよく使われる熟語表現に「真摯に受け止める」がありますが、この表現を「紳士に受け止める」と誤用してしまうことがあるようです。その背景には「紳士的な態度で受け止める」という意味で言葉を誤認してしまっているところにあると考えられます。

「紳士的」は「上品で礼儀やマナーのよこと」を意味するため、「真摯」を「紳士」とうっかり誤用をしてしまいがちです。この2つの言葉を混同しないように気を付けましょう。

「真摯」の正しい使い方

「真摯」は謝罪会見やクレーム対応などの時に、改善を意図とした前向きな気持ちで使われることがほとんどですが、「彼はいつも真摯な態度である」というように、状況に難がない時でも使うことがあります。「真摯」は相手に誠意を最大限表すことができる便利な言葉です。だからこそ、謝罪会見やクレーム対応で有効的に活用できる言葉と言えるのでしょう。

「真摯」を使った例文

「真摯」を使った例文を5つ挙げてみます。

  • Aさんはいつも真摯な態度で私に接してくれる。
  • どななに小さなことでも、顧客からの意見は真摯に受け止めるべきである。
  • 納品ミスがあったため、真摯な態度で取引先に謝罪に言った。
  • 職場では何事も真摯に受け止め、改善の一歩へとしたいものだ。
  • 真摯に仕事に取り組む同僚は、成績もナンバーワンである。

「真摯」の類語と対義語は?

続いて「真摯」の類語と対義語について見ていきます。

「真摯」の類語は「一生懸命」「一途」「本気」

「真摯」はやや硬い表現として使われることが多いですが、「まじめ」で「ひたむき」という意義では「一生懸命」「一途」「本気」など、ごく一般的な言葉で言い換えをすることができます。その他には「一筋」「生真面目」「熱誠」、またカタカナ語では「シリアス」なども類語として挙げられるでしょう。

もし「真摯に受け止める」を少しやわらかい表現にしたい場合は、状況や相手に応じて「シリアスに受け止める」「まじめに受け止める」などのように、文脈によって適切な類語に置き換えることもできます。

「真摯」の対義語は「不誠実」「不真面目」

「真摯」の対義語は「まじめではない」「浮ついている」「責任感がない」といういったニュアンスを持つ「不誠実」「不真面目」「無責任」などが挙げられます。相手に不快感を与えるような軽薄な言動や怠惰であることを示す言葉が「真摯」の対義語として妥当である言えるでしょう。

また、四字熟語なら「軽佻浮薄(けいちょうふはく)」が「真摯」の対義語として使われることがあります。

「真摯」を英語表現すると?

最後に「真摯」の英語表現について紹介します。国際的な舞台で活躍するビジネスパーソンとしても「真摯」を上手に使っていきましょう。

「真摯」は英語で「sincerely」

「真摯」を英語で表現するときは、「真摯」をどの意味で使うかによって適切な単語が変ってきます。たとえば「真摯(一心に)に」なら「sincerely」「in a serious manner」、「真摯(まじめ)な議論」なら「serious discussion」、真摯(ひたむき)な努力なら「sincere effort」などになります。

「真摯」を使った英語表現

「真摯」を使った英語表現を3つ挙げてみます。

  • 彼はとても真摯な人である。
    He is such sincere person.
  • I have attended the meeting with sincerity.
    真摯な気持ちでミーティングに参加した。
  • My boss seemed to have accepted my sincere remorse somehow.
    どうやら上司は私の真摯な反省を受け止めてくれたようだ。

まとめ

「真摯」は「しんし」と読み、意味は「まじめでひたむきなさま」「熱心で一途なこと」となります。よく使われる熟語表現は「真摯に受け止める」「真摯な態度」「真摯な人」などで、ビジネスシーンでは相手に謝罪をしたり、クレームに対応する時などに多く使われています。

ビジネスでは「真摯」な姿勢を示すことで「信頼感」や「安心感」を与えることも可能です。心のあるひたむきな対応と誠意を表現して、成功を勝ち取っていきましょう。

ABOUTこの記事をかいた人

某私立大経営学部卒、大手旅行会社、商社を経て、豪州へ移住。米国PCメーカーのカスタマー部に勤務後、カンガルーやエミューのいるNSW州の片田舎で生活を開始。田舎暮らしをきっかけにフリーランス(ライター・翻訳)に転身し現在に至る。趣味はゴルフ、料理、ローカルとのゴシップ、キャンプ。