「少なからず」の意味とは?使い方と対義語・類語も(例文つき)

「少なからず」という言葉は日常生活やビジネスシーンでよく使われる言葉ですが、本来の意味や使い方を正しく理解せず使っていることはありませんか?

ここでは「少なからず」の正しい意味を中心に類語と対義語、英語表現を含めて例文付きでわかりやすく解説しています。大切なビジネスシーンにお役立てください。

「少なからず」の意味と使い方

はじめに「少なからず」の意味と使い方をみてみましょう。「少なからず」は一体どれくらいを指すのかにも触れながら、ビジネスで活用できる例文と併せて紹介します。読み方は「すくなからず」です。

「少なからず」の意味は「少なくない」

「少なからず」とは、ものごとの数や量、程度や範囲、可能性などに対して「少なくない」「少量ではない」「少しではない」「わずかではない」という意味です。

「少ない」に「からず」という否定の言葉がつくため、シンプルに少ないの逆「多い」を意味することになります。

「少なからず」を使った例文

「少なからず」はものごとの量や程度を限定することがありません。ほとんどの場、世間の評判や評価、また常識の枠で見たときに「少ないのか」「多いのか」を考え、「少なくはないが、適量(適度に)ある」「多くはないが、適量(適度に)ある」といった感覚で使うことがあります。

  • どのメーカーでも限定青汁を販売すれば少なからず注目は浴びるだろう。
  • 中国向けの海外旅行パッケージは少なからず順調な売れ行きを見せている。

また、数量や程度がはなはだしいときに「多い」という言葉を直接的に使わず、ものごとの多さを回りくどく表現する際にも使います。会話や文章で「多い」を遠まわしに言いたい場合は「少なからず」を使ったほうがよい場合もあります。

  • 新作のジャケットは少なからず売り上げのトップ3に入るでしょう
  • 台風の影響で船の到着が遅れることは少なからず予想できます
  • 来月の発注は500個を超える予定ですか?はい、少なからず1000個の大台には乗りそうです

状況や文章の内容によって使い方が異なる

「少なからず」はどれくらいかというと「適量」または「大分」です。人の持つ感覚はそれぞれ異なるため「適量」についても、「適量=一定の数」ということにはなりません。

「少なからず」は日本人が本来持つ、やや曖昧な言語感覚に沿ってできた言葉なのでしょう。しかし状況や文章の内容によって「少なからず」は「適当(適度)」を表現する場合と「多いに極めて近い」意味を指すことがあるため、使い方には十分気を付けるようにしましょう。

「少なからず」の対義語と類語は

では「少なからず」の類語と対義語についてみましょう。

「少なからず」の対義語は「多からず」

「少なからず」の対義語は「多からず」といわれています。よく「少なからず、多からず」と一緒に使うことがありますが、この場合は「少なくもなく、多くもなく、適量(適度)でちょうどよい」さまであることを表します。

「多からず」は数や量、程度や範囲が「多くない」すなわち「少ない」に近い状況や状態を指します。

「少なからず」の類語は「大分」「いとも」など

「少なからず」の意義は「はなはだしい範囲や程度まで」です。類語としては「大分」「いとも」「相当」「著しく」「尠からず」「かなり」「大いに」「ひじょうに」「思切」「よほど」「優に」「おもいきり」「最も」などです。

似た言葉「多少なりとも」との違い

「少なからず」に似た言葉で「多少なりとも」がありますが、「多少なりとも」は「多少は」「少しは」という意味があるため「少なからず」とは反対の意味になります。

  • 多少なりとも返事があっておかしくない
  • 商談がうまく行かない可能性は多少なりともありえる。

「少なからず」の英語表現と例文

最後に「少なからず」の英語表現と例文を紹介します。

「少なからず」を表す英語は「not a few」「not a small」など

「少なからず」を表す英語は「not a few」「not a small」「not a little」「in not small way(amount,part or measure)」などがあります。

ビジネスシーンでは状況や話す相手によって、ややくだけた「some」「any」などを使うこともありますが、会話の背景によって前述した英語と同じような意味を表すため「多い」をイメージさせるジェスチャーを使って上手に使ってみるとよいでしょう。

「少なからず」ビジネス英語の例文

  • 今年の採用は少なからず10人は超えるだろう

  We are going to hire more than 10 new people this year which is not a few.

  • 当社の顧客サービスへの苦情は少なからず報告されている

  The amount of complains have been reported about our customer service were not a little

まとめ

「少なからず」は不特定の数を相対的に表現する言葉です。日本社会では断定することや否定することを避ける体質があるため、文章をやわらかくする素材として上手に活用していきましょう。

言葉磨きは自分磨きです。「できる」社会人としてますます活躍していくためにも、正しい言葉を適切なタイミングで使うことができればベストですね。