取引先から受け取ったことを確認するためにお礼メールを返すことも多いかと思いますが、その書き方に迷うことありませんか。
そこで今回は「受領」の意味から受領したことを伝えるメールの書き方、そしてお礼メールに適切な敬語表現も紹介します。また受領と似た「領収」や「受理」との違いも解説します。
「受領」とは?
「受領」の意味は”受け取ること”
「受領」の意味は、”金や物などを受け取ること“です。読み方は”じゅりょう”です。
ただし単に受け取るという意味ではなく「正式に重要なものを受け取る」という意味で使われることが多いのが特徴です。ビジネスでの取引などでもよく使われる言葉です。
例文:
「メールを受領しました」
「先月分の利用料を受領しました」
「こちらが受領書になりますので、お受け取りください」
日本史に出てくる「受領」は”任地に行った国司”
平安中期以降に、認知に赴任して政務を務めた国司の最高責任者のことを「受領」(ずりょう)と呼びました。国司として出向くことで集めた税金をすべて自分の財産とできたことから、中央政界に進出しない中小貴族にとっては好ましい職務だったようです。
一方、任地に赴かなかった国司を遥任(ようにん)と言いました。
「受領」の類語とは?「領収」「受理」との違いとは?
類語①「領収」とは”主に金銭を受け取ること”
「領収」には受領と同じように「受け取ること」という意味があるのですが、特に金銭の受け取りのときに「領収」が使われます。
類語②「受理」とは”書類や願書を受領すること”
「受理」とは公的機関や会社などが、申し出などの書類や願書を受け取ることです。
「受領」が重要なもの一般を受け取ることに対して、「受理」は誰が何を受け取るかが限定されます。公的機関なら婚姻届けや請願書類など、会社なら辞表や訴状などを受け取るときに「受領」が使われます。
「領収書」と「受領書」の違いは物品の受け取りにも使われるかどうか
「領収書」とは金銭を受け取ったことを証明する書類で、物品の受け取りには使われません。
一方「受領書」とは金銭を受け取ったことを証明するための生類としても使われますが、物品の受け取りにも使われます。
「受領」を意味する敬語表現とは?
ビジネスシーンでよく使われる「受領」という言葉ですが、この言葉自体は尊敬語ではありません。
そこで「受領」を使った敬語表現から、ビジネスシーンで使える受領を意味する言い換え表現を見てみましょう。
「受領いたしました」
「する」の謙譲表現である「いたす」を使い、「受領いたしました」という表現は、目上の人にも使えます。ただ少し硬い印象を与える表現ですので、取引先など尊敬表現を必要とする相手に使いましょう。
「受け取らせていただきました」
受領の意味で、尊敬語を使った言い換え表現です。よく使われる表現で、顧客や取引先に使えます。
「拝受しました」
受領を意味する尊敬語「拝受」は、「謹んで受けること」という意味になります。そのため「拝受いたしました」のように二十敬語にならないように気をつけましょう。
「受け取りました」
丁寧な表現で受領を意味します。同僚や目下の人にも使え、親しい間からの目上の人にも使える便利な表現です。
「お受け取り致しました」
「受け取りました」では砕けすぎる印象のときに、「お受け取り致しました」が使えます。目上の人や取引先などに送る受領確認のメールにも使うことができます。
受領確認メールの書き方とは?
受領の取り急ぎメールの書き方
取引先から資料等を受け取った際に、受け取ったことを伝えるためにメールを送信しますが、取引先との関係が親密なら、「受け取りました」と伝えるだけで十分でしょう。
例文:
「お世話になります。〇〇の資料を受け取りました。お忙しいところ、ご対応いただきましてありがとうございました」
取引先と親密でない場合の受領確認メールの書き方
ただし受領確認メールの受け取り手とあまり親しいわけではないのなら、正しい言葉遣いが必要です。
例文:
「お世話になっております。○○の資料を受け取らせていただきました。社内で確認した後、ご返信を差し上げます。お忙しい中、ご尽力いただきありがとうございました。」
「受領」の英語表現とは?
受領は英語で「receipt」
受領は英語で「receipt」です。買い物をした時にもらうレシートの語源になります。
例文:
“receipt documents”「受領書類」
受領したことを英語で伝えたいときの表現
受領したことを英語で伝えるとなると、「○○を送信してくださったことをありがとうございます」という意味の文を英訳するのがいいでしょう。
例文:
“Thank you for providing me the actual financial report.”
(親しい相手に)「最新の経済レポートを送ってくれてありがとう」
“I really appreciate for your providing me the actual financial report.”
(正式に)「最新の経済レポートを送ってくださって感謝いたします」
まとめ
「受領」とは大切なものを受け取ることという意味で、ビジネス上でもよく使われます。使い方のポイントは、「受領」という言葉自体に敬語表現は含まれていませんので、丁寧に言うときは「受領いたしました」など受領に続く表現を工夫します。