「及第点」の意味とは?「次第点」との違いや正しい使い方を解説

「合格点」を意味する「及第点」ですが、もしも「君の仕事ぶりは及第点だ」と言われたらそれは誉め言葉として受け取っていいのでしょうか。

解釈に困る「及第点」という言葉。今回はその「及第点」の意味や使い方に加えて、「次第点」や「合格点」との違いを解説し、誉め言葉なのかどうかも検証します。



「及第点」とは

まずは「及第点」の読み方をはじめ、2つの意味や英語表現、語源について解説していきます。

「及第点」の読み方

「及第点」とは「きゅうだいてん」と読みます。

及第点の意味① 試験に合格するために必要な点数

その意味の意味は「試験や検査に合格するための点数」のことです。

例文:「英語の試験で及第点を取った」

及第点の意味② 一定の基準に達した点数

「及第」には「一定の基準に達している」という意味もあります。この意味で「及第点」というと「一定の基準に達した点数」となります。

ただしこの意味は「合格ラインに達成に十分な点数」と平易に受け止められることもあれば、「なんとか合格点にたどり着いた」という少しネガティブなニュアンスが含まれていることもあります。

ビジネスシーンでもよく使われていて、若手の社員があるプロジェクトに参加して、周囲から求められていた程度の働きをした場合などに使われます。

例文:
「今月の売り上げなら、セールスマンとして及第だ」
「この企画書なら及第と言える」

「及第点」は英語で「passing grade」

英語で「及第点」を表すと「passing grade」か「passing mark」です。

この場合の「pass」とは「合格する」という意味で、「passing grade」で「合格するレベル」、「passing mark」なら「合格する評価」という意味になります。

例文:
“The highest passing grade is A, and the lowest passing grade is D.”
「最高の及第点はAで、最低点はD」
“The passing mark for the English examination is 60%”
「英語の試験の及第点は60%の正解率だ」

「及第」の語源は「大きな屋敷に手が届くこと」

「及第」の語源は中国にあり、「第」は「大きな屋敷」を意味します。「第」に「及ぶ」、つまり「大きな屋敷に手が届く」という意味です。

どうしてこのような言葉ができたかというと、中国での官僚試験に合格すると大きな屋敷で務められるようなることから、試験合格=及第という言葉が生まれました。

誉め言葉?「及第点」の使い方

「及第点」を試験で合格点を取った時の使い方

「及第点」を試験や検査などを受けた結果の「合格点」という意味で、使い方は次のような表現があります。

  • 「及第点を取る」
    合格点を問題なく取れたときの表現です。
  • 「及第点に達する」/「及第点に届く」
    努力が報われて合格点を取れたような場合には「及第点に達する」や「届く」が使われます。
  • 「及第点には及ばず」
    合格点に達しなかった場合の表現です。

「一定の評価」としての「及第点」は誉め言葉ではない!

「一定の評価に達した」という意味で「君の評価は及第点だ」のように使う場合、それは可もなく不可もなくまずまずの出来だという意味で使っていることから誉め言葉とは言えません。

合格ラインに達しているのならいいのではないかという議論もありますが、この場合の「一定の評価」とは最低これくらいはやってほしいという相手が決めた基準であることが多いからです。

使い方の例は次のようなものがあります。

  • 「及第点の評価をもらう」
  • 「及第点をつける」
  • 「及第点の評価をつけられる」
  • 「及第点の評価を得る」
  • 「及第点のレベル」

「及第点」「次第点」「合格点」との違い

「次第点」という表現は間違い!

「及第点」と同じ意味で「次第点」という言葉が聞かれますが、「次第点」という表現はありません。

「及第点」が「次第点」と読み違えられて、そのまま定着してしまったようです。

「合格点」はポジティブに受け取られる

「及第点」と「合格点」は両方とも、試験なので合格するための点数という意味です。しかし「及第点」というと何とか合格したという印象がある一方で、「合格点」はポジティブなニュアンスが含まれて誉め言葉という印象を与えます。

努力して合格した試験の結果を、「及第点が取れたね」と言えば「ギリギリ合格したね」という皮肉めいた印象を与えるのに対して、「合格点が取れたね」または「合格したね」と言えば「合格してよかった」という嬉しい気持ちを伝えることができます。

「及第点」の類義語と対義語

及第点の類義語はいくつか考えられるのですが、それらの違いは及第点を取った人がどの程度満足しているのか、それとも満足をしていないのかによって変わります。

「及第点を取れてよかった」と思えるときの類義語

  • 「よい結果」
  • 「悪くない出来・悪くない結果」
  • 「8割程度のでき」
  • 「まずまずの出来」
  • 「一人前」
  • 「並み以上」

「及第点で悪かった」と思えるときの類義語

  • 「及第点のでき」
  • 「そこそこの出来」
  • 「ひとかど」

「及第点」の対義語は「落第点」

「落第点」とは、試験や検査などに合格しなかった点数という意味です。

「及第点」が試験などで合格した点数という意味から、対義語には合格しなった点数という意味の「落第点」が考えられます。

まとめ

「及第点」とは「合格点」の意味と、何かを評価するときには「そこそこの出来」という意味もあり、その場合はネガティブな印象を与える表現です。「及第点」を使うときは、それを聞いた相手がどのように思うのかその心情を汲みながら、気をつけて使うようにしましょう。