日本では近年、多くのカタカナ語が日常的に使われるようになりましたが、「コンフリクト」はビジネスやマネジメント分野でよく見聞きする言葉です。意味や使い方を理解している人は少ないかもしれませんが、社会人としてはぜひおさえておきたい言葉の一つでしょう。
早速、「コンフリクト」の意味と使い方、また「コンフリクトマネジメント」の概要と目的について紹介します。参考になれば幸いです。
「コンフリクト」の意味と使い方とは?
「コンフリクト」の意味は”衝突・不一致”
「コンフリクト」は意味は、”衝突・不一致”です。英語の「conflict」のことで、考えや主張が双方で異なる状況で、お互いが「対立」することを意味しています。
「コンフリクト」は一対一で意見がぶつかることを指すだけではなく、グループや組織が衝突し、結果的に「確執」が生まれる状況も指しています。加えて、長期間における「戦争」や「紛争」など、規模が大きな「争いごと」に対しても使われる言葉です。
また、小説や物語の中で別の展開が生じるような「気になる人物」を「コンフリクト」と表現します。主人公に対し、意味深に謎の「人物A」が存在すれば、良きも悪しきも新たな事の展開が期待できるでしょう。この「人物A」がコンフリクトです。
「コンフリクト」は考え方や主張などが衝突する場面で使われる
「コンフリクト」は「衝突」や「対立」などの意味がありますが「相手を殴るようなフィジカルな喧嘩」を意味する言葉ではありません。もし、この状況を表現するなら「ファイト(fight)」が最も適切です。「コンフリクト」という表現は、あくまで「考え」や「主張」などが双方で対立し、衝突することで確執が生まれてしまう場面で使うようにしましょう。
また、「コンフリクト」は意見や考えでの「矛盾」という意味を含む言葉でもあります。そのため、激しい対立や衝突がなくても「双方で意見が食い違ったり、考えに大きなズレがある」際にも「コンフリクト」という表現を使うことがあります。
「コンフリクト」を使ったビジネス例文
コンフリクトを使ったビジネス例文を5つ挙げてみます。
- 取引先のA社と、契約内容でコンフリクトが生じた。
- 同僚Bと意見のコンフリクトが生まれる前に、部長を交えて話をしようと思う。
- 社内会議で計画案でのコンフリクトが起こり、場は騒然とした。
- 今後、営業活動で競合とのコンフリクトが予想される。
- コンフリクトを避けるための「コンフリクトマネジメント」を導入すべきだ。
「コンフリクトマネジメント」とは?
「コンフリクトマネジメント」の意味と目的を紹介します。
「コンフリクトマネジメント」は”衝突での問題を解消をする手法”
「コンフリクトマネジメント」とは「衝突や対立などを解消し、問題解決に向けて行動する手法」のことです。多くの人が集まる企業や組織において、考えや意向がぶつかってしまった時に「双方の利益」を考えながら解決を施す策や手順のことを指しています。
「コンフリクトマネジメント」の目的①「衝突を改善のチャンスに変える」
企業や組織の中では、たとえ問題や課題があっても「衝突」を避けようと目を背けてしまう傾向がありますが、これはできるだけネガティブな部分には触れないようにし、言い争いを避けようとする、ごく普通の行動パターンです。
しかし「コンフリクトマネジメント」では改善を視野に、あえて問題に触れることで意見の対立を招き、「問題解決のチャンス」に変えることができます。
また、企業や組織の中では意見や考えの「衝突」はどうしても免れません。場合によっては激しい言い合いに発展することもあるでしょう。しかし「コンフリクトマネジメント」を上手に採用すれば、ネガティブである「衝突」や「対立」を一転させ、「問題解決」へとスイッチすることが期待できます。
「コンフリクトマネジメント」の目的②「企業内の確執を解消する」
「コンフリクトマネジメント」の目的に「企業や組織に長年はびこる確執を解消する」があります。争いごとや変化を避ける傾向のある企業や組織は、たとえグループ同士が対立していても見てみぬふりをすることが多いのが現状です。そのような状況では事態の回復は望めず、人で成り立つ企業や組織はしぼんでしまう一方でしょう。
「コンフリクトマネジメント」は、表面に出てこない「確執」への問題解決にも有効的だと言われています。亀裂が大きくならないうちに双方の意見をまとめ、最終的な「相互利益」の実現も期待できるでしょう。
「コンフリクトマネジメント」の鍵とは?
「コンフリクトマネジメント」の鍵について紹介します。効果的に活用するためには、どのようなことが必要なのでしょうか?
「コンフリクトマネジメント」の鍵は「双方の協調姿勢」
「コンフリクトマネジメント」を上手に運用するためには、双方に「強調する」という姿勢が必要です。たとえ、一方が相手の考えや意向を聞き入れようとしても、もう一方が頑として相手の意見に耳を傾けなければ、「コンフリクトマネジメント」のプラス作用を効果的に使うことはできません。
まず、「意見がぶつかり衝突していることをわかっている。しかし、相手の考えも聞くことも重要かもしれない」とお互いが協調姿勢を見せることが重要です。どうすればお互いの利益に結びつくか?という点に着目し、距離を縮めて行きましょう。
「コンフリクトマネジメント」の正しい知識を得る
「コンフリクトマネジメント」は、異なる意見をぶつけ合うことで「お互いが理解を深め、競い合うことで意欲を高める手法」としても知られています。
最終的には双方の新たな問題を発見できることもあり「本質的な課題を見極める手法」として多くの企業が注目し始めていますが、当初はお互いが不快に感じたり、対立が悪化する可能性もあるため、正しい知識が必要な手法です。研修やトレーニング制度を利用して、「コンフリクトマネジメント」への理解を深めていきましょう。
まとめ
「コンフリクト」は英語の「conflict」のことで、「衝突」「対立」「不一致」また「矛盾」などの意味がある言葉です。「コンフリクト」は規模の大小にかかわらず、どのような企業や組織にも存在する問題でしょう。
また「コンフリクトマネジメント」は企業や組織で避けられない「衝突」や「対立」の状況を、「新しい問題の発見」や「するべきことの見極め」という新しい視野で活用する手法です。「衝突」や「対立」のままで終わらせない「問題解決への手法」として、導入を検討してみてはいかがでしょうか?