「下記の通り」の正しい使い方は?「以下」との違いや文例を紹介

ビジネスでよく目にする「下記のとおり」ですが、気が付かない内に「間違えた使い方」をしている人がいるかもしれません。「知っている」と思っている知識こそ、大きな落とし穴が隠されていることもあります。今回は「下記のとおり」の正しい意味を始め、ビジネスで活用する際の注意点や例文をピックアップします。



「下記のとおり」の意味と正しい表記

文章を簡略化して伝わりやすくするメリットのある「下記のとおり」ですが、正しい意味を理解してビジネスで有効活用しましょう。

正しい読み方と意味

「下記のとおり」とは、文字のまま「下」に「記」した「とおり」であるとして使用しているもたくさんいますが、適切な意味は「記」の「下」にある「とおり」「記」と記載した下に述べてあるとおりという意味になります。読み方は「カキのとおり」で、「ゲキ」などと間違えないように注意しましょう。

「下記の“通り”」は間違い?

「下記のとおり」という表現方法にある「とおり」の箇所は、「通り」と使用されることもありますが、結論から述べるとどちらでも通じます。文化庁が平成22年に発表した内閣告示第二号「常用漢字表別紙」には「とおり」として使用すると告示されていますが、これは国や行政機関が作る「公用文」における表現方法のため、公用文以外で使用する場合は「間違いではない」ということになります。

ただし、表記にブレが出てしまうことには気を付け、同じ文章内では「とおり」または「通り」のどちらかで統一した表記を使用するようにしましょう。また、下記の内容が道順を説明する場合に「通り名」などを表記するのであれば「下記の通り」が適切な表現です。

公用文における漢字使用等について

1 漢字使用について
(2)「常用漢字表」の本表に掲げる音訓によって語を書き写すに当たっては,次の事項に留意する。
キ 次のような語句を,( )中に示した例のように用いる時は,原則として,仮名で書く。
例 とおり(次のとおりである。)

出典)平成22年内閣訓辞 別紙「公用文における漢字使用等について

類語「以下のとおり」との違い

下記のとおりは「記の下に述べてあるとおり」という意味であると説明しましたが、似ている意味をもつ「以下のとおり」とは「これより下に書いてあるとおり」という意味になります。伝えたい情報が何ページにも及ぶ場合などは、「以下のとおり」や「次のように」を使用して「記」を省略できます。「以下のとおり」と書いた言葉のあとの文章に、伝えたい内容を記載することが大切です。

「下記のとおり」の正しい使い方

「記」と「以上」で挟む「記書き」が基本

類語「以下のとおり」では、この言葉のあとに伝えたい事項を続けますが、ビジネス文書における「下記のとおり」では「記」と「以上」をセットにする「記書き」を使用するようにしましょう。記書きをマスターすることで、重要な情報に目が通しやすくなるといったメリットがあります。

「記書き」のポイント
・行の中央に「記」を記載
・箇条書きを使って簡略化する
・最終行の末尾から1字空けて「以上」を記載

文章の簡略化で相手に伝わりやすい

記書きを使用すると文章が簡略化され、相手が忙しい中でも「記~以上」に目を通せば「重要な事項」を確認できるといったメリットがあります。また、ビジネスメールの場合は「記」を省略することも可能です。以下で例を挙げますので、どちらが読みやすいか参考にしてみてください。

記書きを使用しない場合
○月○日(○)に□□公園で花見を予定しております。
集合場所は第一駐車場側の公園入口付近で、午前9時には集合をお願いいたします。
欠席の方は●●までご連絡をお願いいたします。
皆様のご参加お待ちしております。

記書きを使用した場合
お花見会を下記のとおり開催致します。

日程:○月○日(○)
場所:□□公園
集合時間:午前9時
集合場所:第一駐車場側 公園入口付近

以上

なお、欠席をされる方は●●までお知らせくださいませ。

「下記のとおり」をビジネス文書で使う場合

ここでは社外文書・社内文書などのビジネス文書及びビジネスメールで、「下記のとおり」を使用する場合のポイントと使用例を紹介します。

ビジネス文書で構成時のポイント

ビジネス文書とは社外文書・社内文書・社交文書が挙げられます。社外社内問わず、ビジネス文書で記書きを使用する場合、「前付、本文、付記」の三構成を意識した上で「A4用紙1枚」にまとめるのが基本です。まずは簡単に構成例を紹介後、詳しい解説を後述しますので参考にしてみてください。

ビジネス文書 構成例

文書番号■
発行年月日■

■受信会社名
■■個人宛であれば個人名

発信会社名
■発信者名■

件名

頭語■時候の挨拶。感謝の挨拶
■用件
■結論
■結語

結語



以上■

■付記

担当者名■■

全体的な構成はこのような形です。この先の文例でも画面により多少のズレが発生してしまいますが、おおよその位置で右寄せ・左寄せ・中央寄せをイメージしてみてください。■の位置では、■が1つにつき1字分の空白を入れるようにしましょう。各項目ごとのポイントは以下にまとめました。

前付のポイント
・文書番号  …より丁寧で管理しやすくなるが、省略されることも
・発信年月日 …文書の作成日ではなく発信日を元号表記で
・受信会社名 …(株)などの略号はNG。企業or組織宛なら1字空けて「御中」
・個人宛の場合…所属部署名や個人名を記載して「様」付け
・発信会社名 …自分の会社名。こちらも略語はNG
・発信者名  …直属の上司、または管理者の名前(社内規定による)

本文のポイント
・件名   …わかりやすく簡潔に
・頭語   …社外文書用。「拝啓」または「謹啓」のあとに1字空ける
・時候の挨拶…頭語の後に1字空けて記載or改行後に1字空けて記載
・感謝の挨拶…「平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます」
「平素はひとかたならぬお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます」など
・用件   …「さて、」で始まり、結論→概要の順で記載
・結論   …「つきましては、」で始まり、お願いしたいことを続ける
・結語   …頭語が「拝啓」で「敬具」、「謹啓」で「謹白(敬白)」をセットで使う

その他のポイント
付記  …「なお」で始まり、本文に付け足したい情報があれば記載。(追伸とP.S.はNG)
担当者名…自分の名前を入れる場合は行の最後に「担当 ●●」で記載。連絡先を入れてもOK

社外文書の文例

取引先などへ送る「社外文書」を作成する際は、A4用紙1枚で簡潔にまとめるように心がけましょう。1文あたり30~50字程度であれば理解しやすく、丁寧な印象にも繋がります。

文書第○○○○号
平成○○年5月○日

△△株式会社 御中

株式会社□□
営業課長 ●● ●●

商品発送完了のお知らせ

拝啓 新緑の候 貴社におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。平素はひとかたならぬお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、◇月◇日付でご契約頂いた弊社「  」を、5月○日に弊社より□□運輸にて下記のとおり発送致しました。
つきましては、ご確認の上、同封の物品受領書をご返送くださいますようお願い申し上げます。
まずは、出荷のご通知まで。

敬具

発送商品
1 「    」 ☆台
2 「    」 ☆部

同封書類
1 納品書    1通
2 物品受領書  1通

以上
担当 ○○部営業課 ○○
電話 00-0000-0000

社内文書の文例

社内に発信する「社内文書」は、「頭語」「時候の挨拶」「結語」が不要です。丁寧すぎる必要はなく、用件を単刀直入に伝えましょう。

第○○○○号
平成○○年○月○日

△△各位

営業部長

○○開催日変更について(通知)

表記の開催日を下記のとおり変更するので、確認をお願いします。

1 日 時  ○月○日(○)○時○分から○時まで
2 場 所  ○○○○室(○階)

以上

ビジネスメールの文例

メールの場合では、「頭語」などの前文が不要です。「平素よりお世話になっております」または「先日はお世話になりました」などの簡単な挨拶文から始めましょう。また、メールの場合は「記」を省略し、仕切り線などで目立つようにしても良いでしょう。

社外メール
件名:お打ち合わせ日程の通知(株式会社□□・○○)

平素よりお世話になっております。
株式会社□□・○○(名字)でございます。

さて、ご提案頂きましたお打ち合わせの件ですが、開催日時及び開催場所を下記のとおり決定いたしました。

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日時:○月○日(○) ○時から○時まで
場所:○○○○
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

以上、ご確認の程よろしくお願い申し上げます。

なお、ご都合が合わない場合、大変恐縮ではございますが○月○日までに○○までお知らせ頂けますと幸いです。

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署名
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社内メール
件名:○○開催日変更について(通知)お疲れ様です。
表記の開催日を下記のとおり変更するので、確認をお願いします。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

1 日 時  ○月○日(○)○時○分から○時まで
2 場 所  ○○○○室(○階)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

担当 ○○
(内線 00-0000)

まとめ

「下記のとおり」の正しい意味を知って正しい使い方を覚えると、さまざまなシーンで役に立ちます。ビジネスでは「下記のとおり」を使い分けることで、円滑かつ簡潔に、重要事項を相手に伝えることが可能になります。丁寧で分かりやすい文章は読み手にも良い印象を与えることが多いので、この機会に「下記のとおり」「記」「以上」への理解を深めましょう。