「今日も今日とて」の意味とは?シーン別の使い方や例文も解説

最近、話題になっている表現の一つに「今日も今日とて」がありますが、小説やブログのタイトルで使われていたり、普段の生活の中でも見かけるようになりました。さて、「今日も今日とて」には、どのような意味があるのでしょうか?

ここでは「今日も今日とて」の意味、シーン別の使い方と例文、類語と英語表現について解説しています。早速、意味から見ていきましょう。

「今日も今日とて」とは?

「今日も今日とて」の意味は”今日は今日とは言っても…”

「今日も今日とて」の意味は、“今日は今日とは言っても…”です。「今日も今日とて」の「今日とて」は「今日と言っても」を短くした表現で、ニュアンスとしては「昨日と同じような今日だけど」「今日は昨日と違うけど、特に変わらない」と解釈することができます。

日々、何の変化のない日常生活を送っていると「今日は何か新しいことが起こるかもしれない」と期待することもあるでしょう。しかし、「今日も今日とて」は「昨日と同じような今日がある」つまり、そこには「同じような日々が続いている」という状況がうかがえます。

「今日も今日とて」は感慨深くつぶやくような状況で使われる

「今日も今日とて」は「今日もまた昨日と同じようなことをしている」と感慨深くつぶやくような状況で使うことがほとんどです。ネガティブな表現とは言えないまでも、気持ち的には意気揚々としたニュアンスが少ないため、「変わらない毎日」に飽きてしまった時や仕方なく行っている状況を表す時に使うのがベストでしょう。

また、二つの「今日」が入るため、口語ではとてもリズム感のある言い回しでもあります。どちらかと言えば、ダラダラとした長い文章より短い文章の方が、語り手の感慨深い気持ちが表現できるでしょう。

「今日も今日とて」のシーン別の使い方と例文

使い方①「今日も今日とて午前様」

今日も今日とて午前様」は自分の現状について「気付けばまた午前様が続いている…」と変えようのない毎日に多少飽き飽きした時に使います。

後半の部分を「朝帰り」「残業組」「コンビに弁当」「空説教」「外回り」「ルーチンワーク」などに変えれば、昨日と代わり映えのしない個人的な状況をやや皮肉ったように表現できます。

「何も変えることができない現実」にため息が聞こえてきそうですが、客観的に見た変化のない自分を滑稽だと思えるレベルなら、まだまだストレス度は低いと言えるかもしれません。

使い方②「今日も今日とて雨が降る」

「今日も今日とて雨が降る」は「昨日も雨、今日も同じく雨」という意味ですが、昨日と今日の2日間だけではなく、一昨日も雨、もしくはここ一週間ずっと雨だということも考えられます。

「今日も今日とて」は「雨が降る」「夜が明ける」「満員電車」などのように日常的に訪れる現象を表す時に使うこともできる表現です。毎日当然のように訪れるものに対し、あきらめの気持ちと「やっぱりそうなんだ」という感慨深い思いが入り混じった時にピッタリの言い回しと言えるかもしれません。

使い方③「今日も今日とて君が好き」

「今日も今日とて君が好き」もリズム感のある言い回しですが、一見意味の捉え方で困惑する人もいるでしょう。語りては「今日も昨日と同じように君が好きだ」という気持ちを、流行り言葉である「今日も今日とて」を使った表現しようとしています。

しかし、「今日も今日とて君が好き」という言い回しは、表現の幅を大きく広げ、本来の使い方からやや離れた自由な表現であるため、言葉のニュアンスに違和感を感じる人もいるかもしれません。もちろん、個性あるオリジナル感あふれるフレーズとして使っている人も実際います。

使い方④「今日も今日とて可愛い君」

「今日も今日とて可愛い君」“昨日と変わらずいつも可愛い君”と解釈できます。あまり使われない言い回しですが、「今日も変わらず可愛い君」とありきたりな表現を使うより「今日も今日とて可愛い君」と表現することで、独特の風情を醸し出す狙いがあるのでしょう。

使い方④「今日も今日とてありがとう」

「今日も今日とてありがとう」という言い回しを使うことがありますが、この表現は適切であるとは言えません。そもそも「ありがとう」という言葉は、相手の行いに対して瞬時に感じる感謝の気持ちであるため、継続的で日常的なものごとや感情に使われる「今日も今日とて」を先頭につけるのは間違った使い方ととなります。

「今日も今日とて」の類語表現と英語表現とは?

「今日も今日とて」の類語は”今日もまた”や”相も変わらず”

「今日も今日とて」の類語は「今日もまた」「愛も変わらず」、また「普段と同じく」「いつものように」「代わり映えなく」などがあります。

あきらめ感が強い場合もあれば、仕方ないけど嫌ではない、結構楽しんでやっている、など気持ちの強度や色合いによって言い換えできる類語を選んでみて下さい。

「今日も今日とて」は英語で”day after day”

「今日も今日とて」の英語表現は状況や個人の表現の仕方で変わります。「来る日も来る日も」というニュアンスを強めたいなら「day after day」、「毎日毎日」なら「everyday」、また「明けても暮れても」なら「day in and day out」となります。

もし、同じ状態が継続し、また何も変わらい状態を強調する時は「Nothing has been changes for a long time」とため息まじりに放っても良いでしょう。

まとめ

「今日は今日とて」は「昨日も今日も代わり映えがしない」「相変わらず同じ日を繰り返している」などという意味のある表現です。「今日は今日とて」というセリフがこの頃増えていませんか?もしかしたら、心の中で何か大きな変化を求めている時かもしれません。

大切なビジネスシーンではあまり使われることはありませんが、ため息交じりに「今日も今日とて、残業する自分がいる」「今日も今日とて、ルーチンワークに明け暮れる」などと、つぶやくことはあるでしょう。

少なくとも、毎日変化の起こる現代社会においては、いくら代わり映えがしなくとも「昨日と同じ今日」は貴重でありがたいものであるのかもしれません。さて、あなたはどう思いますか?