「灰燼」の意味と使い方!灰燼に帰す・灰燼と化すや類語も解説

読み方が難しい「灰燼」(かいじん)は、日常会話やビジネスで頻繁に使われることが少なく、使い方が分からないという方は多いのではないでしょうか?今回はそんな「灰燼」について例文や類語、そして「灰燼」と「灰塵」の違いも含め詳しく解説します。「灰燼」はどちらかというと文語です。文章の読み書きに困らないよう覚えましょう。

「灰燼」とは?

「灰燼」の読み方は「かいじん」

「灰燼」は、「灰」を「はい」と訓読みする「はいじん」と間違われることがありますが、正しい読み方は「かいじん」または「かいしん」です。「かいしん」という読み方は古い表現で、現在ではほとんど「かいじん」と読まれています。

「灰燼」の意味は「灰と燃え殻」

「灰燼」(かいじん)の意味は、「灰と燃え殻」です。比喩的に“形のないものを失ってしまった”ではなく、現実的に“形のあるものが灰と燃え殻になってしまった状態(跡形もなく焼けた)”を表しています。

「灰燼」と「灰塵」はほぼ同じ意味

「灰塵(かいじん)」の読み方は「灰燼(かいじん)」と同じです。意味も非常に似ていて、“灰と塵(ちり)のように跡形もなく砕けてしまった状態”を意味します。「灰塵」の場合は「灰燼」と違い、「取るに足らないもの」や「価値がないもの」と比喩的な表現で使う方が一般的です。

「灰燼」は慣用句で使う

「灰燼」は単体でというより、これから紹介する「灰燼に帰す」や「灰燼と化す」など慣用句で使うことが多いです。かしこまった表現なので、口語的に使われることはほとんどありません。

「灰燼に帰す」の意味と使い方

「灰燼に帰す」の意味は「すべて燃え尽きてしまうこと」

「灰燼と帰す(かいじんときす)」は、“原形をとどめないほど跡形もなく焼けてしまった状態”を意味します。単語「灰燼」と同じように比喩表現はなく、焼けたその状態そのままを表しています。

「灰燼に帰す」の例文

●この前の火災で歴史的な建物が灰燼に帰した
●タバコのポイ捨てが原因でアパートが灰燼に帰した
●木造の建物が多かった時代は、火災のたびに家が灰燼に帰した

「灰燼と化す」の意味と使い方

「灰燼と化す」の意味は「物事が完全に消滅すること」

「灰燼と化す(かいじんとかす)」は、今まで物事に向けてたきた努力や苦労が完全に消滅する、つまり“台無し”になってしまうことを意味します。単語「灰燼」で使うときと違い、比喩表現でも使われます。

「灰燼と化す」の例文

●灰燼と化すことを恐れていては前に進めない
●たった一夜にして、準備していた舞台が灰燼と化した
●昔この街は灰燼と化したが、今ではこんなに発展している

「灰燼」の類語表現

「灰燼」の類語は「焦土」と「水泡に帰す」

「焦土」の意味は「焼け野原」

「焦土(しょうど)」は、建物や草木などがすっかり焼けて黒くなった土地「焼け野原」を意味します。「焦土と化す」という慣用句で使うことが多く、その意味は「灰燼」とほぼ同じの「すべてが焼け落ちて跡形もない状態」です。

●このまま放っておけば、この土地は焦土と化すだろう
●帰ってきた我が家は焦土と化し、昔の面影はどこにもなかった
●もし東京が焦土と化したら、国は混乱に陥るだろう

「水泡に帰す」の意味は「努力が泡のよう消える」

「水泡に帰す(すいほうにきす)」は、水の泡のように消えてしまう状態を表すことから「せっかくの努力が無駄になってしまうこと」を意味します。「水泡に帰す」は“消滅する”という意味合いを持つ「灰燼と化す」と同じように使います。

●ささいなことで今までの苦労が水泡に帰すこともある
●これまでの計画がすべて水泡に帰した
●1年間積み重ねてきた努力がここにきて水泡に帰した

「灰燼」の英語表現

「灰燼」の英語表現は「ash」

「灰燼」の英語表現は、“灰”や“燃え殻”を意味する「ash」が適切です。名詞「ash」を複数系の「ashes」にすることで「灰燼」と翻訳されます。慣用句「灰燼に帰す」と使いたい場合は、“ある状態に変える”という意味を持つ動詞「reduce」を使い「to be reduced to ashes」と表現します。

英語表現「灰燼(ash)」の例文

●”The house was reduced to ashes.”
「家が灰燼と帰した」

●”It was from the ashes that the present Japan rose.”
「現在の日本は灰燼の中から立ち上がったのである」

●”The precious treasure is reduced to ashes.”
「大切な宝物が灰燼に帰す」

まとめ

「灰燼(かいじん)」は、単語で使うか慣用句として使うかによって若干ニュアンスが変わってきます。“形があるもの”がなくなるのか、それとも“形のないもの”がなくなるのかによって使い分けましょう。

「灰燼」はかしこまった表現なので、日常的に使うことは少ないと思います。しかし、本を読んだり文章を書くときに登場することがあるので覚えておくと便利です。