「場末」の意味とは?失礼にならない正しい使い方や類語も解説

「場末のスナック」や「場末の酒場」など、時々耳にする「場末」という言葉。なんとなく寂しいイメージを抱く方が多いと思いますが、正しい意味をご存知でしょうか。実は「場末」は、使い方によっては、相手に失礼になる言葉です。今回は「場末」の意味や正しい使い方を紹介します。

「場末」とは?

「場末」の意味は”繁華街の中心から離れた場所”

「場末」の意味は、”繁華街の中心から離れた場所都心から離れた場所“です。「繁華街の中心」や「都心」などの、にぎやかな場所から少し離れた場所を指す言葉で、「町はずれ」ということもあります。

具体的に、どこからどこまでが「場末」とするのかについて決まっている言葉ではありませんが、「中心ではない」ということは確かです。

「場末」の読み方は”ばすえ”

「場末」の読み方は“ばすえ”です。まれに当て字として「ばまつ」や「さいご」、「おわり」などと読まれることもありますが、正しくは「ばすえ」です。

「場」は、基本的には「場所」を表している漢字ですが、「場がしらける」のように「雰囲気」を表すこともありますし、「話合いの場を用意する」のように「機会」を表すこともあります。

「末」は、「先端」や「末端」など「端」を指す漢字ですが、「今月の末」のように期間の「終わり頃」を指すこともありますし、「行く末を心配する」のように「将来」を表すこともあります。

「場末」で伝えるイメージは”落ちぶれた感・なつかしさ”

「場末」という言葉は、「繁華街の中心から離れた場所」という事実を伝えるだけでなく、「場末」という言葉から感じる何らかのイメージを伝えたいときに使われることが多いです。使う場面によって伝えたいイメージは異なりますので、前後の文章から読み取ることも必要になってきます。

「場末」で伝えられるイメージとしては、にぎやかな中心地から離れていて「静か」なことや「落ち着ける場所」であることがあげられます。

また、時代や流行の最先端から離れていて「落ちぶれてしまった感じ」を伝える場面もありますし、少し前の流行を残していることから「なつかしさを伝える場所」であると伝えることもあります。

「場末」の使い方・注意点とは?

「場末」にはポジティブな意味とネガティブな意味がある

「場末」のイメージでもお伝えしましたが、「場末」には以下のようなイメージがあります。

  • 落ち着ける場所や雰囲気
  • なつかしさを感じる場所や雰囲気
  • 古めかしさ
  • 落ちぶれた感じ
  • 粗末な環境や場所

「場末」には、「落ち着ける」「なつかしい」などのポジティブなイメージもありますが、「落ちぶれた感じ」「粗末な環境や場所」などのネガティブなイメージもあります。

どちらかというとネガティブなイメージで使われることが多いので、使うタイミングには気をつけなければなりません。

「場末」を他人に対して使うのは失礼になる

「場末」は、ネガティブなイメージで使われることが多いので、他人に対して使う場合は気をつけなければ失礼になってしまいます。

例えば、「場末のバー」は「落ちぶれたバー」「粗末な環境のバー」という意味を含んでしまいます。バーの経営者や店舗の人に対して、「場末のバー」ということは、失礼ですのでやめた方がよいでしょう。

「場末」は場所以外にも使われる

「場末」の意味は「繁華街の中心から離れた場所」ですので、多くの場合は「場所」を指します。例えば「場末のスナック」「場末の酒場」「場末のバー」などです。しかし、状況によっては「場末の女」や「場末のホステス」など、人に対して使うこともあります。

「場末の女」や「場末のホステス」は、場末にいるような女性やホステスという意味で、繁華街の中心や都心にある最先端の流行からは少し離れているというイメージです。

繁華街の中心のホステスや、都心の女性よりも「落ちぶれた感じ」がするという意味ですので、直接伝えては失礼になる言葉です。

「場末」の類語とは?

「場末」の類語は”郊外・路地裏”

「場末」の類語は“郊外”“路地裏”です。「郊外」は「都市に隣接している場所」のことを指しており、「都心から離れた場所」という「場末」と似た意味の言葉です。

また、「路地裏」は「表通りに面していない通り」のことを指しており、繁華街の大通りから少し逸れた小さな道などを指しています。「繁華街の中心から離れた場所」という意味の「場末」の類語です。

「場末」という言い方をすると、相手に失礼になってしまうこともありますので、「郊外のバー」など言い換えて使うとよいでしょう。

まとめ

「場末」とは、「繁華街の中心から離れた場所」や「都心から離れた場所」という意味の言葉です。「場末」を使う時には、「古めかしい」「落ちぶれている」などのネガティブなイメージを伝えることが多いため、使う場面に気をつけなければ相手に失礼になります。「にぎやかな場所から少し離れた場所にある」ということを伝えたい場合は、「場末」よりも「郊外」などの類語で言い換えるとよいでしょう。