「頭打ち」の意味とは?使い方や類語・対義語を例文つきで紹介

「頭打ち」は金融業界や経済用語として使われることが多く、ビジネス用語としては知っておくべき言葉の1つです。今回はその「頭打ち」について、意味から使い方、そして言い換えで使えるような類語から対義語まで詳しく解説します。それに加えて、専門的な場面で登場するバイク用語や音楽用語としての「頭打ち」も合わせて紹介していきます。

「頭打ち」の意味とは?

「頭打ち」の意味は”物事が限界に達する”

「頭打ち」の意味は、“物事が限界に達する”です。「あたまうち」と読みます。市場(マーケット)的には相場が伸び悩んでいる状態や上昇力の低下を表し、相場が上がり切ってしまった場合、または発展途中に何か問題が起こった場合に使われます。

「頭打ち」の意味:バイク用語で使う場合

「頭打ち」は金融業界だけではなくバイク用語としても使われます。その場合は“エンジンの回転数の上限値”、つまり「スピードが上がり切っている状態」を意味します。

「頭打ち」の意味:音楽用語で使う場合

「頭打ち」は音楽用語としても使われます。をの場合は「ドラムのリズムパターン」を意味し、拍の頭に1拍ずつスネアを叩くことを表しています。

「頭打ち」の使い方と例文とは?

「頭打ち」は”~の状態になる”の意味を持つ動詞と併せて使う

「頭打ち」を使う時は、「頭打ちとなる」のように「〜の状態になる」の意味を持つ動詞と併せて使います。また、「頭打ち状態」と1つの単語にまとめて用いることもできます。

「頭打ち」を使った例文

「頭打ち」を使った例文をご紹介しましょう。

●頭打ちとなる海外市場
●私たちの給料が3月に頭打ちになった
●来年以降、市場規模が頭打ちになるだろう
●離婚率は、そのうち頭打ちになるに違いない
●あの会社の求人募集はすでに頭打ち状態だ

「頭打ち」の類語と対義語とは?

「頭打ち」の類語は”横ばい状態・足踏み状態・停滞気味”

「頭打ち」の類語はたくさんあります。今回はその中で、ビジネスに使う機会が多い言葉をピックアップしました。

「横ばい状態」の意味は「数値に変動がない」

「横ばい状態(よこばいじょうたい)」は、「一定の水準のままであること」を意味します。「頭打ち」の“上昇し切ってしまった状態”ではないが“変化もない状況”を表し、物価や売上、利益などの上下変動がないまま推移しているときに使います。

●人気商品だったはずだか、今では横ばい状態が続いている
●横ばい状態である株価が、今後どう動くのか興味深い

「足踏み状態」の意味は「停滞中」

「足踏み状態(あしぶみじょうたい)」は、経済状態やビジネス交渉、または景気に進展がなく停滞中であることを意味します。こちらも「頭打ち」のように上昇し切ってはいないが、物事が変化していない状況を表しています。

●今朝のニュースで、景気が足踏み状態であると報じられていた
●あれからずっと交渉を続けているが、一向に足踏み状態で先に進めない

「停滞気味」の意味は「物事が進まない」

「停滞気味(ていたいぎみ)」は、物事が順調に進んでいないことを意味します。「頭打ち」の“上を目指していた”というニュアンスよりも、今ある状況の変化のなさを表しています。「停滞気味」は「1箇所にとどまり動きがない」という意味もあり、天気予報などでも頻繁に使われています。

●停滞気味の関係に嫌気がさした
●関西地方で台風が停滞気味らしい

「頭打ち」の対義語は”順調・順風満帆”

「順調(じゅんちょう)」の意味は「物事が予定通り進んいる」

「順調(じゅんちょう)」は「頭打ち」の変化がない様子の逆で、物事が何の障害もなく調子よく進んでいることを意味します。金融業界に関わらず、日常のあらゆる物事の変化に対し使うことができます。

●去年からずっと計画していたことが順調に進んでいる
●我が社は順調に売り上げを伸ばしている

「順風満帆」の意味は「物事が順調に進行している」

「順風満帆(じゅんぷうまんぱん)」は、「順調」と非常に似た意味を持つ四字熟語です。追い風を帆で受け舟が進んでいくさまが語源となり誕生しました。「順調」よりも勢いよく進んでいるニュアンスがあり、「頭打ち」とは真逆の様子を表しています。

●去年から何もかもが順風満帆である
●ありがたいことに、順風満帆な人生を歩んでいる

「頭打ち」の英語表現とは?

「頭打ち」の英語表現は”reach the ceiling”

金融業界の「頭打ち」を英語表現する場合は、“ある状態に達する”という意味を持つ「reach」と、“賃金や価格が最高限度である”を意味する「ceiling」を用いた「reach the ceiling」が適切です。

英語表現「頭打ち(reach)」の例文

英語表現「頭打ち(reach)」を使った例文をご紹介しましょう。

●「僕の給料が頭打ちになっているみたいだ」
“My salary has reached the ceiling for my grade.

●「新規求人は頭打ちである」
“The number of newly available jobs has reached the ceiling.”

●「相場が昨年6月で頭打ちになった」
“The stock market reached the ceiling in June last year.”

まとめ

「頭打ち」は、相場や価格などが上昇し切って変化がないさまを表す金融業界では高い確率で使用する言葉です。曖昧なままだと仕事に支障が出る恐れもあるので、しっかりと理解しておく必要があります。また今回紹介した類語や対義語も「頭打ち」と同じくビジネス用語として使用頻度が高いので、場面によって使い分けられるよう覚えておきましょう。