「されている」の意味とは?敬語・受け身の用法や類語と例文も解説

「されている」という言葉が持つ2つの役割を知っていますか?今回は「されている」の意味や使い方などについて解説します。受け身としての「されている」、敬語としての「されている」など、言葉の役割を意識するだけで「されている」が正しく使えるようになりますよ。この機会に「されている」をマスターしましょう。



「されている」の意味は主に2つ

日本語の文法的な受け身としての「されている」

「されている」という言葉には、主に2つの意味があります。まず1つ目は「誰か(または何か)が、その形や状況を作り出している」という意味です。

「この本に記載されている」「用意されている車」などと使われ、文法的には「受け身」の形を作り出します。ニュアンスとしては、自分以外の人や物事によって現状ができあがっているという状態で、「誰が」「何によって」という原因の部分については特に言葉にされないことも多い用法です。

敬語としての「されている」

「されている」の2つ目の意味は、誰かがその行為や動作を「している」というものです。この場合の「されている」は敬語として使われ、目上の方の行為や動作について用います。

「部長は出勤されている」「○○様が懇意にされている」など、いずれも「している」という言葉に言い換えられることがポイントとなります。

「されている」の用法

「~とされている」で習慣や慣習を表す

「されている」という言葉では、さまざまな状態や状況を表すことができます。「~とされている」という使い方は、それまでの習慣や慣習などを表す場合に使われる受け身です。

「この絵は有名画家が描いたとされている」「毎年会合はこの場所とされている」などとすることで、「今までもこうだった」「これまでずっとそう言われてきた(してきた)」という意味を持っています。

また「彼はプロジェクトに必要とされている」「彼がこの顧客の担当とされている」など、比較的多くの人が同じように認識している内容についても「~とされている」が使われます。

「法律で規定されている」は規定の内容を表す

「されている」が頻繁に使われるのが「何かによって決められていること」です。「法律に規定されている」「会社で規定されている」などの「されている」は受け身として使われています。

法律や規律など、何かの決まりに従うように決められている、という場合も「されている」を使うことができます。

「既にされている」は目上の人の行動を表す

「されている」は、目上の方の行動や行為に付け加えるだけで敬語として使うことができます。「社長が電話されている」「○○様がご来店されている」など名詞や動詞に「されている」を付け加えて敬語にします。

この場合に「もう~している」「~し終わっている」という完了の意味を持たせるときに使われるのが「既に~されている」です。「社長は既に電話されている」「○○様は既にご来店されている」とすれば、相手の行動が既に終わっていて、その終わった状況が現在も続いていることを表せます。

「なされている」は受け身・敬語どちらにも使える

「なされている」という言葉は「手続きがなされている」「会長が出社なされている」などと使われます。「なされている」の働きである「受け身」「敬語」のどちらの意味でも使える言葉です。

そのため「なされている」だけでは、その意味が受け身なのか敬語なのかを判断することはできません。「なされている」の前後の言葉や状況によって「なされている」の役割を判断することになります。

「愛されている」は受け身としての用法

「なされている」の使われ方として、受け身かどうかがわかりにくいものもあります。その代表が「愛されている」でしょう。「愛されている」は「されている」の部分も含めて、ある程度定型文のように使われていますが、「大事にされている」「重宝されている」などと同じ受け身としての役割で「されている」が使われています。

「されている」の使い方と類語

「されている」の謙譲語は「している」

「されている」を敬語として使ったとき、気になるのが「自分がしていることは何と言うのか」ということです。自分がしていることは「している」と言います。「している」は「されている」の謙譲語として使うことができ、自分や自分の身内の行動や行為に対して使います。

「今電話をしているところです」「出社しています」などと使うことで、「されている」の謙譲語として機能します。

「されている」と「されてる」の違いは言葉の省略

口頭での会話では、発音しにくい音が省略されることが多々あります。「そうしている」が「そうしてる」、「そうなのですね」が「そうなんですね」などです。これと同じように「されている」は「されてる」と「い」が省略されることがあります。

しかしこれはあくまでも「音の省略」なので、文字にするときは「されている」と書くのが正しいです。口頭でも「されてる」だと少しフランクな印象となるため、ビジネスの場などでは意識的に「い」を発音して「されている」とした方がビジネス感を出すことができます。

「なさっている」で丁寧な敬語に

「されている」は敬語としての役割もしますが、ビジネスの場などもっと丁寧な表現をしたい場合は「なさっている」を使ってみましょう。目上の方の行為や行動に「なさる」「なさっている」「なさった」などを付けるだけでビジネス感のある言葉とすることができます。

「○○様が検討なさっている」などとすると、「なさっている」の部分だけで相手への敬意を表すことができるので「ご検討」と丁寧語にする必要もありません。

「している」はシンプルな表現

自分や自分の身内の行為や行動だけでなく、自分以外の人の行動を表すときには「されている」を「している」という言葉に言い換えることもできます。

「している」は敬語ではないので、目上の方へは使いませんが第三者として、状況をシンプルに説明するときなどには適しているでしょう。「部長がしている時計」「会長がしている活動」など、その本人が目の前に居ない場合の会話や、同僚や部下などの行動・行為を表すときには「している」が使えます。

「されている」を使ったメール例文

  • 「弊社で規定されている条件を満たしています」
  • 「ご検討されているのはどちらの商品でしょうか」
  • 「この作品は初代社長によるものとされています」

まとめ

「されている」という言葉は使える用途が多く、意識しないと多用してしまいがちです。「されている」を使うときには「誰に・何にそうさせられているのか」、または「敬語としての役割で使えているのか」ということを考えてみると良いでしょう。「されている」を正しく使うことができれば、スマートでビジネス感のある会話にすることができるかもしれません。