「がございます」の意味と用法!「があります」との違いも解説

「がございます」と「でござます」「があります」がどう違うかわかりますか?今回は普段何気なく使っている「がございます」という言葉の意味や正しい使い方、似ている言葉との違いなどについて解説します。ビジネスで良く使われる例文もご紹介しますので、この機会に「がございます」の使い方をマスターしてみてください。



「がございます」の意味と種類

「がございます」とは「があります」という意味

ビジネスの場やフォーマルな場所で良く使われる「~がございます」という言葉は、相手に対して丁寧な印象を持ってもらうことができます。この「がございます」は、基本的には「~があります」という意味です。そこにある何かの存在を、相手に示したり伝えたりするときに「~がございます」を使います。

「がございます」と「があります」の違い

「がございます」の原型は「があります」です。「がございます」と「があります」は同じ意味で、違いがあるとすれば「相手に対する敬意」「丁寧さ」です。「があります」よりも「がございます」の方が丁寧で、相手に対する敬意を込めることができます。

ビジネスの場で、目上の方や取引先の方、またはお客様などへ何かの存在を示す場合に「~がございます」を使えば、失礼なく伝えることができます。一方で「~があります」と言っても意味は伝わりますが、フランクでビジネス感のない印象となるでしょう。

「がございます」の種類は「丁寧語」

「がございます」という言葉は、丁寧な印象を持つ言葉です。一見、自分をへりくだらせる「謙譲語」のようにも見えますが、言葉の種類としては「丁寧語」に属します。「丁寧語」とは、言葉の響きを美しくすることで、相手にきれいな音の言葉を使う気遣いの言葉です。「あります」と言っても良い場面で「ございます」という丁寧語を選ぶこと自体が、マナーとも言えます。

敬語の中での「謙譲語」としても使える

「ございます」は丁寧語ですが、使う場面によっては「謙譲語」としての役割をすることもあります。たとえば「私は社員でございます」など「ございます」の直前に「名詞」が来る場合、「ございます」は丁寧語です。しかし「私からお伝えしてございます」など「して」の後に「ございます」が来る場合は「丁寧語」としてだけでなく「謙譲語」としての役割もします。

このように「ございます」は直前に来る品詞や助詞の種類によって働き方が変わることがあるので、一概に「丁寧語」「謙譲語」と判断することが難しい場合もあります。しかし、「丁寧語」も「謙譲語」も目上の人へ使って失礼になることはありません。

「がございます」の用法と類似表現

「がございます」は物や事柄について使う

「があります」は漢字で書くと「が有ります」となり、主に「物」「事柄」を指します。「あります」には「在ります」と書く「人」の存在を示す言葉もありますが、「あります」の前の助詞が「が」の場合は、「がございます」「があります」を使って「人」を指すことはありません。

人を表す指す場合の「在ります」は「~でございます」と、直前に「で」を使うことになります。「私は○○でございます」「弊社部長の○○でございます」など、相手に対して自分や自分の身内を紹介する場合などに使われます。

ちなみに、目上の方やお客様などを指す場合は、敬語の「いらっしゃいます」を使って、「こちらが○○様でいらっしゃいます」「○○様でいらっしゃいますか?」などとします。

「にございます」は人も物もの示す

「がございます」と似た言葉に「にございます」があります。「にございます」には2つの意味があります。1つ目は「私が○○にございます」など、自分や自分の身内(人)を指す場合です。「~でございます」に比べると、やや古風な言い回しで改まった印象を与えます。

2つ目は物の場所を指す場合です。「商品は倉庫にございます」など物がどこにあるかということを示すことができます。

「でございます」は「です」

「がございます」と似た言葉の中に「でございます」もあります。「でございます」は「です」という意味で、人や物または事柄に使うことができます。

「私は鈴木でございます」「私の役職は課長でございます」「これが新商品でございます」など、さまざまなものを対象とします。「でございます」が使えないのは、目上の方やお客様自身についてのみです。相手には「いらっしゃる」を使い、自分や自社の人やものごとには「でございます」を使います。

「とのことでございます」は第三者の言葉

ビジネスの場で頻繁に使われるのが「とのことでございます」です。「とのこと」とは「~ということ」を丁寧にしたもので、自分と相手以外の第三者が言っていたことを指します。

「A商事としては、この内容では引き受けられないとのことでございます」など、その場はいない人が発した言葉を誰かに伝えるときに使われます。「とのことでございます」は「~とおっしゃっています」など「おっしゃる」という敬語を使って言い換えることも可能です。

ビジネスで使える「がございます」の使い方(例)

自己紹介でも使える「私は経験がございます」

「がございます」という言葉は、さまざまな場面で使うことができます。自己紹介のときなどに「私は○○の経験がございます」「私は○○を担当したことがございます」などと使うと、自分の経歴をスマートに相手へ伝えることができます。

誤りを指摘する「名前に誤りがございます」

取引先とのやり取りや、面接のときなどに、書類の誤表記を見つけることがあります。自分が誤った場合は「大変申し訳ございませんが、商品の名前に誤りがございます」、先方が誤っている場合は「恐れ入りますが、名前に誤りがあるようでございます」など、「がございます」を使って伝えることができます。

商談では「弊社よりご提案がございます」

ビジネスの商談の場などでは、丁寧かつスマートな言葉使いが好まれます。先方に何か提案をしたい場合などは「弊社よりご提案がございます」「私に良い案がございます」などと進言すると良いでしょう。「がございます」は基本的には「丁寧語」なので「提案」には「ご」を付けて「ご提案」とすることもポイントです。

会議で使える「質問がございます」

自社、取引先を問わず、会議や商談などに参加する場合、議題について質問をする場面があります。その場合も「がございます」を使うことができます。「質問がございます」と言えば、スマートな発言と受け取ってもらいやすいでしょう。この場合の「質問」は自分がすることなので、基本的には「ご質問」とする必要はありません。

目上の方を案内する「こちらにご用意がございます」

取引先の方やお客様、または目上の方などを招待する場面でも「がございます」を使うことができます。お客様を案内して、会場にお連れするときなどに「こちらにご用意がございます」などの言葉を添えるとスマートです。

他にも「朱肉はこちらにご用意がございます」「契約書はこちらにご用意がございます」など、日常的なビジネスシーンでも「こちらにご用意がございます」を使うこともできます。

相手に前向きな気持ちを伝える「大変興味がございます」

取引先からの提案に興味を持ったときや、上司からの誘いに応えるときなどに使えるのが「大変興味がございます」です。「良さそうですね」など日常的な言葉でも、興味を持っていることは伝えられますが、ビジネス感には欠けてしまいます。そんなときに「大変興味がございます」「興味深いお話です」などと受け答えをすると、相手に失礼なくこちらの興味を示すことができます。

「がございます」を使ったメールの例文

  • 「筆記用具はこちらにご用意がございますので、お持ちいただかなくても結構です」
  • 「私にはこのプロジェクトが成功するという確信がございます」
  • 「弊社部長の鈴木には、釣りの趣味がございます」
  • 「彼には知識や経験がございます」
  • 「当日は入り口に名札がございますので、胸に付けてご入場ください」

まとめ

「がございます」という言葉は、普段何気なく使われていますが、正しく使おうとすると「名詞」の後にしか使うことができず、対象は物や事柄だけ、かつへりくだる意味でしか使われません。この機会に、日常で使われている「がございます」を思い返してみて、自分の使い方が合っているかを確認してみましょう。ほんの少しの気づきが正しい言葉使いに繋がるかもしれません。