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「一挙両得」の意味と由来とは?使い方や類語を例文つきで解説

「得」という文字が入る「一挙両得」という言葉は、意味を知らない場合にも漢字を見てなんとなくポジティブな印象を受ける言葉ではないでしょうか?今回は「一挙両得」とはどのように「得」であるか言葉の意味と由来、また例文を用いた使い方を紹介します。あわせて、類語「一石二鳥」との違いや、英語での表現についても解説します。

「一挙両得」の意味と由来とは?

「一挙両得」の意味は”1つのことを行うことで2つの利益を得る”

四字熟語「一挙両得」の意味は、”1つのことを行うことによって2つの利益を得る”です。「一挙両得」の読み方は、”いっきょりょうとく”です。「一挙」は”1つの動作や行動”、「両得」は”2つの利益”という意味をそれぞれ持っています。

本来の目的を達成できただけではなく、目的外のことまでも達成できたというポジティブな言葉です。

「一挙両得」の由来は中国語の歴史書

「一挙両得」は故事成語であり、中国の歴史書「晋書」にある二頭の虎の話において登場します。

ある男が二頭の虎を退治しようとしたところ、別の男がまずは虎同士を戦わせるようにと助言を行いました。虎同士が戦うことにより一頭は勝ち一頭は負ける、つまり生き残った一頭のみを倒すことで男は二頭の虎を仕留めたことになると。このエピソードが「一挙両得」の言葉の由来となっています。

「一挙両得」の使い方と例文とは?

「一挙両得」の使い方と注意点

「一挙両得」とは、1つのことを行うことによって2つの成果を同時に得ることができたときに使う言葉です。例えば、「食事制限をしたことで痩せただけでなく肌もきれいになった」という場合には、まさに「食事制限をした」ことによる「両得」と言うことができます。

一方、2つの別々の成果を並べただけでは「一挙両得」とは言いません。先ほどの例でいうと「食事制限をして痩せた。エステに通って肌がきれいになった。」という場合には、別々の行動によって得た成果となるため、同時に成果を得たとしても「食事制限をして痩せ、エステに通って肌がきれいになった。一挙両得だ。」とはならないので、注意しましょう。

「一挙両得」を使った例文

「一挙両得」を使った例文をいくつかご紹介しましょう。

  • 仕事をしながら早朝の講座に通い続けるのは大変だったが、欲しかった資格を取得できただけでなく早起きの習慣まで身についたのは一挙両得だった。
  • 食費を節約するつもりで自炊を始めたら、いつの間にか料理が得意になっていて一挙両得とはこのことだね。
  • 頑張ってスポーツジムに通い続けたら、ダイエットに成功した上に、新しい彼氏までゲットできてまさに一挙両得!
  • ビジネス会話の教室に参加したら、英会話ができるようになっただけでなくビジネスの知識も広がることになって一挙両得だ。
  • 本屋でアルバイトをしたことがありますが、大好きな本に1日中囲まれているうえに、社販で安く本を買うこともできて一挙両得でした。

「一挙両得を目論む」「一挙両得を狙う」とも使う

「一挙両得を目論む」「一挙両得を狙う」は、同時に2つの成果を得ることをあらかじめ狙って行動する場合に使います。

  • 一挙両得を目論んだけど、失敗に終わってしまったよ。
  • 一挙両得を狙うとは、合理的な君らしいね。

「一挙両得」の類語とは?

一挙両得の類語①「一石二鳥」

「一石二鳥」は「一挙両得」と同じ意味を持っていますが、違いは言葉の由来にあります。「一挙両得」は中国の故事を、「一石二鳥」は英語のことわざ「kill two bird with one stone」をそれぞれ由来とします。

一挙両得の類語②「一挙両全・一挙両利」

「一挙両得」の類語としては「一挙両全」「一挙両利」を使うこともできます。日常生活においては聞きなれない言葉かもしれませんが、どちらも「一挙両得」と同じ「1つのことを行うことにより2つの成果を得る」という意味を持っています。

「一挙両得」の対義語とは?

対義語は四字熟語「一挙両失」

「一挙両得」の対義語は、「一挙両失」という四字熟語です。「一挙両得」が1つのことを行うことで2つの成果を得たのに対し、「一挙両失」は1つのことを行った結果、他のことまで失敗したりダメになってしまうという反対の意味を持ちます。

「虻蜂取らず」「二兎を追うものは一兎を得ず」も対義語

「一挙両得」の反対の意味を持つ言葉としては、「虻蜂取らず」「二兎を追うものは一兎を得ず」があります。

「虻蜂取らず」(あぶはちとらず)は、両方を取ろうとした結果どちらも取れなかったという意味を持つことわざです。1つの行動にとは限りませんが、欲張ると失敗するということを例えた言葉となります。

「二兎を追うものは一兎を得ず」(にとをおうものはいっとをえず)は、「二兎(二匹のうさぎ)」を捕まえようとしたら、どちらにも逃げられて捕まえることができなかったということを例えとする言葉。「虻蜂取らず」と同じく「欲張りすぎた結果何も得られなかった」という意味になります。

「一挙両得」の英語表現とは?

英語では「kill two bird with one stone

「一挙両得」を英語で表現する場合は、「kill two bird with one stone」というフレーズを使うのが適しています。

「kill two bird with one stone」は「一石二鳥」の由来となる英語のことわざ。直訳すると「石を1つ投げて2羽の鳥をしとめる」となりますが、「一石二鳥」同様「1つのことで2つの成果を得る」という意味として使います。

「serve two ends」も「一挙両得」の英語表現

「serve two ends」も「一挙両得」を英語で表現するとき使用することができます。「serve」は「働く」「務める」を意味する動詞で、「ends」は「目的」という意味を持つ「end」の複数形です。「serve two ends」は直訳すると「2つの目的を果たす」という意味となり、「一挙両得」と同様の意味となります。

まとめ

「一挙両得」は「1つの行動で2つの成果を得る」という意味を持つ言葉。少ない労力でより多くの成果を出すことは、ビジネスにおいても重要であると言えますが、「一挙両得」を目指すあまり、「一挙両失」にならないように欲張りすぎないことも大切でしょう。