「一意専心」の意味と使い方は?一心不乱との違いと類語も解説

人が一つの目的に向かってひたすらに頑張る姿。これはまさに「一意専心」と言えます。しかし、職場でのモットーや座右の銘にも選ばれる「一意専心」は、何となく意味はわかるものの、実際の使い方で困ってしまうこともあるのではないでしょうか?

ここでは「一意専心」の由来と意味、使い方と例文、「一心不乱」との違い、類語と英語表現をまとめています。この機会に、意味と使い方を習得しておきましょう。



「一意専心」の意味と由来は?

最初に「一意専心」の意味と由来を解説します。

「一意専心」の意味は「周囲に惑わされず集中すること」

「一意専心」とは「周囲に惑わされることなく、一つの目的に向かって集中をすること」です。職場でも学校でも、周りの雑音や声を気にしては、なかなか目標に辿り着くことはできないでしょう。

「一意専心」の「一意」は「一途に気持ちを注ぐこと」、「専心」は「一つの事に集中すること」を指しています。そして、この二つの言葉が組み合わさって「気を散ることなく、ひたすらに集中する様子」また「心が揺らぐことなく、一つのことに意識と気持ちを注ぐこと」を意味する四字熟語となります。つまり、わき目も触れず、一心に意識を向けて集中することこそが「一意専心」なのです。

「一意専心」には2つの由来がある

「一意専心」には2つの由来があると言われています。

一つ目は古代中国の書物「管子」で、「身体が健康で、かつ血流が安定している時、耳や目の感覚は乱れることがないため、遠くのものが近くに見える」という内容の部分です。これは「一つのことに集中できれば感覚が鋭くなる」つまり「一意専心」を表す文脈だと解釈することができます。

もう一つは「囲碁」の世界での話です。二人の弟子が名人から囲碁を学ぼうとするも、一人は相手の動きを分析しようと努力し、もう一人は窓越しを眺め話はそっちのけでした。その結果、話を聞いた弟子は囲碁の腕前を上げ、もう一人は囲碁を理解できなかったということから、一つのことに集中することの大切さを説く言葉である「一意専心」の由来ではないか、という説です。

「一意専心」の使い方と例文

続いて「一意専心」の使い方と注意点を例文と併せてみていきます。

「一心専心」は「ひたすらに集中している」時に使う

「一意専心」は、ものごとが何であろうと「ひたすらに集中している」時に使うのが適切です。スポーツでもトレーニングでも、また趣味でも仕事でも、一つのことにわき目もふらず、心を動かすことなく集中するという状況で使いましょう。

「一意専心」と「一心不乱」の違いは「覚悟を決めて邁進する点」

「一意専心」と「一心不乱」は意味の上ではとても似ている四字熟語です。しかし、あえて違いを挙げるなら、「一心不乱」は仏教用語であることでしょう。教えの中では「悟りを開くためには、一つの事に専念し、心乱すことなく邁進する覚悟が必要である」ということを説いています。

つまり「ひたすらに集中する」という点では両者は共通していますが、「一心不乱」はさらに「邁進する覚悟をもって挑む」という強い精神力の必要性を示唆していると考えられるでしょう。

「一意専心」を使った例文

それでは「一意専心」を使った例文を挙げてみます。

  • 一意専心の気持ちが無ければ、ゴールに達成することは難しい。
  • 最高の作品を作り上げるためには、一意専心の意味を忘れないことが大切だ。
  • 集中力の重要さを説いた「一意専心」を座右の銘にしているビジネスパーソンは多い。

「一意専心」の類語と対義語は?

それでは「一意専心」の類語と対義語についてみていきましょう。

「一意専心」の類語は「一生懸命」「遮二無二」

「一意専心」の類語にあたる四字熟語は「一心不乱」のほか「一生懸命」「遮二無二(しゃにむに)」、また「無二無三(むにむさん)」「一心一意(いっしんいちい)」などです。

「一生懸命」は「命をかけて物事に挑むさま」、「遮二無二」は「わき目を振らずがむしゃらになって体当たりすること」、「無二無三」は「一途にものごとをやり遂げようとすること」、そして「一心一意」は「心を一つにして一つのことに集中すること」となります。

「一意専心」の対義語は「狐疑逡巡」「右顧左眄」

「一意専心」の対義語にあたる四字熟語は、優柔不断な様子や、ものごとにためらっている様子を表す言葉と考えられます。そのため「疑い深く決断が下せない、ぐずぐずした様子」を指す「狐疑逡巡(こぎしゅんじゅん)」や、左右を何度も見たり、迷っている様子」を指す「右顧左眄(うこさべん)」が挙げらるでしょう。「右顧左眄」は同じ意味で「左眄右顧(さべんうこ)」と呼ぶこともあります。

「狐疑逡巡」も「右顧左眄」も、自分の思いとは裏腹に、周囲の意見や考えに惑わされ、結局もたもたしてしまう状況を指す言葉です。

「一意専心」は英語でどう表現する?

最後に「一意専心」の英語表現を紹介します。英語での自己紹介で長所をアピールする時や、努力の糧を主張する時に使ってみて下さい。

「一意専心」は英語で「with a single mind」

「一意専心」は英語で「一つに集中して」という意味を持つ「with single mind」や「with a concentrated mind」を使います。また、スピリチュアルなニュアンスが強い場合は、全身全霊でという意味の「with one’s whole heart」でも良いでしょう。

「一意専心」を使った英語例文

「一意専心」を使った英語例文を挙げてみます。

  • I have finished all the tasks that my boss asked me to do with a single mind.
    上司に頼まれたタスクを一意専心で終わらせた。
  • Without a concentrated mind, nothing would have been sorted out.
    一意専心の気持ちがなければ、何も片づけることはできなかっただろう。

まとめ

「一意専心」は「気を散らさず、集中してものごとに取り組む様子」を指す言葉で、ゴールや目標に向かってひたむきに進んでいく姿を表しています。

類語には「一心不乱」「一生懸命」「遮二無二」などがありますが、状況によって言い換えをすれば、よりスムーズで理解しやすい文脈になることもあるでしょう。一流のビジネスパーソンとしても「一意専心」の気持ちを忘れず、掲げた目標や理想を叶えられるよう集中して仕事に取り組んでいきたいものですね。

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某私立大経営学部卒、大手旅行会社、商社を経て、豪州へ移住。米国PCメーカーのカスタマー部に勤務後、カンガルーやエミューのいるNSW州の片田舎で生活を開始。田舎暮らしをきっかけにフリーランス(ライター・翻訳)に転身し現在に至る。趣味はゴルフ、料理、ローカルとのゴシップ、キャンプ。