「セルフマネジメント」とは?身に着ける5つの方法とおすすめ本

どのような業種でも、どのような職種でも、自分をある程度コントロールしながら仕事に従事することは大切なことです。もちろん、社会人になれば、時には無理難題にぶつかることもあるでしょう。

ここでは社会人に必須のスキルの一つ「セルフマネジメント」について、言葉の理論と意味、セルフマネジメントができる人とできない人の特徴、「セルフマネジメント」の身に着け方、そしておすすめ本を紹介していす。仕事を楽しく自分の裁量でこなしてみませんか?

「セルフマネジメント」とは?

「セルフマネジメント」は理論的に「自己管理」を指す

「セルフマネジメント」の意味は、「自己管理」や「自立」です。英語の「self management」のことです。理論的には「感情のコントロール」を含め、「スケジュール管理」や「自立した行動」、また「肉体的、精神的な安定の維持」などの総合的な管理を指しています。

「セルフマネジメント」は企業に必要な要素

「セルフマネジメント」は仕事をスムーズに滞りなく遂行するために必要なスキルです。自分を律して、自己の能力を最大限に生かすことで、仕事の効率化が目指すことができますが、企業にとって最適な行動を自ら考え行動することは、生産性の向上や業務の効率化に欠かせない要素です。

人が作り上げる企業であるからこそ、「セルフマネジメント」の重要さは膨大であると言えます。逆に「セルフマネジメント」がなくては企業における業務の歯車も速度を弱めていってしまうでしょう。「セルフマネジメント」は企業に必要な要素であることを認識し、社員教育の一環としても取り入れるべきだと考えられます。

「セルフマネジメント」は研修で学べる

「セルフマネジメント」の能力を強化するための手段で最もポピュラーなのが、「セルフマネジメント」の研修に参加することです。参加のメリットは正しい知識を習得しながら、職場での実践方法も交えてトレーニングを進めてくれるところでしょう。

研修の対象となるのは「コミュニケーションが苦手な人」「受け身がちな人」「後輩を指導する立場にある人」また「管理職を目指している人」などが挙げられます。研修で、それぞれの目的や課題をベースに適切な「セルフマネジメント」のスキルを高めることができれば、個人の持つ能力を最大限に活かすことも可能だと言えます。

「セルフマネジメント」を身に着ける5つの方法

「セルフマネジメント」を身に着ける5つの方法を紹介します。

方法①自分の仕事と目標を理解する

社会人になってから年数の浅い人は、所属された部署でどのように自分の力を発揮したらよいか戸惑うこともあるでしょう。「セルフマネジメント」は、昨今、社会人に必要なスキルとして定着していますが、あくまで背伸びをせず、自分の裁量で効果的に仕事を回すことが基本となります。

まず最初に「自分が携わる業務」についての理解を深めましょう。「自分の業務における役割とゴール」、またプロジェクトに参加している時は「自分に期待されている成果」などを頭に入れることが大切です。

方法②かかる日程とスケジュールを確認にする

「自分に課された業務」について理解を深めたら、ゴールまでにかかる日程とスケジュールの詳細を確認しましょう。業務を遂行する上で予想できる負の事態を考慮しながら、必要なバックアップやトラブルシューティングなどを準備しておきます。

スケジュールには時間的な余裕を多少もって、一日ごと、一週間ごとの予定を決めるようにし、自分の業務やタスクに携わる人の予定も、おおよそ認識しておくようにします。

方法③できないことを明確にしておく

「セルフマネジメント」のスキルを身に着けるためには、自分にできない業務や、時間的に厳しい依頼についても明確にしておく必要があります。なぜなら、もとから不可能な仕事を引き受けてしまうほど、リスクの高い仕事の仕方はないからです。のちのちトラブルになるような行動はできるだけ避けるようにし、企業や組織にとって「最適」な行動だけをはじき出すように心がけて下さい。

ぜひ「できないこと」を明確にすることで、「できること」への効率化が促進させましょう。もちろん、鼻から「これはできない」「あれはできない」と弱腰になるのではなく、技術的、論理的、また時間的にできないことは、はっきり相手に伝えることが大切です。

方法④自分で考え行動する癖をつける

「仕事をさせられている」という意識と「仕事を自らこなしている」という意識では、全体的な仕事の効率に雲泥の差が生まれてきます。一旦業務についたら、受け身の姿勢を忘れ、「自ら仕事をこなしている」という自発的な気持ちに切り替えるようにしましょう。

自分が企業や組織の一員として業務を受け持っているという自信と誇りを持つことができれば、「自分で考え行動する」という習慣も生まれてきます。

方法⑤時間の使い方を常に意識する

社会人にとって「タイムマネジメント」は重要なスキルの一つです。業務における時間の使い方を意識し、できるだけ無駄のないようにタスクを裁いていくことができれば、ストレスを感じることも少なくなり、むしろ仕事が楽しくなっていきます。

たとえば、複数のタスクを抱えている人は、頭のさえている午前中に細かいスケジュール調整をし、ランチの後、体力をつけてから外回りや取引先の訪問をする人もいるでしょう。仕事に携わる関係者のスケジュールに合わせながら、時間的な効率を考えるようにすると「セルマネジメント」の能力はメキメキとついてきます。

「セルフマネジメント」ができる人とできない人の特徴とは?

「セルフマネジメント」ができる人とできない人の特徴をそれぞれ挙げてみましょう。自分に当てはまる点があるかチェックしてみて下さい。

「セルフマネジメント」ができる人はこんな人

「セルフマネジメント」の能力がある人の特徴を以下に挙げてみます。

  • 周囲に惑わされることなく、業務に集中することができる
  • 状況に応じた適切な対応と判断をすることができる
  • 業務内容にかかわらず、高パフォーマンスが実践できる
  • スケジュールを立て、ゴールに向けて着実に行動できる

「セルフマネジメント」ができない人はこんな人

一方、「セルフマネジメント」が苦手な人にはこのような特徴が見られます。

  • 周囲に影響されやすく、必要以上にストレスを抱える傾向にある
  • 感情やモチベーションを上手にコントロールすることができない
  • 主体性に欠け、何でも受け身な姿勢である
  • 自分でものごとを考え行動することができない

筆者おすすめ!「セルフマネジメント」が学べるベスト本3選

社会人になったら楽しく効果的に仕事をこなしていきたいものです。最後に「セルフマネジメント」を習得するためのおすすめ本を3つ紹介しましょう。

人生を変える行動科学セルフマネジメント

行動科学の一つでもある「セルフマネジメント」を、実際のマインド設定や行動の仕方を挙げて紹介しています。「セルフマネジメント」で大切なのは「行動へのフォーカス」であることや、一日何時間「変わりたい」と願うより、一日たった5分の「行動」で人生が変わる、ということをズバリ説いたおすすめ本です。

セルフマネジメント(ナーシング・グラフィカー成人看護学(3))

「セルフマネジメント」を看護の観点からとらえた一冊。自宅で療養を受ける患者を支える看護師や家族向けに、在宅看護で必要な知識と考え方を中心にまとめています。感情や患者に対する接し方のコントロールを含め、看護における総合的な「セルフマネジメント」のあり方が学べます。「看護に行き詰った」「コミュニケーションが思うようにいかない」などの課題解消に役立ててみて下さい。

原田隆史監修 目標達成ノート STAR PLANNER

「セルフマネジメント」を実際のツールを使って勉強したい人におすすめの一冊です。自律型のセルフマネジメントを軸にモチベーションを高めながら「成功する習慣」を身に着けていきましょう。プロ野球の大谷選手が成功をつかむために使ったツール「オープンウィンドウ64」付きです。

まとめ

「セルフマネジメント」は「自己管理」や「自立」のことで、企業や組織に欠かせないスキルの一つです。業務効率を上げ、仕事を滞りなく進めて行くためには、感情のコントロールを含め、フィジカル面やメンタル面で安定を維持する必要があります。

しかし、「セルフマネジメント」は自分を完全に抑えて「セルフコントロール」することではありません。業務内容やゴールを理解し、自分の能力を最大限に生かすことが最も大切であり、また自分の裁量で楽しく仕事をこなしていくことこそが「セルフマネジメント」の醍醐味と言えるでしょう。