「暗中模索」の意味とは?使い方や類語・対義語についても解説

会話や文章の中に出てくる「暗中模索」という言葉をどのように理解していますか?今回は「暗中模索」という四字熟語の意味や使い方について解説します。「暗中模索」と意味を混同しやすい「五里霧中」についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。



「暗中模索」の意味と読み方とは

「暗中模索」は「探りながら試す」

「暗中模索」は「あんちゅうもさく」と読みます。意味は「物事の解決方法をいろいろと探りながら試す」という意味です。

自分がある物事について解決しようとしたとき、その解決方法がわからず、まるで暗闇の中で手探りをするように、さまざまな解決法を試すことを指しています。思い当たることを次々と試しながら、目指す問題の解決へと向かっていく様子を「暗中模索」という四字熟語で表すことができるのです。

「暗中模索」の語源と由来

「暗中模索」という言葉は中国の「暗中摸索著亦可識之」という言葉が元と言われています。この言葉は唐の時代に書かれた「隋唐嘉話(ずいとうかわ)」にあるもので、「許敬宗(きょけいそう)」という政治家の行いについての言葉です。

許敬宗はそのおごった性格から、自分の周りにいる人の名前を覚えようともしませんでした。そのことを許敬宗に注意した人が「相手が偉い人であれば、あなたも暗中を模索するように必死で思いだそうとするのでしょう」と言った言葉が「暗中模索」という言葉で「隋唐嘉話(ずいとうかわ)」という文に残されています。

「暗中模索」の正しい使い方

「暗中模索」はネガティブな状況をポジティブに表す

「暗中模索」という言葉は、一概にはポジティブな意味、ネガティブな意味、とは言い切れません。

「暗い中で手探りをするように」という状況は、「暗中模索をしている当人」にとっては、比較的ネガティブと感じることが多いでしょう。しかし、「そんな状況でも何とか解決策を見出そうとしている」という行動や思考は、考えようによってはポジティブな状態とも言えます。

目上の人の行動に「暗中模索」は使わない

「暗中模索」をポジティブなニュアンスで受け止めている場合、自分以外の人の行動や思考に「暗中模索」という言葉を使いたくなるかもしれません。しかし、先にお伝えしたように「暗中模索」は当人の「もがぎながら解決策を探している今の時点」においては、決して楽観できるものではない可能性もあります。

そのため、目上の人が解決策を求めて努力する様子を、安易に「暗中模索」という言葉で表すと、相手によっては失礼になるかもしれません。「お力を尽くされている」「諦めずに奔走されている」など、別の言葉に置き換えた方が良いでしょう。

自分の行動に「暗中模索」を使うのは自虐にも

「暗中模索」という言葉は、自分自身が置かれている状況も表すこともできます。ただし、自分のことを指す「暗中模索」には、やや自虐的なニュアンスも含まれやすいことを知っておきましょう。

「私は今まさに、暗中模索です」などと言うことで、真っ暗な中を何とか手探りしながら頑張っています、という意味になります。傍から見れば「正しい方向に向かっている」という場合でも、自分で「暗中模索の状況」と言うことでわずかな自虐、あるいは謙遜の意味としても伝えることができるでしょう。

「暗中模索」を使った例文

  • 「確かに行き詰まってはいるが、諦めたわけではない、暗中模索しているところだ」
  • 「彼は暗中模索したことで、ついに目的を達成する方法を見出した」
  • 「部下が暗中模索する様子を見守ろうと思う」
  • 「私は暗中模索しながら、毎日を過ごしている」
  • 「暗中模索の言葉通り、まさに手探りで解決にたどり着こうとしているよ」

「暗中模索」の類語・対義語となる四字熟語

「暗中模索」の類語は「五里霧中」や「試行錯誤」

「暗中模索」という言葉の意味を、他の四字熟語で表すこともできます。似た意味を持っているのは「五里霧中」「試行錯誤」などでしょう。

「五里霧中」とは、「自分が現在おかれている状況がわからず、何をどうすれば良いのかわからない状態」を表す四字熟語です。「五里霧中」は霧が立ちこめた周囲が見えない状況で五里(約20㎞)進むような、解決策の見いだせない状況を指しています。「暗中模索」との違いは当事者の気持ちです。「暗中模索」は周囲が見えないながらも、前に進む気持ちが強く、「五里霧中」はどうしようもない状況に立ち往生してしまうイメージです。

「試行錯誤」は「暗中模索」と非常に似ている言葉です。当事者の心構えもほぼ同じで「さまざまな方法を、失敗を繰り返しながらも試し続ける」という意味があります。

「暗中模索」の対義語は「明々白々」や「一目瞭然」

「暗中模索」は「解決法を探しながらも、何とか進んでいく様子」を表します。対義語は「明々白々」「一目瞭然」などです。

「明々白々」とは「物事が明らか」という意味の「明白」という言葉を重ねることで「明白よりもさらに明らかな状態」を表します。「どうすれば良いのかは明々白々だ」などと使い、自分や相手が進むべき方向がはっきりとしている、という意味で使われます。

「一目瞭然」も「明々白々」と同じように、「状況や状態は、一目見れば分かる」という意味です。「この状況を見れば一目瞭然だ」などと使い、いとも簡単に状況や解決策が見いだせるという意味を持っています。

「暗中模索」の英語表現

「暗中模索」は英語で「grope in the dark」

「暗中模索」という四字熟語は中国語が元になった日本語です。そのため、英語に訳すときは「grope in the dark」という直訳に近い言葉となります。「grope」とは動詞で「手探りする」「模索する」という意味で、「暗闇の中で手探りするように探す」と訳します。

実際の会話でも「grope in the dark」という表現は使われていて、日本語に訳す場合は「暗中模索」とされていることがほとんどです。

まとめ

「暗中模索」という言葉は、自分や自分以外の人が「手探りをしながらも前に進む」という状態を表す言葉です。当人にとっては苦しく、過酷に感じる状況でも、周囲の人から見れば「頑張っているな」「きっと上手く行くのだろうな」と、前向きに捉えられていることが多い言葉と言えるでしょう。「暗中模索」という言葉を的確に使って、その人が邁進する様子を正しく表しましょう。