仕事では「臨機応変な対応が必要」と言われることがあります。この「臨機応変」の正しい意味をご存知でしょうか。今回は、「臨機応変」の意味や具体例を紹介します。もしかすると「臨機応変な対応ができる」と自己PRが必要になる場面があるかもしれません。正しい使い方を知って具体的な場面を想像しておきましょう。
「臨機応変」とは?
「臨機応変」の意味は”状況に適切に対応すること”
四字熟語「臨機応変」の意味は、“その場の状況に応じて適切に対応したり、適切な手段を選ぶこと”です。
「臨機」は、”時と場合に合わせて適切な対応をすること”という意味で、「応変」は、”突発的な出来事に対して適切に対応すること”という意味ですので、どちらも似た意味となっています。
「型やマニュアルに囚われないこと」を指すことも多い
「臨機応変」が使われる場面で多いのは、「マニュアル通りの対応」と比較する場面です。例えば、「接客業では臨機応変な対応が大切である」という文では、接客のマニュアルが用意されていたとしても、マニュアルに書かれていることだけでなく、それぞれのお客様に合わせた対応が大切ということを説明しています。
「臨機応変」は、型やマニュアルに囚われずに、その場の状況から適切な行動をとることを指すことが多いです。
「吾自ら機に臨みて変を制す。多言する勿れ」が語源
「臨機応変」の語源は、「南史」という中国の歴史書に書かれた「吾自ら機に臨みて変を制す。多言する勿れ。」という言葉です。
梁という国の王家の一人である蕭明の言葉とされています。蕭明が総司令官であるときに、将軍たちに対して「私は状況に合わせて、自分自身でうまくおさえることができる。だから余計なことは言うな。」と伝えました。
「臨機応変」の使い方や例文とは?
「臨機応変」は予想できない状況で使うことが多い
「臨機応変」の「応変」は、「突発的な出来事に対して適切な対応をすること」を指しているため、「臨機応変」も突発的な出来事に使われることが多い表現です。
「臨機応変な対応が必要」というのは、言い換えると「型やマニュアルに囚われない、状況に応じた対応が必要」ということです。
事前に予想できる状況であれば、型やマニュアルを用意して、間違いのない対応ができますが、予想ができないために「臨機応変な対応が必要になる」とも受け取れます。
「臨機応変」を使った例文
「臨機応変」を使った例文をご紹介しましょう。
- 接客の仕事は、お客様の要望に合わせて臨機応変な対応をすることが大切だ。
- 面接では、事前の準備だけでなく、面接官の質問に臨機応変に答えることも重要だ。
- 震災では、安全を重視して臨機応変な行動が必要である。
「臨機応変」の類語とは?
四字熟語の類語は「当意即妙」「融通無碍」
「臨機応変」と同じ四字熟語の中にも、類語があります。「当意即妙(とういそくみょう)」と「融通無碍(ゆうずうむげ)」です。
「当意即妙」は、即座にその場に合った機転を利かせることをいいます。その場の状況に合わせて対応する点が「臨機応変」と同じです。
「融通無碍」は、考えや行動が何にも囚われていないことをいいます。「臨機応変」の型やマニュアルに囚われないという点が似ている言葉です。
「ケースバイケースで」「時と場合に応じて」で言い換え
「臨機応変」をわかりやすい言葉で言い換えるときには「ケースバイケースで」や「時と場合に応じて」という類語を使うとよいでしょう。
「ケースバイケースで」と「時と場合に応じて」は、どちらも「その場の状況に合わせて」という意味で、「臨機応変」と同じように使うことができます。
「臨機応変」の対義語とは?
「臨機応変」の対義語は”杓子定規”
「臨機応変」の対義語には、「杓子定規・四角四面・堅物」などがあります。
「杓子定規」は「しゃくしじょうぎ」と読みます。どんな物事でも1つの規則にあてはめて行動しようとする、融通の利かない考え方や態度のことを言います。
状況に合わせて違う対応をする「臨機応変」とは異なり、どんな状況でも同じ考え方や態度なのが「杓子定規」です。
「臨機応変」の英語表現とは?
「臨機応変」は英語で”Act according to circumstances”
「臨機応変」を英語で表現すると“Act according to circumstances”となります。「according to」は「によって」という意味で、「circumstances」は「状況」です。直訳すると「状況によって(状況にあわせて)行動する」となります。
まとめ
「臨機応変」とは、「その場の状況に応じて適切に対応したり、適切な手段を選ぶ」という意味の言葉です。詳しく状況が予想できない突発的な出来事に対応するときに使われることが多い言葉です。同意語には「当意即妙」や「融通無碍」があり、「ケースバイケースで」や「時と場合に応じて」などと言い換えることもできます。面接の自己PRなどでも使える言葉ですので、ぜひ使ってみてください。