「リテンション」の意味とは?人事やマーケティングの施策も解説

「リテンション」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?ビジネスでは人事用語やマーケティング用語として知られていますが、「リテンション」を意識するかどうかで企業の行方が大きく変わってきます。

ここでは「リテンション」の意味を中心に、リテンションの目的や施策例を紹介しています。この機会に「心をつなぎとめておく」ことの重要さを理解しましょう。

人事的領域での「リテンション」とは?

「リテンション」の人事的な意味からみていきましょう。

意味は「優秀な社員を確保しておくこと」

人事的な領域で見る「リテンション(retention)」とは、「企業が優秀な人材を確保しておくこと」を指します。つまり、何らかの施策を持って、優秀な社員が辞めてしまわないよう自社にとどめておこうとすることです。

転職が珍しくなくなった現代では、好待遇の魅力ややりがいのある職場を求めて、現職を離れる傾向が色濃く見られます。多くの企業の問題の一つに「離職率の増加」が挙げられますが、優秀な人材が企業を離れるという危機的な状況から脱出するためにも「リテンション」を実践している企業は多くあります。

「リテンション」の目的は「高パフォーマンスの維持」

「リテンション」の目的は優秀な人材を確保することにより、業務における高パフォーマンスが維持できることです。

業種や職種にもよりますが「この仕事にこの人あり」と呼ばれる人は必ずいるでしょう。また、多くのスキルを保持し、他部署でも十分活躍できる有能な社員もいるはずです。このような社員を確保することで、生産性の向上や活気ある職場の維持、企業の総合的な成長など多くのメリットも保持することができるのです。

人事領域での施策は「ワークバランスの充実と豊かな福利厚生」

それでは、優秀な人材を自社に確保するために、どのような施策が効果的なのでしょうか?ここで必要なのは「シンプルに給料を上げる」「ボーナスを増やす」などの「金銭的」な改善策より、むしろ「非金銭的」な施策です。

例としては「ワークバランスの充実」「福利厚生の増加」などの他、「フレックスタイムの導入」「絶対評価の採用」「健全な職場環境の提供」などが挙げられます。つまり「なぜ離職してしまうのか?」という理由を探り出し、離職となる原因を改善する施策を実行することが大切なのです。

マーケティング領域での「リテンション」とは?

それでは、マーケティング領域で使われる「リテンション」にはどのような意味があるのでしょうか?概念と実施の目的、またリテンションを高める施策例を紹介します。

意味は「既存の顧客を維持すること」

マーケティングにおける「リテンション」とは、「企業や組織と既存の顧客との関係を維持すること」です。昨日は顧客であっても明日は顧客ではなくなるという状況は、販売の世界だけではなく多くの市場に起こり得る状況でもあります。

情報過多の現代では顧客のニーズは移りやすいものです。しかし、継続した関係を続けることは販売促進はもちろん、企業経営にシビアに影響してしまいます。そして、一旦失った顧客を再び得ることはとても難しく、別視点での再リサーチや顧客情報の見直しなど、新たな試練に立ち向かわなければなりません。

目的は「総コストの削減と安定的な利益の確保」

マーケティングでの「リテンション」の目的は「顧客獲得による総コストの削減」です。販売促進で最も費用がかかるのが「広告宣伝費」であり、新規で顧客を開拓するには莫大な費用がかかってしまいます。

「リテンション」は既存の顧客のニーズに対応し、求められる商品やサービスを紹介するなどして、顧客との接点をキープすることが必要となります。また、企業は顧客との接点によりコミュニケーションを活発化させることで、顧客がブランドに従事する「エンゲージメント効果」も生まれることが期待されます。

また「リテンション」が成功すれば、安定した利益を確保することもできます。つまり、先行きの売り上げの予想ができるため、販売計画や戦略が立てやすくなります。

マーケティング領域での施策は「広告のフル活用」

マーケティング領域でリテンションを高めるには、やはり「広告のフル活用」は欠かせません。フェイスブックやインスタグラムなど、顧客が興味をもって訪問する場所に、魅力的な広告や情報をたくさん盛り込んでいきましょう。

顧客が知りたい項目をつかみ、関連性の高い話題やトクする情報を定期的にアップしていきます。たとえ、他の商品が気になっていても、顧客のニーズにあった情報を提供し続ければ、顧客が離れることを最小限に抑えることができます。

「リテンション」の使い方とビジネス熟語

最後に「リテンション」という言葉の使い方とビジネス熟語について、意味と併せてまとめてみます。

「リテンション」は「保持する」の意味で広く使える

ビジネスでの「リテンション」は人事的には「優秀な人材を確保する」、またマーケティング的には「顧客が離れないように維持する」という意味で使われますが、その他にも「能力のリテンション」や「効果のリテンション」などのように、「リテンション=保持する」という意味で使われることがあります。あわせて覚えておきましょう。

「リテンションマーケティング」とは既存顧客を維持すること

「リテンションマーケティング」は、上記でも紹介したように、マーケティング領域で使われる熟語表現です。既存の顧客のニーズをつかみ維持する取り組みを「リテンションマーケティング」と呼んでいます。

「リテンション営業」「リテンション活動」とは実際の行動・戦略

「リテンション営業」「リテンション活動」は「リテンションマーケティング」に関わる実際の行動や戦略のことを指します。たとえば「リテンション営業」では顧客を訪問し、ニーズ変化の確認や企業への要望などを確認したりすることが挙げられるでしょう。常に顧客との接点を大切にし、コミュニケーションを円滑化することが「リテンション営業」「リテンション活動」の軸と言えます。

まとめ

「リテンション」は英語の「retention」のことで、人事的な意味は「優秀な人材を確保すること」、またマーケティング的な意味は「既存の顧客を確保すること」となります。

顧客離れが気になる場合は、積極的に「リテンションマーケティング」を行っていきましょう。市場には顧客を丸ごとごっそりいただこうと鋭い目が光っているため「顧客が離れるはずがない」と安心してはいけません。常に顧客の立場に立って「顧客が求めるもの」「顧客が欲しい情報は」を研究し、提供していく気構えでいきましょう。