ビジネスシーンで「不承不承ながら」というセリフに遭遇したことはありませんか?表情や前後の会話で何となく意味は把握できるかもしれませんが、正しい意味を理解しておけば、自信を持って「不承不承」という表現を会話の中で使うことができます。
ここでは「不承不承」の意味と使い方を中心に例文を使って紹介しています。早速、類語と対義語と併せて解説していきましょう。
「不承不承」とは?
「不承不承」の意味は”気が進まない状態でする”
「不承不承」の意味は、“気が進まない状態でする”です。ものごとに対して「嫌々ながらする・しぶしぶする」という意味があります。
もともと「不承」は「不承知である」という意味があり、「不承不承」と言葉を重ねることで「不承」の意味をさらに強調する表現であることがわかります。そのため、承知しがたいものごとや内容でも「やむを得ず了承せざるを得ない」というニュアンスが強い表現となります。
「不承不承」の読み方は”ふしょうぶしょう”
「不承不承」の読み方は、“ふしょうぶしょう”です。同じ言葉を繰り返した四字熟語です。「不承」は単独では”フショウ”と読みますが、「不承不承」となる時は”ふしょうふしょう”とは読みません。2回目の「ふしょう」が「ぶしょう」と濁る点だけ留意しておきましょう。
「不承不承ながら」の使い方と例文とは?
「不承不承なら」の使い方と例文について解説します。
「不承不承ながら」はビジネスでもよく使う表現
「不承不承ながら~する」はビジネスシーンでもよく使われますが、状況としては気持ちがネガティブで「気が進まない」「嫌々」であることが特徴です。
日本の職場文化には、「顔で笑って心で泣いて」という風潮がまだまだ根付いていますが、「不承不承ながら~する」という表現を相手にぶつけることで「気が乗らないこと」をストレートに認知してもらうこともできるでしょう。
逆に「不承不承なら~する」と相手に言われたら「何がどう不本意であるのか?」を理解し、今後の課題として「何が改善できるのか」考えてみる必要があるかもしれません。
「不承不承」を使ったビジネス例文
「不承不承」を使ったビジネス例文を5つ挙げてみましょう。
- A社とは付き合いが長いので、不承不承ながらも仕事を引き受けけることにした。
- 不承不承とは言いながら、最後まで任務は果たす義務はあるだろう。
- ミーティングで意見がすれ違い、同僚は不承不承に会議式を後にした。
- 不承不承な内容を記したメールであったが、相手の意図は汲み取れた。
- 自分の担当する業務ではないため、不承不承な表情が顔一面に表れていた。
どの例文も、とりあえずアクションを起こすものの、気持ちは100%満足ではない状況であることがうかがえます。「不承不承」はものごとをしぶしぶにうであることを示し、結果的には相手の意向に沿う形となることを表す時に使いましょう。
「不承不承」の類語と対義語とは?
「不承不承」と言い換えができる類語はあるのでしょうか?反対の意味を持つ対義語と併せてみてみます。
「不承不承」の類語は”心ならずも・不本意ながら”
「不承不承」の類語は”嫌々ながら・しぶしぶに・やむを得ず・仕方なく”です。他にも、「心ならずも・不本意ながら」があります。
緊迫したビジネスシーンにおいては、やや硬い表現である「不承不承ながら~する」という表現を使いますが、職場内や気軽な雰囲気での会話では「しぶしぶ~する」や「仕方なく~する」という表現の方が適切な場合もあるでしょう。
また「やむを得ず~する」という表現では、「選択の余地もなく」「したいを思ってするのではなく」というニュアンスが強くなります。状況に合わせて、類語の使い分けをしていきましょう。
「不承不承」の対義語は”唯々諾々”
「不承不承」の対義語にあたる直接の言葉はありませんが、ものごとの内容や良し悪しなどに関係なく相手の言うことに「はいはい」と従うことを意味する「唯々諾々(いいだくだく」が挙げられます。
職場の中には「唯々諾々」で仕事をしなければならないこともあることでしょう。少したりとも逆らうことなく、他人の言いなりになる状況であれば「唯々諾々と命令に従う」という表現を使うことができます。
まとめ
「不承不承」は「嫌々ながら」「気が進まない」「仕方なく」という意味のある四字熟語です。「不承不承ながら~する」「不承不承に~する」というような使い方をし、ビジネスシーンでは「気は進まないが、とりあえずする」という状況で用いられる表現となります。
職場の環境やビジネスの成り行きによっては、「不承不承」ながら「はい」と言わなければならない状況も時と場合によってはあると思います。取引先との付き合いや複雑な人間関係においては「不承不承」でものごとが進むことも多いですが、ギブアンドテイクの精神を忘れず前向きに対処していきましょう。