「茫然自失」の意味や使い方とは?類語・対義語も紹介(例文付き)

意外な出来事が起こったときの反応を表す言葉は数多くありますが、「茫然自失」は、あまりにも驚きぼんやりとしてしまう状態を表す四字熟語です。今回は「茫然自失」の意味や由来を解説します。また使い方を例文で紹介するとともに、類語や対義語・英語での表現もお伝えします。

茫然自失とは?意味や言葉の由来・語源について

「茫然自失」の意味は「予想外の出来事に驚きぼんやりとする」

「茫然自失」とは「ぼうぜんじしつ」と読む言葉。「茫然」は、「驚き呆気にとられている状態」や「気が抜けてぼんやりとしている状態」を、「自失」は「物事に気をとられ我を忘れてぼんやりとしている状態」をそれぞれ意味しています。つまり「茫然自失」は、「予想外の出来事に驚いてぼんやりとしている状態」を表す言葉となります。

「茫然自失」は中国の書物に由来

「茫然自失」は、中国の書物「列子」(れっし)を語源とする言葉です。孔子の弟子「孔門十哲」の一人「子貢」(しこう)のエピソードに由来しています。

子貢は列子が弟子に向けて説いた話を理解することができずに呆然とし、仲間弟子の「顔淵」(がんえん)が理解できたと答える様子を見たことから深く落ち込んでしまいます。真面目な性格の子貢は、自宅に戻っても食事も睡眠も取らず「茫然自失」の状態で7日間を過ごした結果やせ衰えてしまいました。心配をした顔淵が見舞いに来て話をするうちに子貢は元気を取り戻しましたが、やせ衰えるまでに我を忘れてしまった子貢の状態が「茫然自失」の由来となります。

「茫然自失」の使い方と例文

「茫然自失」をの使い方と例文を紹介します。「茫然自失」という言葉は「茫然自失となる」「茫然自失として」や「茫然自失(の)状態」など使うのが一般的です。

「茫然自失」は予想外の出来事が起こったときに使う

「茫然自失」という言葉は、ただ驚くだけではなくぼんやりしてしまうほど予想外の出来事が起こったときに使う言葉です。なんとなくでも予想していた出来事が起こったときや、予想外の出来事であっても大声を出すなどリアクションが伴う場合には使いません。

なお、自然災害が起きたとき、大きな驚きや恐怖を覚えたことでしばらくの間何も考えられない状態になることを「茫然自失期」と呼んでいます。「茫然自失期」の後「ハネムーン期」「幻滅期」と呼ばれる時期を経て、立ち直る「再建期」へと気持ちが変化していくと言われています。

「茫然自失となる」「茫然自失として」を使った例文

  • あれほど頑張って来たのだから、彼が茫然自失となるのは無理もないことだ。
  • 次期社長確実と言われていたにも関わらず、急に子会社への出向を言い渡されて茫然自失としていた私に声をかけたのは、彼女一人だった。
  • あと1ストライクで悲願のノーヒットノーランを達成する場面になってからホームランを浴びたピッチャーは、茫然自失としてしばらくの間立ち上がることができなかった。

「茫然自失状態」「茫然自失の状態」を使った例文

  • 新商品のプロモーション開始が明日からというタイミングになり飛び込んできた発売中止の知らせに、その場にいた誰もが茫然自失状態となった。
  • 後は保存するだけというところでPCがフリーズして茫然自失の状態となった。

「茫然自失」の類語・類似した表現と対義語

「茫然自失」の類語は四字熟語「瞠目結舌」

「瞠目訣舌」(どうもくけつぜつ)という言葉は「茫然自失」と近い意味を持つ言葉です。しかし「瞠目結舌」は表情に例えた表現をしている点が異なります。「瞠目」は「目を見張る」驚いた様子を、「結舌」は「舌を結び」声も出ない様子をそれぞれ例えています。

「茫然自失」と似た意味の慣用句・ことわざ

「茫然自失」と近い意味の慣用句には、「驚きのあまりすぐに言葉が出ない」の意味を持つ「言葉を失う」があります。「茫然自失」は「我を忘れぼんやりとしてしまう」の意味なので、「言葉が出ない」ことも含まれています。

「茫然自失」の漢字違い「呆然自失」

漢字違いで「呆然自失」と記述している場合もありますが、「呆然」ではなく「茫然」を使う方が「茫然自失」の意味に適しています。「呆然」という言葉は、「茫然自失」の「驚きぼんやりする」の意味とはやや異なる「呆れはてて開いた口がふさがらない」という意味を持つため、間違いではないとしても異なるニュアンスとなるためです。

「泰然自若」は「茫然自失」の反対の意味

「泰然自若」(たいぜんじじゃく)は「どんな時でも落ち着いて慌てず動じない」の意味を持つ言葉です。「茫然自若」という言葉は存在しません。茫然自失は慌てるのではなく「ぼんやりとした」状態を表しているため、「泰然自若」は「茫然自失」の意味そのものの対義語というよりは、広い意味で反対に位置しています。

「茫然自失」の英語表現

英語では「be stunned」が適している

「茫然自失」を英語で表現する場合は、「ぼうっとさせる」「唖然とさせる」の意味を持つ動詞「stun」の過去形の「be stuneed」を使うことができます。「I was stunned by(at)  the news that ○○○」とは、「私は○○○のニュースを聞いて茫然自失の状態だった」の意味になります。ただし、ネガティブな意味だけでなく「あなたの美しさに唖然とした」などポジティブな意味で使うこともあります。

「茫然自失状態」を表すときは「petrified with」を使う

「茫然自失状態」を表現する場合は、「petrified with」を使うことができます。「petrified」は、動詞「petrify」の過去形で「石化する」や「びっくりする」の意味を持ち「茫然自失状態」を表します。

まとめ

「茫然自失」とは、仕事での失敗やプライベートでの辛い出来事など、予想外の出来事が起こりぼんやりとしてしまう状態を表しています。「茫然自失」の状態から立ち直るきっかけは人によって様々ですが、顔淵が「茫然自失」状態だった子貢を立ち直らせたように、あなたの思いやりが家族や仲間を立ち直る手助けとなることがあるかもしれません。