「孤軍奮闘」の意味や使い方とは?類語・対義語と英語も紹介!

懸命に努力していることを意味する「孤軍奮闘」は、仕事やプライベートのどちらの場面においても使う機会があり、正しく意味を理解しておきたい言葉です。今回は「孤軍奮闘」の意味と由来、使い方の例文を解説します。また「孤立無援」などの類語との意味の違いや、対義語と英語での表現についても紹介します。

「孤軍奮闘」とは?

「孤軍奮闘」の意味は”ただひとりで懸命に闘う”

四字熟語「孤軍奮闘」の意味は、”味方など他からの助けがない状態で、ただひとり懸命に闘っていることや努力していること”です。読み方は、「こぐんふんとう」です。

「孤軍」と「奮闘」の組み合わせによってできた四字熟語

「孤軍奮闘」の言葉は、2つの言葉「孤軍」と「奮闘」の組み合わせによって生まれた四字熟語です。

「孤」は「ひとつ」を意味する言葉で、「孤軍」は味方の軍隊がいない孤立した状態で、敵と戦っている軍隊や軍勢のことを指しています。「奮闘」は全力で闘うことや努力することの意味を持ちます。「孤軍」と「奮闘」の言葉が組み合わさることにより「周りに味方のいない中ひとりで懸命に闘う」の意味を持つ「孤軍奮闘」の言葉となりました。

「孤軍奮闘」の使い方と例文とは?

「孤軍奮闘」はひとりで懸命に努力しているときに使う

「孤軍奮闘」という言葉は、ひとりで懸命に努力しているときに使います。

もともとひとりでやる前提のことを、ひとりだけの力で取り組んだ場合には「孤軍奮闘」の言葉は使いません。スポーツやビジネスなど本来は皆で力を合わせてやるべき事を、周りの助けや応援がない状態で、ただひとりで懸命に取り組んだときに使います。

良い意味・悪い意味どちらにも「孤軍奮闘」は使う

「孤軍奮闘」は、結果の良い悪いや前後の文脈によって、良い意味悪い意味のどちらでも使うことがある言葉です。

良い意味として使う場合には、結果が良い悪いには関わらず、ひとりで取り組んだことを肯定する表現となります。したがって悪い結果となった場合には、「孤軍奮闘したにもかかわらず」「孤軍奮闘ながらも」など逆接の言葉と合わせて使います。

悪い意味として使う場合は、「孤軍奮闘したところで」など、ひとりではどうせ無理だろうといったネガティブなニュアンスを含めた表現として使うことがあります。

「孤軍奮闘」を使った例文

「孤軍奮闘」を使った例文をご紹介しましょう。

  • 孤軍奮闘ながらも彼は確実な成果をあげた。そんな彼こそが、時期社長としてふさわしいのではないだろうか。
  • ここ数年は孤軍奮闘で頑張りビジネスを拡大してきたのだが、そろそろ手が回らなくなってきそうだよ。
  • ピッチャーがひとり孤軍奮闘し素晴らしい投球を行ったが、健闘もむなしく一回戦で敗退する結果となった。

「孤軍奮闘」の類語と対義語とは?

孤軍奮闘の類語①「孤立無援」

耳にすることも多い「孤立無援」(こりつむえん)は、「孤軍奮闘」の類語ですがやや異なるニュアンスを持つ言葉です。

「孤軍奮闘」「孤立無援」のいずれも、見方がいないただひとりで闘うという状況であることには違いはありません。しかし「孤軍奮闘」がひとりでも懸命に闘い努力しているのに対して、「孤立無援」は周りには誰も助けてくれるものがいないというネガティブな意味が強く表れている点が異なっています。

孤軍奮闘の類語②「僑軍孤進」「四面楚歌」

「僑軍孤進」(きょうぐんこしん)は、ビジネスでも日常生活でもほとんど耳にする機会がない言葉でしょう。「僑軍孤進」は、周りに助ける者がいない状態でひとり軍を進める・物事に取り組むという意味を持ち、「孤軍奮闘」とほぼ同じ意味を持っています。「僑軍」とは別の地域にいる軍隊を意味する言葉で、周りには助けがないことを表しています。

「四面楚歌」(しめんそか)という言葉は、「孤軍奮闘」同様にひとりで闘っていることを表していますが、ひとりであるだけでなく周り(四面)を敵に囲まれているというさらに絶望的な状況であることを表しています。そのため「孤軍奮闘」よりは「孤立無援」に近いニュアンスを持った言葉と言うことができます。

孤軍奮闘の対義語は「一致団結」

「孤軍奮闘」の意味そのものの対義語は存在しませんが、「一致団結」(いっだんけつ)は反対の意味を持つということができます。「一致団結」とは人々が目的のために気持ちを合わせることを意味し、味方がなくひとりで闘う「孤軍奮闘」とは反対に、複数の人が一緒に物事に対して取り組むときに使う言葉です。

「孤軍奮闘」の英語表現とは?

英語では「fight alone」が適している

「孤軍奮闘」はひとりで闘うことや努力することを意味する四字熟語ですが、「ただひとり闘う」の意味として英語で表現する場合には「fight alone」を使うのが適しています。「fight」は「戦う」の意味を持つ動詞、「alone」は一人を表す形容詞で、意味そのままに孤軍奮闘として使うことができます。

「put up a soliaty struggle」も「孤軍奮闘」の英語

「put up a soliaty struggle」というフレーズは直訳すると「ひとりでの闘い(soliaty struggle)を置く(put aup)」となります。つまり「ひとりで闘う」の意味となり、「孤軍奮闘」の意味として使うことができる言葉となります。

まとめ

「孤軍奮闘」とは周りに助けてくれる人がいない状況のなかで、ただひとりで懸命に努力することを意味する言葉です。仕事において自分ひとりの力でやらざるを得ない「孤軍奮闘」する場面もあるかもしれません。しかし、職場は個人プレーではなく、個々の力を合わせて取り組むことで最大の効果を得ることができる場であると言えます。自分ひとりの力を過信しすぎるのではなく、自分が置かれた状況を見極めてどう取り組んで行くべきかを判断し、ときには助けを求めることも大切ではないでしょうか。