「酸いも甘いも」の意味とは?例文やことわざを紹介!類語と英語も

ふとした会話の中や、誰かについて語るときに登場しやすい「酸いも甘いも」。若い人より年齢を重ねた人生の先輩に対して使うことが多く、どちらかと言うと良いニュアンスを与える言葉です。相手を称賛する時や尊敬の念を示す時にも用いられます。今回はその「酸いも甘いも」について、例文やことわざ、また類語から英語表現まで詳しく紹介していきます。



「酸いも甘いも」の意味と語源

「酸いも甘いも」の意味は「人生経験が豊富であること」

「酸いも甘いも(すいもあまいも)」の意味は、「人生経験が豊富で、世の中のことをいろいろと知っている」です。“いろいろ”には、つらい経験や喜ばしい経験などのさまざまな経験が含まれていて、“世の中の裏も表も見てきた”、“すべてを知ってる”というニュアンスも含まれています。

「酸いも甘いも」の語源は「人生の良し悪し」

「酸いも甘いも」は、「人生の良し悪し」を味覚で例えたことが語源です。「酸い(酸っぱい)」の“酸”に含まれる「つらい」「いたましい」という意味が悪い体験や場面を、また「甘い」に含まれる「楽しく快いさま」という意味が良い体験や場面をそれぞれ表しています。

「酸いも甘いも」の使い方と例文

「酸いも甘いも」の使い方

「酸いも甘いも」は、「酸いも甘いも知っている」など1つのフレーズにして使います。主語は人間であることがほとんどで、相手や自分の経験の豊富さ、また経験のなさを表現するときに用います。

「酸いも甘いも」の例文

●あの方は、酸いも甘いも知り尽くした人生の大先輩である
●酸いも甘いも知らないお子様にはきっと難しい内容の小説だろう
●酸いも甘いも知っているからこそ、あなたのつらさを理解できる

「酸いも甘いも」を使ったことわざ表現

「酸いも甘いも噛み分ける」の意味と例文

「酸いも甘いも」には「酸いも甘いも噛み分ける」ということわざがあり、「さまざまな経験をしていることからこそ、どんな状況が起こっても落ち着いて対処できる」「人の痛みがわかり思いやりがある」という意味として使われます。

●酸いも甘いも噛み分けた人だからこそ、あんな偉業を成し遂げたのだ
●私も〇〇さんのような酸いも甘いも噛み分けた大人になりたい!
●あの若さで酸いも甘いも噛み分けているとは驚きだ

「酸いも甘いも嗅ぎ分ける」や「酸いも甘いも噛みしめる」は誤用

「酸いも甘いも噛み分ける」は、「酸いも甘いも知り抜く」または「知っている」と言い換えることはできます。しかし、「酸いも甘いも嗅ぎ分ける」や「噛みしめる」とは言い換えることはできません。

「嗅ぎ分ける(かぎわける)」には「小さな違いに気づく」という意味、また「噛みしめる」には「肝に銘じる」という意味があり、どちらとも「酸いも甘いも嚙み分ける」とは異なる意味合いです。

「酸いも甘いも」の類語・類似表現は?

「酸いも甘いも」の類語は「苦楽」「栄光と挫折」

「酸いも甘いも」の類語には、「苦楽」(くらく)や「栄光と挫折」(えいこうとざせつ)という言葉があります。

「苦楽」(くらく)は字のごとく、「苦しみと楽しみ」という意味があります。「酸いも甘いも」のように「良い悪い」を表現していますが、人生経験が豊富であるという意味合いまでは含まれておらず、シンプルに「苦しいこと」「楽しいこと」を伝えるときに使われます。

「栄光と挫折」も“人生において良いも悪いも経験している”という意味合いは同じです。「輝かしい立派な評価を得ること」という意味がある「栄光」は“甘い”の類語、そして「仕事や計画が途中でうまくいかなくなる」という意味がある「挫折」は“酸い”の類語にあたります。異なる点は、「酸いも甘いも」よりも良い面・悪い面の差が大きいことです。「栄光」には“誰からも称賛される”のようなニュアンス、「挫折」には“どん底”のニュアンスがあり、「人生経験が豊富」というよりも「ひどく苦労してきたんだな」という印象を与えます。

「海千山千」は似た意味を持つ四字熟語だが使い方に注意

「酸いも甘いも」と似た意味をもつ四字熟語には「海千山千」があります。「海千山千」は、「色々な経験を積んでいる人」という意味を持つ言葉で、「酸いも甘いも」と近しい意味を持ちます。

一方で「海千山千」には、「(世の中を知り尽くしている)ずる賢い人」という意味が含まれるため、褒め言葉としては利用できません。褒め言葉としては、「百戦錬磨」などを使うとよいでしょう。

「酸いも甘いも」の英語表現は?

「酸いも甘いも」の英語表現は「the sweet and bitter of life」

「酸いも甘いも」の英語表現は、“楽しい”という意味を持つ「sweet」と“つらい”という意味を持つ「bitter」を使い「the sweet and bitter of life(人生の楽しみとつらさ)」と表現します。

「酸いも甘いも(the sweet and bitter of life)」を使った例文

●「私の母は、世の中の酸いも甘いも嚙み分けている人だ」
“ My mother has tasted the sweets and bitters of life.”

●「私は酸いも甘いも承知している。心配しないで!」
“I have tasted the sweets and bitters of life. Don’t worry about me!”

●「彼は酸いも甘いも噛み分けた人だ」
“He is man who has tasted the sweets and bitters of life.”

まとめ

「酸いも甘いも」は、相手に尊敬の念を示したり称賛したりするときに使うポジティブな言葉であり、“人生において良いも悪いもさまざまな経験をしてきた”という人としての深みを表現する時にも用いられます。

商談などのようなビジネスシーンで使われることはほとんどありませんが、目上の方とのお付き合いで登場することは十分にあります。10代20代のような若さでこの言葉を使うと少し偉そうな印象を与えてしまうので、ある程度の人生経験を積んだ30歳以降に使うといいでしょう。

 

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パーティーコーディネーターとして勤務後、10カ国以上で様々な文化を体験。帰国してからはライターに転職し、ライフスタイルからビジネスまで幅広く執筆しています。趣味は1人旅。好きな国はニュージーランドです。