ビジネスでも使われる「岡目八目」という四字熟語。「傍目八目との違いが分からない!」「正しい使い方が分からない!」という疑問をお持ちではありませんか?「岡目八目」の意味や正しい使い方を説明します。類語と対義語も併せて紹介するため、参考にしてください。
「岡目八目」の意味と由来とは?
「岡目八目」の意味は”第三者は物事を客観視できる”
四字熟語「岡目八目」の意味は、”当事者たちよりも第三者の方が、物事を客観視しているため、正しい判断を下せる”です。問題の渦中にいる当事者は、現在起こっている問題で頭がいっぱいなのに対し、傍から見ている第三者は冷静で、客観的な判断ができことを表しています。
読み方は「おかめはちもく」であるため、「おかめはちめ」などの読み間違いに注意しましょう。
「岡目八目」の由来は”囲碁”
「岡目八目」は囲碁が由来しています。囲碁を行っている当事者たちは、目の前で行われている試合に夢中ですが、傍から見ている第三者が冷静に、試合の行方を判断していたことから「岡目八目」という四字熟語が生まれました。
「岡目」が「第三者」を、「八目」が「囲碁の基盤」を意味しています。
「岡目八目」の使い方とは?
第三者が存在する状況で使う
「岡目八目」という四字熟語は、第三者が存在する状況で使用できます。当事者ではない傍観者がいることで、起こっている事柄を客観的に見て、適した判断を下せるのです。例えば、芸術家のAさんが自分の作品について悩んでいたとします。
そこで、専門外のBさんが第三者の視点から、客観的にアドバイスをしたとしましょう。芸術に関係のないBさんが冷静に適した言葉を発した場合、Bさんの意見は「岡目八目」と言えます。
仕事でも使える「岡目八目」
「岡目八目」は仕事でも使われます。通常、身内である社員だけで行う会議やプレゼンに、あえてコンサルタント会社など社外の人間をいれるのです。身内同士で話し合うのではなく、第三者となる人物を加えることで客観的に会社の状況を知れ、自分たちでは見落していた点に気づくことができます。
「傍目八目」とも言う
「岡目八目」とは別に、「傍目八目(おかめはちもく)」という呼び方もされます。漢字は違うものの、言葉の意味と読み方は「岡目八目」と同じです。
「傍」という感じは「はた」と読むため、「はためはちもく」と読まないよう注意しましょう。
「岡目八目」の類語とは?
岡目八目の類語①「他人の正目」は他人の判断が正しいという意味
「岡目八目」の類語には、「他人の正目」が当てはまります。「利害関係のない、公平な立場である他人の判断や捉え方が正しい」という意味をもつ「他人の正目」。読み方は「たにんのまさめ」です。
例えば、「大きな決断をするときこそ、他人の正目という言葉を思い出す」という例文。上記の文章は「目の前にある大きな決断で、頭がいっぱいになっている状況でこそ、他人の判断や捉え方が正しいことを思い出す」という意味になります。
岡目八目の類語②「灯台下暗し」は身近なものに気づかない様子
「身近なものは、かえって気づきにくい様子」を意味する「灯台下暗し」も、「岡目八目」の類語です。読み方は「とうだいもとくらし」であり、当事者が冷静に判断できていないことから「岡目八目」の類語と言えます。
例えば、「探していた鍵がポケットから見つかるとは、まさに灯台下暗しだな」という例文。上記の例文では、「鍵を探すことに必死になりすぎて、身近なポケットに入っていたことにすら気がつかなかった」という意味になります。
「岡目八目」の対義語とは?
岡目八目の対義語は「あばたもえくぼ」
「岡目八目」の対義語となるのが、「あばたもえくぼ」です。自分の好きな人のことであれば、短所も長所に見えることを意味しています。例えば、「君は声が低いことを気にしているけど、わたしにとってはあばたもえくぼだ」という例文。
上記の例文は、「好きな人が声の低さをコンプレックだと感じていても、惚れている側からすれば長所に感じる」ことを表しています。
「岡目八目」の英語表現とは?
「岡目八目」の英語表現は”bystander’s vantage point”
「岡目八目」を英語で表したのが、「bystander’s vantage point」です。「bystander’s」が「傍観者」を、「vantage point」が「有利な立場」を意味しています。「当事者でない人物が、正しい判断を下す」という意味では、「bystander’s vantage point」は適した表現と言えます。
まとめ
「岡目八目」とは、「第三者は客観的な視点で、適した判断を下せる」という意味の四字熟語です。読み方は「おかめはちもく」で、「傍目八目」とも表します。類語には「公平な立場である他人の意見が正しい」ことを意味する「他人の正目」や、「冷静さを失い、身近なものに気づかない様子」の「灯台下暗し」が当てはまるため、状況に応じて言い換えてみてください。