「棚に上げる」の意味とは?語源や使い方と類語も解説(例文つき)

「棚に上げる」という慣用句は、何か問題が起きたり誰かと揉めたりしたときに使われる場合が多い言葉です。なんとなく悪い意味を持つ言葉であることはわかりつつも、正しい使い方ができているかどうか不安に感じている方はいるのではないでしょうか?今回はそんな不安を払拭すべく、「棚に上げる」について意味や語源、使い方の例文もあわせて詳しく解説します。



「棚に上げる」とは?

「棚に上げる」の意味は「不都合なことには触れない」

「棚に上げる(たなにあげる)」には、「自分にとって不都合なことには触れない」や「知らん顔する」という意味があります。ビジネスシーンにおいては、「しなければいけない事を先延ばしする」という意味合いでも使われます。「棚に上げる」は悪い印象を与える言葉で、“棚に上げる対象物”に対し否定的な態度や思考が向けられています。。

「棚に上げる」の語源は「棚にしまっておく」

「棚に上げる」の語源は、「棚の上の方にしまっておく」が語源です。高い位置に物を置くことで、置いた物が下から見えなくなることから来ています。

「棚に上げる」と「棚上げ」は意味が異なる

「棚上げ(たなあげ)」は「棚に上げる」を言い換えた言葉に見えますが、少し異なる意味を持っています。

「棚上げ」は、「問題の解決や処理を一時的に保留する」「需給のバランスを取るために、一時的に商品を市場に出さない」という意味を持ちます。“ある問題について触れない”というと部分は同じですが、「棚上げ」には「棚に上げる」の“知らん顔する”のような悪い意味合いはありません。

「棚に上げる」の使い方と例文

対象物を前に置いて「〇〇を棚に上げる」と使う

「棚に上げる」は、“棚に上げる対象物”を言葉の前において「〇〇(対象物)を棚に上げる」などのように使います。〇〇に当てはまる言葉で、よく使われるのは「自分のこと」です。「自分のミス」や「大変な仕事」もビジネスシーンでよく登場します。

「棚に上げる」の例文

ビジネスシーン

  • 「難しい仕事を棚に上げて、簡単な作業ばかりをしている」
  • 「今夜の会議に必要な資料作成を棚に上げて、納期が来週の仕事をしようとしている」

ビジネスシーン以外

  • 「自分のことは棚に上げて、他人のミスばかり指摘する人がいる」
  • 「自分に甘く他人に厳しい人は、自分のことを棚に上げることが多い」
  • 「悪い事と知りながら、自分のことを棚に上げて相手を非難するような人間には絶対になりたくない」

「棚に上げる」の類語・類似表現は?

「棚に上げる」の類語は「口を拭う(くちをぬぐう)」

「棚に上げる」の類語には、“悪いことをしていながら無関係を装う”という意味を持つ「口を拭う」があります。意味は非常に似ていますが、「棚に上げる」の“不都合なことには触れない”に対し、「口を拭う」は“すでに悪いことに手を出している状態”を表しています。「棚に上げる」よりも悪い印象を与えます。

「言行相反(げんこうそうはん)」は似た意味を持つ四字熟語

「棚に上げる」と似た意味を持つ四字熟語には、“言動が食い違っている”という意味を持つ「言行相反」があります。「棚に上げる」の意味である“わかっていても知らん顔をする”という相反する行動が似ています。

「医者の不養生(いしゃのふようじょう)」は似た意味を持つことわざ

ことわざの「医者の不養生」も、“わかっている事がありながらも実際に行動には移さない”という「棚に上げる」と似た意味を持っています。異なる点は、わかっている事が“悪いこと”ではなく“正しいこと”や“良いこと”である部分です。しかし、言葉が与える印象は「棚に上げる」と同じく悪いものなので使い方には注意しましょう。

「棚に上げる」の英語表現は?

「棚に上げる」の英語表現は「ignore one’s own faults」

「棚に上げる」の英語表現は、“無視する”という意味を持つ”ignore”と、“自分の過失である“という意味を持つ”own fault”を使った「ignore one’s own faults」と言うフレーズが適切です。

●「彼は自分のことを棚に上げている」
“He ignores his own faults.”

「look who’s talking」も「棚に上げる」の英語表現

「look who’s talking」は、「(自分のことを棚に上げて)よく言うよ!」と「ignore one’s own faults」よりも感情がこもっている英語表現です。対象物に対しての強い非難の気持ちが表れています。

●「彼は怠け者だ」
“He is lazy man.”

●「自分のことを棚に上げて!あなたも朝から何もしていないじゃない!」
“Look who’s talking! You have been doing nothing since this morning!”

まとめ

「棚に上げる」は、「自分にとって都合の悪いことに触れない」という悪い印象を与える意味を持つ慣用句です。ビジネスシーンでも登場する言葉なので、しっかりと理解しておきましょう。

「棚に上げる」は皮肉や嫌みのニュアンスが含まれているため、あまり頻繁に使うことはオススメしません。自覚なく棚に上げている場合もあるので、最初はアドバイスのような違う言葉をかけてあげてください。

ABOUTこの記事をかいた人

山下直子

パーティーコーディネーターとして勤務後、10カ国以上でさまざまな文化を体験。帰国してからはライターに転職し、ライフスタイルからビジネスまで幅広く執筆しています。将来は旅をしながら、国際問題の記事も書いていきたいと思っています。