「深謀遠慮」の意味とは?使い方から類語や英語を例文つきで解説

人が何か策略をもって成功したときに使われる「深謀遠慮」という言葉。なんだか難しく聞こえる四字熟語ですが、どんな意味なのでしょうか。

そこで今回は、「深謀遠慮」の意味と語源、それから正しい使い方を例文とあわせて解説します。また類語や対義語、さらには英語表現も紹介します。

「深謀遠慮」とは

読み方は「しんぼうえんりょ」、意味は「周到に計画を立てること」

「深謀遠慮」とは「しんぼうえんりょ」と読みます。意味は「遠い将来のことをよく考えて、周到に計画を立てること」です。

「深謀遠慮」の漢字の意味を解く

「深謀遠慮」の「深謀」とは「深く考えられたその考え」という意味です。

また「遠慮」にも深い考えという意味があるのですが、ここでは特に「遠い先々まで思いを巡らした考え」のことを指します。

現代では「遠慮」というと、「○○さんに遠慮する」とか「パーティの招待を遠慮する」のように人に対して言動や行動を慎むことや控えめにすることの意味で使われることが普通です。

しかし「深謀遠慮」の「遠慮」のように「遠い先々まで思いを巡らす」という意味は、「遠慮」の本来の意味でした。この意味から、じっくりと思いを巡らしているためすぐに行動できないことから、「控えめにすること」という現在の意味が生まれたと推測されます。

なお、この「控えめにすること」という意味は江戸時代にはすでに生まれていたそうです。

語源は秦を批判する『過秦論』

「深謀遠慮」という言葉の由来は、紀元前200年ごろの中国は前漢の時代、賈誼(かぎ)によって著された『過秦論」(かしんろん)の中にあります。

賈誼は紀元前180年ごろに活躍した文帝に仕えた文学者で、ほかにも儒家としての目線で時勢を論じました。

この著作の中で賈誼は秦が2代の皇帝で滅びた原因は、法治ばかりに重点を置いて対外政策が取れていなかったと批判しましたこの批判の中に「深謀遠慮」という言葉が使われて、武将なら将来を見通して計画を練るべきだと主張しています。

「深謀遠慮」とは国家が国を守るためには必須の考え方だという意味で生まれたのでした。

似た意味の2語が連なった構成

四字熟語の構成には、最初の2字とそれに続く2字の関係が主語と述語の関係になっていたり、後半の2字が最初の2字ににかかって修飾している関係になっていたりと、4字熟語によってそれぞれ構成が違います。

「深謀遠慮」の場合は、最初2字と後半2字の意味が似ているもの同士が連なっている構成になっています。同じ構成になっている四字熟語には、「威風堂々」や「栄枯盛衰」などがあります。

「深謀遠慮」の使い方と例文

「深謀遠慮」にいい意味と悪い意味の両方で使われる

「深謀遠慮」の「先々を思い計画を立てること」という意味から、この計画を「はかりごと」と説明していることがあります。

この「はかりごと」の持つ意味合いには、いい意味も悪い意味も含まれているため、「深謀遠慮」がポジティブにもネガティブにも使われます。

将来を見やって深く考えをめぐらして計画を立てるという意味で使われることもあれば、その一方で「腹黒い」といったずる賢さを強調した意味として使われることもあります。

例文:
「彼は深謀遠慮な性格で、深く物事を考えられるだけでなく将来のプランも明確に立てられる」
「奴の深謀遠慮なところを信じちゃだめだ。騙されるぞ」

人の性格を表すときに使われることが多い

また「深謀遠慮」は、先のことを見通して考えて行動するようなタイプの人のことを形容するときに使われることがよくあります。

例文を見てみましょう。

  • 「彼女は深謀遠慮だから、退社したときのリスクはちゃんと考えているはずだ」
  • 「深謀遠慮な性格の彼だから、安心して結婚できる」
  • 「部長の深謀遠慮のかいがあって、コンペで勝ち取ることができた」

「深謀遠慮」の成句

「将来を見据えた深く考えた計画」という意味の「深謀遠慮」をどのように使うかと言えば、次のような言い回しがあります。

  • 「深謀遠慮のもくろみ」
  • 「深謀遠慮をめぐらす」
  • 「深謀遠慮を練る」

「深謀遠慮」の類語と対義語

類語は「深慮遠謀」「軽率短慮」

  • 深慮遠謀(しんりょえんぼう)

「深謀遠慮」と全く同義で、「将来を見通してよく練られた考え」という意味です。

  • 遠望神慮(えんぼうしんりょ)

「先を見通した思慮ある考え」という意味です。
「遠望」は「遠くを見ること」という意味で、「神慮」は「神のみこころ」という意味が転じて「神のように思慮深い考え」という意味があります。

対義語は「軽率短慮」

  • 軽率短慮(しけいそつたんりょ)

「よく考えないで軽はずみな行動をすること」という意味です。
「軽率」とは「思慮深さがなく行動すること」という意味であり、「短慮」とは「せっかちで考えが浅いこと」という意味です。

「深謀遠慮」の英語表現

「深謀遠慮」は英語で「far sight and deep design」

「深謀遠慮」の英語の直訳は「far sight and deep design」で、その意味は「遠い視野と深く考えられた結果の計画」という意味です。

「design」(デザイン)と言うと日本語にもなっているように、「図案」や「素描」または「設計」といった意味を思い出しますが、英語の「デザイン」には「計画」や「意図」といった意味もあります。

また別表現としては次のようなものもがあります。

  • “devise of well-thought-out stratagem”「深謀遠慮をめぐらす」

まとめ

「深謀遠慮」とは「将来を視野に入れてよく考えて練られた計画」といった意味です。いい意味でも悪い意味でも使われることがありますので、文脈からどちらの意味で使われているのかを考えるようにしましょう。