「虚心坦懐」の意味とは?使い方・例文と類語や英語も紹介

「虚心坦懐(きょしんたんかい)」とは、「わだかまりがない心」という意味の四字熟語です。ビジネスシーンでは、先入観を持たずに物事にあたる態度を示す時に用います。この記事では、「ありのまま」を示す四字熟語である虚心坦懐について、使い方や類語・対義語と英語についても紹介します。

「虚心坦懐」とは?

「虚心坦懐」の意味は”わだかまりがなく、さっぱりした心”

「虚心坦懐」の意味は、“わだかまりがなく、さっぱりした心”です。「虚心」と「坦懐」があわさった四字熟語です。

「虚心」とは、先入観などにとらわれず、素直に対象に向かい合おうとする態度の意味で、二字熟語としても使われます。「虚心に耳を傾ける」「虚心に筆を走らせる」などのように使います。

「坦懐」も同じく、わだかまりがなく、物事にこだわらないという意味を持ちます。「虚心」に同じような意味の熟語をつなげて強調した言葉が「虚心坦懐」です。

「虚心坦懐」の読み方は”きょしんたんかい”

「虚心坦懐」の読み方は、“きょしんたんかい”です。

「虚心坦懐」は古典などの出典はない

「虚心坦懐」は、先に説明したとおり、同じような意味の二字熟語をつなげて作られた四字熟語であり、古典などの出典はありません。

「虚心坦懐」の使い方と例文とは?

「虚心坦懐」はわだかまりない気持ちを表明する時に使う

「虚心坦懐」は日常的な会話で用いる機会はあまりないといえます。ビジネスや公的な場面において、わだかまりのない気持ちで物事にのぞむ態度を改めて表明したり、先入観にとらわれない気持ちを伝える場面や文書などで用いられます。

「虚心坦懐」を使ったビジネス例文

「虚心坦懐」を用いて態度を表す例文を紹介します。

  • 問題が山積する中、担当者は虚心坦懐に改革を進めてゆくとスピーチで述べた。
  • 虚心坦懐に筆を進めることで、その作家は本質を描き出そうとした。
  • 利害が対立していようとも、虚心坦懐に議論をつくすことが大切だ。

「虚心坦懐」の類語とは?

虚心坦懐の類語①「虚心平気」

「虚心平気(きょしんへいき)」は”虚心坦懐”と同じく「わだかまりがなく、さっぱりした心」という意味です。

「平気」には、心が乱されない状態を表す意味があり、「坦懐」と同じく「虚心」と結びついて意味を強める作用をもたらしています。

虚心坦懐の類語②「明鏡止水」

「明鏡止水(めいきょうしすい)」とは、”邪念がなく、心が澄み切った様子”を表す言葉です。「虚心坦懐」はさっぱりとした心を特に表しますが、「明鏡止水」は澄み切った心を特に表します。

虚心坦懐の類語③「在るが儘」

「在るが儘(あるがまま)」の意味は、”ありのまま”という意味です。「ありのままの自分」というように自分の状態をそのまま肯定して、気負わずにいることを表すときによく使われます。その時の状況を受け入れ、「在るがままに交渉にのぞむ」などと「虚心坦懐」と同じような意味で使うこともできます。

「虚心坦懐」の対義語とは?

虚心坦懐の対義語は「疑心暗鬼」

「疑心暗鬼」とは、”疑う心があると、なんでもないことを疑わしく感じる”ということをたとえた言葉です。「疑心」は疑う心の意味、「暗鬼」は暗闇の中の亡霊の意味です。つまり疑う心を持っていると、暗闇に亡霊が見えるようなあらぬ妄想にとらわれてしまうということをたとえています。

ビジネスにおいて成果を出すには、疑心暗鬼の気持ちよりも虚心坦懐の気持ちで臨むことが大切だといえるでしょう。

「虚心坦懐」の英語表現とは?

虚心坦懐に近い英語表現は「with an open and calm mind」

「わだかまりがなく、さっぱりした心(で物事に接する)」という意味の英語表現を紹介します。

  • 「open mind」は「開いた心」という意味
    「with an open and calm mind」は「虚心坦懐」に近い表現です。
    「receive feedback with an open mind」は「フィードバックを偏見のない(開いた)心で受ける」という意味になります。
  • 「candor」は「率直・公平」という意味
    「speak in candor」で「率直に話す」という意味になります。

まとめ

「虚心坦懐」は、ビジネスにおける心の持ち方として最適な意味を持つ言葉です。「わだかまりがなく、さっぱりした心」という意味に加えて、他に左右されない「平常心」、「ありのままの自然体」という意味合いも含みます。

いわば雑念のない、とらわれのない気持ちである「虚心坦懐」の心で常に物事にのぞむことで、高いパフォーマンスを得ることができるといえます。

その逆に、対義語で紹介した「疑心暗鬼」の気持ちでビジネスにあたるなら、疑いの心にとらわれて、大切な成果を逃してしまうことになるでしょう。