「東奔西走」の意味や語源とは?奔走など類語や例文・英語も紹介

四字熟語「東奔西走」と「奔走」との意味の違いはあるのでしょうか?この記事では「東奔西走」について、意味や語源、類語・同義語と使い方・例文や英語を紹介します。

あわせて、反対の意味の漢字を二つあわせた「東奔西走」と同じつくりの四字熟語も紹介しています。



「東奔西走」の意味と語源とは?

まずはじめに「東奔西走」の意味と語源を紹介します。

「東奔西走」の意味は「あちこち忙しく回ること」

「東奔西走(とうほんせいそう)」とは「あちこち忙しく回ること」という意味です。「東奔西走する」というように使います。特に、物事がうまくいくように、関係方面をあちこち駆け回る、という意味で使われます。

「東」と「西」という別の方向を示すことで「広い範囲」を表します。「奔走」は「ものごとがうまくいくように、関係方面を回ること」という意味の言葉です。さらに分解すると「奔」は「急いで勢いよく走る」という意味があり、「奔走」の語は「走る」という意味を二重に使った熟語です。

「東奔西走」の語源は「東奔」+「西走」または「東西」+「奔走」

「東奔西走」は「東奔」と「西走」、あるいは「東西」と「奔走」を組み合わせた四字熟語です。特に古典などの出典はなく、反対の意味の熟語を合わせてつくられた言葉です。同じつくりの四字熟語をのちほど紹介します。

「東奔西走」の類語・同義語は?

次に「東奔西走」の類語・同義語を紹介します。

「奔走」も「あちこち走り回る」という意味

「奔走」だけでも「東奔西走」と同じ意味で使うことができますが、「東奔西走」は、「東
に走り、西に走り」という表現で、広範囲かつ忙しく走り回るという意味が強調されています。

「奔走する」とするより「東奔西走する」とした方が広範囲に活動している様子を表現できます。

「駆けずり回る」は「休むひまもなく走り回る」という意味

「駆けずり回る」は、「休むひまもなく、あちこちを走り回る」という意味です。「東奔西走」と同じく、物事がうまくいくように関係先を走り回るという意味がありますが、「駆けずり回る」の方が、切羽詰まった状況であるというニュアンスがあります。また、走り回る範囲は示していないため、「東奔西走」に近い表現としては「西に東に駆けずり回る」などがあります。

「南船北馬」は「各地に忙しく旅行する」という意味

「南船北馬(なんせんほくば)」は、中国の古典『淮南子』が出典だとされる言葉です。中国では南は船で、北は馬に乗って旅行することが多いことから、転じて「各地に忙しく旅行をすること」という意味です。「東奔西走」のように、物事がうまくいくように駆け回る、という意味は含まれません。

「右往左往」は類語とはいえない

「右往左往」は「東奔西走」の類語とされることもありますが、その意味からすると類語とはいえないかもしれません。「右往左往」は「秩序なくあちこちに行ったり来たりすること」という意味で、混乱してうろうろする状況を表します。「東奔西走」の「あちこち走り回る」という意味は含まれません。

「東奔西走」の使い方と例文

「東奔西走」の使い方と例文を紹介します。

ただ忙しいだけの状況には適さない

「東奔西走」は、何らかの目的をとげるために、広い範囲をあちこちに走り回るという状況を説明する時に使います。ただたんに動揺して右往左往している状況や、忙しく忙殺されている状況などを表すのには適しません。

「東奔西走する」の例文

「東奔西走」は、「東奔西走する」というように使われます。

  • 事業が軌道に乗るまでは、東奔西走する毎日だった。
  • 無罪を証明するために東奔西走して証拠を集めた。
  • 選挙では東奔西走して有権者に訴える必要がある。
  • 部長は複数の子会社をまとめるため東奔西走している。

「東奔西走」と同じく反対の意味の二字熟語からなる四字熟語は?

「東奔西走」の語の特徴として、反対の語が組み合わさってできた四字熟語であることがあげられます。「東に走り、西に走る」というわけです。同じつくりの四字熟語を紹介します。

「内憂外患」も反対の語からなる四字熟語

反対の語からなる四字熟語の仲間として「内憂」「外患」からなる「内憂外患(ないゆうがいかん)」があります。「国内の心配事と、外国からもたらされる心配事」という意味です。「内と外」を並列することで心配事の大きさが強調されています。

「南船北馬」「右往左往」も反対の語からなる四字熟語

類語で紹介した「南船北馬」「右往左往」も反対の意味の漢字からなる四字熟語です。「南と北」「右と左」というような反対の方向を並べることで意味を強めています。

「東奔西走」の英語表現

「東奔西走」の英語表現を紹介します。「東に西に」という方角が入った表現は英語にないため、「あちこち」と「奔走する」という意味の表現を紹介します。

  • 「あちこち」の英語表現は次のようなものがあります。
    ・here and there
    ・all over the place
    ・everywhere
  • 「奔走する」の英語表現は次のようなものがあります。
    ・busy oneself
    ・be constantly on the move
  • 例文「私はあちこち奔走して資金を調達した」
    「I ran all over the place and raised funds.」

まとめ

「東奔西走」は東に西に奔走する、という表現により「(目的を達成するために)あちこち忙しく回ること」という意味を表します。「奔走する」というだけよりも、広範囲に動き回る様子を表すときに使いたい表現です。

「東西」という表現は、「古今東西」の「昔から今まで、あらゆる場所で」という意味にも使われるように、空間の広がりを表す表現です。

あるいはまた、「東奔」と「西走」で分けて考えてみると、反対の意味の二字熟語を並べてあちこちに走り回るという意味を強調する四字熟語でもあります。その仲間の言葉として「内憂外患」などがあります。

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趣味は読書とヨーロッパ旅行です。ドイツには5年余り滞在経験があります。某大学の人間科学部とデザイン学部を卒業。人生が豊かになる知識の探索を人生の糧にしています。