「臥薪嘗胆」の意味と由来は?使い方や類語・英語も例文つきで解説

座右の銘にも使われる「臥薪嘗胆」という言葉の意味や読み方を知っている、という方はあまり多くないかもしれません。今回は「臥薪嘗胆」の意味や読み方、使い方や類語などについて、わかりやすく解説します。「臥薪嘗胆の日々」という言葉や由来となった故事のあらすじについてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。



「臥薪嘗胆」の意味と読み方

「臥薪嘗胆」は「がしんしょうたん」と読む

四字熟語には、読み方が難しいものも多いものですが、「臥薪嘗胆」は特に難しいと言って良いでしょう。「臥薪嘗胆」は「がしんしょうたん」と読みます。

「がんししょうたん」や「がしんしょうだん」は誤りですので、読み間違えないように注意しましょう。

「臥薪嘗胆」の意味は辞典では「苦心を重ねる」

「臥薪嘗胆」という言葉は、物事を耐え忍ぶという意味があります。辞書で「臥薪嘗胆」を調べると「敵(かたき)を討とうとして、苦心や苦労を重ねること」と、説明されていることが多いようです。

ここで言う敵とは、自分の大切な人や物を奪った相手のことです。そのため「敵を討つ」とは、すなわち「復讐」を意味していると考えることができます。

つまり、「臥薪嘗胆」は「復讐のために必要な苦労や苦心を重ねる」という意味です。

「臥薪嘗胆」を簡単に言うと「目的のために耐える」

「臥薪嘗胆」は古い四字熟語であるため、「復讐のため」という状況設定がなされていますが、現代では少しピンと来ないかもしれません。

「臥薪嘗胆」を簡単に説明すると「目的達成のために耐える、頑張る」という意味です。自分が何かに向かって努力を重ねる中で、避けられない困難や苦労に遭遇しても諦めずに耐える、進み続けるために頑張る、と理解できます。

「臥薪嘗胆」の由来と語源

「臥薪嘗胆」の由来は闔閭の息子夫差の故事

「臥薪嘗胆」という言葉は、元々は中国の故事から来ています。「臥薪嘗胆」の由来となった故事は「十八史略(じゅうはっしりゃく)」というもので、その中の「春秋戦略(しゅんじゅうせんりゃく)」の一文が「臥薪嘗胆」を表しています。

春秋戦略には、呉の国を治めていた王「闔閭(こうりょ)」とその息子「夫差(ふさ)」が登場し、「臥薪嘗胆」は闔閭の敵を取ると決めた夫差の物語の一部です。

現代語訳のあらすじでも夫差の志が記されている

春秋時代、王である闔閭は、戦いに敗れて戦死します。息子の夫差は、父の敵を取ることを決めました。夫差は敵を討つという強い気持ちを忘れないように、毎日硬い薪に寝ることにします。夫差は薪の上で寝る体の痛みで復讐の気持ちを絶やさないようにしたのです。

この故事から「薪の上に臥す」が「臥薪」、「肝のような苦みをなめる」という意味で「嘗胆」、これらを合わせて「臥薪嘗胆」となったと言われています。

「臥薪嘗胆」の使い方と例文・短文

座右の銘にも使われる「臥薪嘗胆」は粘り強さを表す

「臥薪嘗胆」という言葉は、自分や誰かが頑張っている様子を指す場合に使われます。苦労や苦心に耐えながら邁進する、粘り強さのようなものを表したいときにぴったりです。

「臥薪嘗胆の」「臥薪嘗胆で」「臥薪嘗胆を」など、さまざまな助詞をつけて使うことができます。また、「臥薪嘗胆」という言葉自体を座右の銘にする人も多いようです。

  • 「私はここに至るまで、さまざまな困難に見舞われましたが、臥薪嘗胆の思いでやってきました」
  • 「彼はまさに臥薪嘗胆、くじけず目標に向けて本当に頑張っているよ」
  • 「私の座右の銘は”臥薪嘗胆”です、諦めない気持ちには自信があります」

「臥薪嘗胆の日々」とは何かに向かって苦労を続ける日々

「臥薪嘗胆」という言葉は、単体で使われることもありますが、「臥薪嘗胆の日々」という言葉で使われることの方が多いかもしれません。

「臥薪嘗胆の日々」とは「何かに向けて苦労や苦心を続ける毎日を過ごす」という意味です。主には仕事や勉強、習い事や趣味など、自分が何かの力を身につけるために過ごす、ストイックな日々を表します。

  • 「一人前になるまでは、臥薪嘗胆の日々を過ごそうと思う」
  • 「希望の大学に入学するためには、臥薪嘗胆の日々は当たり前だろう」
  • 「臥薪嘗胆の日々を過ごせるほど、強い気持ちがあるのはすばらしいことだ」

「臥薪嘗胆」の類語表現

「捲土重来を期す」は努力を表す

「臥薪嘗胆」という言葉には、いくつかの類義語があります。「捲土重来を期す(けんどちょうらいをきす)」もその一つです。

「捲土重来を期す」の「捲土重来」とは、土埃が舞い上がり、収まってもまたじきに再び土埃が舞う、という状況を表した言葉で、「上手くいかなかったことが、再び勢い良く盛り返す」という意味です。「期す」とは「心に誓う」という意味なので、合わせると「ここからまた盛り返すことを決意する」という意味となります。

「臥薪嘗胆」は「目標とするものを目指して、そのために耐える」、「捲土重来を期す」は「目標とするものを目指して奮起することを誓う」という意味なので、意味自体は異なりますが、目指すものを諦めずに進み続けるという意味では似た言葉と言えるでしょう。

「辛酸をなめる」は労力を費やすこと

「臥薪嘗胆」の「嘗胆」の部分に注目した場合の類語もあります。「辛酸(しんさん)をなめる」は「苦しく、つらい目に遭う」「苦労をする」という意味です。辛いものや酸っぱいもの、という味覚にうれしくないものを味わってきた、ということを指す言葉で、苦労や災難を比喩しています。

自分が経験した苦労や不幸を「辛酸をなめた」と表現することで、必要以上に自分の不幸を強調することなく、表すことができます。

「臥薪嘗胆」の英語表現

「臥薪嘗胆」の英語表現は「perseverance」

「臥薪嘗胆」を英語で表す場合は、「耐え忍ぶ」という意味の単語を使うことができます。「耐え忍ぶ」という状況を表す言葉はいくつかありますが、「perseverance」は「忍耐」という言葉にも訳すことができるので、比較的使いやすいかもしれません。

「After persevering for five years, she finally passed the examination」とすれば「彼女は5年の間耐え忍んで、ついに試験に合格した」という意味となり、「臥薪嘗胆」と同じ意味を持たせることができます。

まとめ

「臥薪嘗胆」という言葉は、日常的には使わないかもしれません。しかし、自分や誰かが辛い思いをしながら、何かのために耐え忍んでいる状況を表すときに、状況だけでなく心境もしっくりと来る感触を味わえるでしょう。ぜひ、この機会に「臥薪嘗胆」を語彙の中に入れておき、ここぞというところで使ってみてください。