「濡れ手で粟」とは?意味と使い方を例文を使ってわかりやすく解説

日常生活でもビジネスシーンでも使われる表現に「濡れ手で粟」があります。日本には比喩的な表現を使った言葉が数多くありますが、中でも「濡れ手で粟」の意味や使い方を正しく理解している人は少ないかもしれません。

ここでは「濡れ手で粟」の意味と使い方、類語と対義語、また英語表現を含めて紹介しています。本来は誤用だと知っておきたい「濡れ手に粟」も解説します。



「濡れ手で粟」とは?

はじめに「濡れ手で粟」の意味と正しい使い方からみていきましょう。

「濡れ手で粟」の意味は「苦労しないで多くの儲けを得ること」

「濡れ手で粟」とは「苦労なしで容易に多くの儲けをえること」です。骨を折ることもなく、いとも簡単に多額の利益を手に入れるさまを指しています。乾いた手ではなく、濡れた手で粟をつかもうとすると、驚くほどの粟粒が勝手に手にくっついてきます。

この状況から「努力をしなくても多くの粟をとることができる」となり、意味が転じて「何の苦労もせず、金を儲けることができる」ことを表す言葉として使われるようになりました。つまり「粟=金、利益」です。

そもそも「粟」とは?

「濡れ手に粟」の「粟」とは、五穀の一つとしても知られる「イネ科」の植物です。9月を境に小さな花が穂となって咲くのが特徴で、従来米と混ぜて食べたり、酒やアメなどの原料としても使われています。「粟」そのものはドライで軽いため、濡れた手で粟をつかもうとすると、にいとも簡単にくっつくことが想像できるでしょう。

「濡れ手に粟」は誤用?

「濡れ手に粟」という言葉が広く使われていますが、「濡れた手に勝手に粟がくっつく」という意味合いで生まれたわけではありません。一部の辞書で紹介されてはいますが、本来の意味を考えると「濡れ手で粟」とするのが正しいとされています。

「濡れ手で泡」は誤った使い方

「濡れ手で泡」と書くのは誤りです。「泡」を「泡となって消えてしまう」「泡のようにつかめない」というようなニュアンスで、「いくら努力をしても報われないこと」とするのは誤りとなります。正しい漢字表記と使い方をするように気を付けましょう。

「濡れ手で粟」の使い方の例文

「濡れ手で粟」を使った例文を5つ紹介します。

  • 飛び入り参加をした企業説明会でスカウトを受け、濡れ手で粟をつかむ運命を手に入れた。
  • 濡れ手で粟というように、新人が開発した一つのおもちゃが大ブレークした。
  • 海外のカジノ場で大当たりし、濡れ手で粟の大金を得た。
  • 東京オリンピックを目前に、日本のアニメグッズが濡れ手で粟の状態である。
  • 濡れ手で粟とまではいかないが、企業の利益は消費者のニーズに沿って自然に伸びている。

「濡れ手で粟」の類義語と対義語は?

続いて「濡れ手で粟」の類義語と対義語を挙げてみます。

「濡れ手で粟」の類義語は「一攫千金」

「濡れ手で粟」の類義語にあたるのは、言葉通り「ひとつかみで千金をつかみ、莫大な利益を得ること」を指す「一攫千金」です。一度にたやすく多くの儲けを得たり、一つの仕事だけで巨利をつかむことを意味しています。

また、努力をせず、楽して多くの金を得るという意味から考えれば、「丸儲け」「ぼろ儲け」「荒稼ぎ」「一儲け」なども似たような意味を持つ言葉として使うことができるでしょう。

「濡れ手で粟」と似た意味をもつことわざは「漁夫の利」

「濡れ手で粟」と似た意味を持つことわざに「漁夫の利」があります。意味は「当事者が争いをしている最中に、関係のない第三者が利益を持っていく」となり、両者が争いをし、意識が別の方に傾いている時に利益を得てしまうという状況で使われる表現です。

「濡れ手で粟」とは大金を手に入れるシチュエーションが異なりますが、結果的に苦労をすることもなく、利益を頂戴するという意味では似たようなことわざであると言えるでしょう。

「濡れ手で粟」の対義語は「骨折り損のくたびれ儲け」

「濡れ手で粟」の対義語になるのは、骨を折って働いても何も得られないことを意味する「骨折り損のくたびれ儲け」です。「骨を折るほど必死で働いても代償すらない」という「全くの損であること」を表す時に使われます。

たとえば「一日中歩き回っても目的の場所に辿り着かない」「汗水たらして働いても給料が上がらない」というような場面で使われます。「苦労をしても、ただくたびれるだけ」なのが「骨折り損のくたびれ儲け」です。

また「籠で水を汲む」は、隙間の多い穴の開いた籠にいくら水を汲んでも貯まらないことから、一生懸命に努力しても報われないさまを指す言葉として使われています。

「濡れ手で粟」を英語で表現すると?

最後に「濡れ手で粟」の英語表現を紹介します。簡単に利益を掴むという意味の英語表現はどのようになるのでしょうか?

「濡れ手で粟」は「make easy money」と表現しよう

「濡れ手で粟」は日本特有の比喩的な表現を用いてできた言葉ですが、英語で表すならシンプルでわかりやすい「make easy money(簡単に金を得る)」、もしくは「make easy gain(簡単に利益を得る)」という表現を使いましょう。

「濡れ手で粟」を使ったビジネス英文

「濡れ手で粟」を使ったビジネス例文を挙げてみます。

  • It is nothing but easy money on this business..
    まさに、このビジネスは濡れ手で粟だよ。
  • Just like making easy money, our company earning has been rapidly increased.
    濡れ手で粟とは言うが、我が社の収益はうなぎ上りだ。

まとめ

「濡れ手で粟」は「苦労なしで簡単に利益を得ること」を意味し、努力をしないで大金を手に入れることを指す言葉となります。ビジネスパーソンなら「濡れ手で粟」のビジネスチャンスはぜひともとらえたいもの。一攫千金を夢見るなら、たとえ「骨折り損のくたびれ儲け」であっても、いつかは報われる努力となると信じて頑張っていきたいものです。

ABOUTこの記事をかいた人

某私立大経営学部卒、大手旅行会社、商社を経て、豪州へ移住。米国PCメーカーのカスタマー部に勤務後、カンガルーやエミューのいるNSW州の片田舎で生活を開始。田舎暮らしをきっかけにフリーランス(ライター・翻訳)に転身し現在に至る。趣味はゴルフ、料理、ローカルとのゴシップ、キャンプ。